2025年は「昭和元年」から数えて100年目。4月29日は、そんな節目の年の「昭和の日」です。昭和レトロの魅力を感じてもらおうと、静岡県内でも、さまざまな企画が展開されました。
静岡県三島市で開かれた、「昭和レトロ祭り」。小学生から70代まで幅広い年代が参加しての「のど自慢大会」が行われました。
<参加者>
「郷ひろみです。樹木希林です。ジャパン!昭和生まれなんで青春なんでね」
「昭和があるから平成がある、平成があるから令和があるということで、大事なことは受け継いでいった方がいい」
4月29日は、“昭和100年”と呼ばれる年の「昭和の日」。この節目に、“懐かしい”が詰まった宿泊プランを始めたホテルもあります。
<伊東支局 青島悠記者>
「昔懐かしいテレビゲームに、ラジカセ。ホテルに泊まりながら、まるで昭和にタイムスリップした空間が楽しめます」
熱海市のホテルが1日1組限定で用意した畳敷きの宿泊部屋「昭和夜ふかしルーム」です。1970年代をイメージした家具やボードゲームなど約150点のアイテムがそろっていて、そのほとんどを実際に動かすことができます。
<ホテルニューアカオ 広報マネージャー 杉山聖也さん>
「本当に昔の物、当時の物にこだわって備品を集めた」
宿泊者には、インスタントカメラや駄菓子の詰め合わせがプレゼントされるほか、こんなユニークな特典も!
<伊東支局 青島悠記者>
「さらに宿泊者には、このようにバブリースーツを着て館内で記念撮影するプランもついています」
色鮮やかなバブリースーツに身を包み、館内のレトロスポットをめぐることができます。また、日帰り入浴客なども利用できる、昭和レトロアイテムを集めた展示ルームも設置。“ノスタルジック”をキーワードに観光振興を狙います。
<ホテルニューアカオ 杉山さん>
「昭和レトロというコンテンツがきっかけで熱海の観光全体がより盛り上がっていければいい」
一方で「昭和」の始まりとともに、歴史を積み重ねてきた店もあります。
<滝澤キャスター>
「浜松市浜名区のこちらの菓子店、昭和元年にあたる1926年に創業し、100年目を迎えたということです。店内、そろばんに測り、年季を感じるものありますよ」
うなぎ由来の肥料で育てた地元のサツマイモ入りの生クリーム大福をはじめ、時代の変化に合わせた商品を販売するかたわら、創業当時から変わらないものもー。
<ビアン正明堂 3代目 鈴木美保子さん>
「こちらが落雁の型になります。創業当初からずっと同じ型を使っている」
<滝澤キャスター>
「ずっと変わらないものなんですね。確かに年季を感じる部分があるけれども、きれいな状態で大切に使われているのが伝わります」
「落雁」とは、炒って粉にしたもち米などを砂糖や水あめで固めた和菓子。創業当時とほぼ同じ製法で作っています。
<ビアン正明堂 鈴木さん>
「人(先代)が使っていたものなので、手に馴染み良く使える。(先代は)戦争などがあり大変だったと思うが受け継げて良かった」
<ビアン正明堂 2代目 鈴木祥道さん>
「(3代目に)一生懸命やってもらって感謝している。新しい作り方もあるので楽しみにしている」
3代にわたりさまざまなスイーツを販売してきた和洋菓子店。地域の人とのかかわりを大切に、100年の歴史を刻んできました。
<約40~50年通う客>
「慣れているものだから、食べやすい。長年お付き合いしているので、なんでも家のことでもしゃべれていい」
<ビアン正明堂 3代目 鈴木美保子さん>
「ここにあって良かったとか、ここに来て良かったと思ってもらえる商品をずっと守っていきたい」
100年目の節目を迎えた、「昭和」。その空気感は、これからも多くの人を魅了し、次の時代にも受け継がれていきます。