
北海道と首都圏の6団体への聞き取り調査を行い、現状や課題をまとめた。参加者は「義務教育の未修了者」にとどまらず、形式卒業者や学齢超過の外国人などの大人もいれば、不登校や日本語が話せないなどの事情で学習ができずに困っている現役の小中学生もいた。
深山さん自身も運営者として共感する点が多かったという。論文では自主夜間中学の新たな役割に①進学支援②不登校支援③生活・就労支援④日本語の読み書きが困難な人への支援―を示した。各団体の具体的な取り組み事例として、高校受験を主眼に置いた指導や学校との情報共有、引きこもり状態の人の就職相談への同行など伴走的な支援の実情も記した。「外部連携が必要と感じている団体は多い。しずおか自主夜間教室も同様で、参加者を支えられるよう、横のつながりを多く持ちたいと考えている」と話す。
深山さんは2020年に同教室を開設。22年に同大大学院に入って調査を行った。学内誌に論文として掲載されることで、「信用される情報として発信され、社会にもっと可視化されれば」と話している。