3月23日に投開票された静岡市市議会議員選挙。今回の選挙戦では「女性候補の躍進」が大きな特徴となりました。静岡市は、女性議員の割合が政令市の中でも低く、これまでは約6%ほどしかいませんでしたが、今回の選挙では、立候補した9人の女性候補すべてが当選する結果となりました。
葵区から出馬した国民民主党の新人・杉山真裕子さん(34)は新人ながらもトップ当選を果たしました。
静岡市出身の杉山さん。雇用の充実を訴えてきました。
<杉山真裕子さん(国民民主党)>
「若者が安心して挑戦できる静岡をつくること、就学・就労支援を充実させ、私が本当に政治の力が必要だと思ったこと、それは保育士の皆さんの処遇を改善することです」
女性の声を市政に届けたいという想いも立候補するきっかけになったと言います。
<杉山さん>
「静岡市議会に女性が少ないということで、本当はいろいろ言いたいことがある人が少し言いづらい雰囲気もあるのかなと感じている。多様な年齢性別の方が入ることによって活性化すると思っている」
そして、国民民主党の勢いそのままに当選。
<当選した杉山さん>
「市民に皆様の声に耳を傾ける姿勢を忘れずに、『真っすぐ実行』していきたいと思います」
タスキをかけてゴミ拾いをしているのは、初の選挙戦に挑む無所属の田中志保さんです。選挙カーでの活動や街頭演説など、従来の選挙活動は一切行わず、メインの活動はゴミ拾いのみ。
<田中志保さん(無所属)>
「街に良いことをしながら、自分の名前を知ってもらって、SNSで政策を書いてあるので、声掛けてもらったりなど、いい機会になるかなと思って」
Q. 今からどこへ行く?
「次男のフリースクールの卒業式があって、そちらに向かっています」
田中さんは2人の子どもを育てるシングルマザーです。仕事や子育てをしながらでも政治に参加できる社会を描いています。
<田中さん>
「ライフスタイルがいろいろある中で、選挙スタイルが既存のままというのも私の中では違和感があって、日常生活を送りながらもできる選挙スタイルをもっとみんなが取り組んでいったら、もっと社会が変わっていくと思う」
静岡市内を歩き回った田中さん。3000票あまりを獲得し、初当選を果たしました。
<当選した田中志保さん(無所属)>
「私が当事者として、子育てに困難を抱えたことがあるのでそれを改善していきたい。市民の方の声を聞いてニーズを拾いながら、それを製作に反映させるような形で進めていきたい」
静岡の政治に詳しい専門家は、今回は市民が「変化」を求めた選挙だったと話します。
<法政大学大学院白鳥浩教授>
「今回落選した中にも自民党のベテラン議員がいる。それをみると、静岡市議選で市民が選んだのは『チェンジ』。新しい静岡の政治だったといってもいいと思う」
男社会のイメージが強い政治ですが、女性議員が大幅に増えたことで静岡市議会がどのように変わっていくのか、しっかり見ていく必要があると思います。