現地のサッカー熱を感じて

鬼頭:瀬崎さんは静岡放送を3月に退社した後、1カ月間ヨーロッパに行ってらっしゃいました。今回は「一耀のヨーロッパサッカーリポート」というタイトルで、ヨーロッパサッカーの最前線を報告していただきます。この1ヶ月の旅はどうでしたか?
瀬崎:本当に熱アツでした。全部で6〜7カ国に行き、5大リーグのうちドイツ、スペイン、イタリアのサッカーを見ることができました。
鬼頭:3月に番組に出たとき、スペインでバルセロナ対レアルマドリードの試合(エル・クラシコ)を観るとおっしゃっていましたが、観られましたか?
瀬崎:観てきました。たまらなかったです。
石山:チケット取りたくても取れないですよ。やっぱり上から見ても全然違いますか?
瀬崎:すごいですよ。9万人を収容しないといけないので、スタジアムがほぼ垂直なんです。高所恐怖症の人は行けないと思います。僕は三島スカイウォークより怖かったです。
点が入ると大勢が立ち上がって前に出てしまうので、本当に揺れるんです。迫力がすごかったですね。
鬼頭:結果は?
瀬崎:0対4でバルサが負けました。バルサとレアルだったので、スタジアムの色が2分すると思っていましたが、向こうのサッカーは、ホームチームのサポーター以外はほとんど入れません。そのため、9万9000人中9万以上はバルササポーターだったことに驚きました。
日本人選手の印象は?
鬼頭:ドイツでは、リポートも取ってきてくれたんですよね。瀬崎:ドイツの名門シャルケの試合を観てきました。残留争いをしている中でホームのシャルケが勝ち、ものすごく盛り上がっていました。ビールがバンバン上から飛んできましたね。
石山:その経験も海外っぽくていいね。
瀬崎:ビールがかかっても嬉しかったです。「現地にいるんだ」という気持ちになりました。
鬼頭:サポーターの方にもお話をうかがったんですよね?
瀬崎:シャルケは日本人選手が2人(吉田麻也選手、上月壮一郎選手)いるチームなので、話を聞こうと思いました。
吉田選手のシャツを着ていた現地サポーターの男性は「ベテランだけど積極的に挑戦するところが素晴らしいと思う」と吉田選手を評価していました。日本人選手の印象については「礼儀正しく、ずっと走ることをいとわない」と話していました。
シャルケで以前プレーしていた内田篤人さん(清水東高出身)については「内田選手を残すためにはもう少しシャルケにお金が必要だったかもしれない」と。
石山:日本人選手をそれだけ評価してくれたらいいよね。
瀬崎:特にシャルケは、歴史的に見ても日本人選手が多いチームなので。それを作ったのが内田篤人さんです。
石山:強くて集中力を切らさず、強度の高いプレーをするという、日本人の長所を認めてくれていたということですね。
「スタジアムグルメは戦闘準備」
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鬼頭:スタジアムグルメについても教えてください。
瀬崎:スタグルは全部の国で食べました。共通するのはサンドですね。フランスパンみたいなサンドの中にごっついお肉が入っていて、上からケチャップとマスタードをかけるものが主流でした。
スタグルは日本と考え方が違うのではないかと思っています。日本のスタグルはエンターテインメント性があってそれを楽しむ人がいますが、ヨーロッパでは戦闘準備の1つなんです。メニューが1種類しかなくても並び、来ている人も毎回食べる。習慣になっているんだと思います。
石山:ソウルフードみたいな。「これを食べて俺らも一緒に応援して勝つぞ」と願掛けみたいな感じかもしれませんね。
瀬崎:そんな雰囲気でした。
鬼頭:世界と日本のサッカーのレベルの違いや、文化として何かを感じたことはありましたか?
瀬崎:日本は良くも悪くも暮らしの選択肢が多くあると感じます。ヨーロッパではデパートを歩いても特に目立ったものがあるわけでもなく、エンターテインメントが少ないと感じました。
日本はスポーツだけでもサッカー以外に野球もある。バスケやボクシング、ゴルフもやったりしますよね。選択肢が多いが故に、文化にするには難しい部分があるのではないかと思います。そこで、僕やリスナーの皆さんのように、サッカーをすでに好きな人たちが周りを巻き込んで、1人でも多くスタジアムに連れていく必要があるのかなとすごく感じました。
鬼頭:最後にリスナーの皆さんや瀬崎さんのファンへ向けてメッセージをお願いします。
瀬崎:ぜひ皆さん海外旅行に行く際は、1試合だけでも海外サッカーを見てほしいです。サポーターがつむぐ愛を見てほしいなと思います。