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8月7日 朝の編集長セレクト

 おはようございます。昨夜の東京五輪の女子レスリング向田真優選手の金メダル、女子バスケットボールの決勝進出に感動しました。
 さて、知る・見る・学ぶ記事まとめ〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、私の注目記事を4本セレクトしてお届けします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉

飲食店の酒類提供禁止 悪質違反には過料 静岡県「まん延防止」内容決定

 静岡県は6日、新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開き、感染が急拡大している県東部と静岡、浜松両市の計22市町にまん延防止等重点措置を適用することを決めた。期間は8~31日。飲食店や千平方メートル以上の大規模集客施設に営業時間の短縮を要請し、酒類の提供は終日禁止する。要請に応じた飲食店には協力金を支払う一方、悪質な違反があった場合は20万円以下の過料を徴収する。

静岡県による「まん延防止等重点措置」適用に関するポイント
静岡県による「まん延防止等重点措置」適用に関するポイント
 県によると、営業時間は午後8時まで。協力金は中小の飲食店は1日最大10万円、大企業は同20万円。売上高に応じて支払う。集客施設は千平方メートルごとに1日最大20万円、テナントは100平方メートルごとに1日2万円をそれぞれ支給する。
 大規模集客施設はショッピングセンターやパチンコ店、スーパー銭湯などが該当する。食品や医薬品などの売り場は要請の対象外。イベント会場の営業も午後8時までだが、イベント時は午後9時まで認める。
 川勝平太知事は臨時記者会見で、感染状況によっては対象区域に市町を新たに追加したり、解除したりする考えを明らかにした。本県の感染状況について国の指標で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)、県独自の警戒レベルで最も重いレベル6(厳重警戒)にそれぞれ引き上げた。
 伊豆市のベロドロームで開催されている東京五輪の自転車競技は、最終日の8日まで観客を入れた対応を取る。パラリンピックの聖火リレーに関しては、来週中に開催予定の実行委員会で対応を決める。

水谷、集大成の輝き 「中国超え」は後輩に託す 東京五輪卓球団体「銅」

 「最後」と決めた五輪に臨んだ卓球男子代表の水谷隼(32)=木下グループ、磐田市出身=が27年の競技人生で培った全ての力を出し切った。6日、東京体育館で行われた東京五輪男子団体の韓国との3位決定戦で、ダブルスとシングルスで2勝を挙げ、銅メダル獲得に貢献。混合ダブルス金メダルに続く大会二つ目のメダルで、有終の美を飾った。

男子団体で銅メダル獲得を決めて喜ぶ水谷隼と、抱きつく張本智和=東京体育館
男子団体で銅メダル獲得を決めて喜ぶ水谷隼と、抱きつく張本智和=東京体育館

 男子団体初戦は、初めての五輪で硬さのある18歳の張本智和(木下グループ)の前で、2勝を挙げた。「五輪は特別。注目が重圧になり、勝ちたい気持ちが高まる中で本当の強さが試される」と話していた水谷。エースかくあるべしと次代の担い手に結果で示した。
 準々決勝から見違えるように動きが良くなった張本。準決勝はシングルスで2勝、3位決定戦もエース対決を制した張本に対し、水谷は「エースにふさわしいプレーをしてくれた。彼なら十分今の日本を引っ張ってくれる」と将来を託した。
 2008年北京から4大会連続の五輪出場。期待されたロンドン五輪で結果が残せず、初の団体銀メダルを獲得した女子の人気とは対照的に、男子にスポットライトが当たることはなかった。卓球の高速化が進み、台から離れて守備的にプレーする水谷のスタイルでは対応できなくなった。全日本選手権では2年連続で年下に苦杯を喫し、世代交代もささやかれた。
 リオデジャネイロ五輪に向けて、思い切って戦い方を変えた。前陣に張り付いて攻める。これまでとは対照的なスタイルで、不得手だったバックハンドのチキータレシーブもものにした。そして成し遂げたリオでの団体銀と個人銅メダル。続く東京での混合ダブルス金、団体銅メダル。
 今後の去就については明らかにしなかったが「日本が世界と戦える環境が整ってきた。もっともっと努力すれば、必ず中国を超えてくれると信じている」と肩の荷を下ろした。

静岡・アオイブリューイング復活 ブランド継承、年内にも醸造再開

 運営会社の破産申請を受けて2月に事業停止した静岡市葵区のクラフトビール醸造所「アオイブリューイング」が復活する。市内でビアパブ「グローストック」を運営する福島英紀さん(38)によるブランドの継承がこのほど決まった。早ければ年内にビールの醸造を再開する予定。

アオイブリューイングの醸造設備を点検する福島さん=静岡市葵区
アオイブリューイングの醸造設備を点検する福島さん=静岡市葵区
 醸造所に隣接するビアバー「ビアガラージ」も近日中に再オープンする。飲食店、醸造所の双方にかつての担当者が戻ることが決まった。
 福島さん自身も2014年に醸造を開始した当時は、醸造所のスタッフの一人だった。宙に浮いた醸造施設の引受先が取り沙汰されていた6月、グローストックの常連客に「福島さんが再出発させるのが一番良い選択」と背中を押され、再生を決意。醸造設備を買い取った。
 再開後は、前運営会社の了承を得て「アオイ」の名称、ロゴマークを使用する。これまでと同様、ゴールデンエールをはじめとしたヨーロピアンスタイルを主軸にするという。「アオイを継承したいという意欲だけで手を上げた。アオイの歴史をつくった醸造担当者、関係者、お客さまの思いを背負って第2章をスタートさせる」と意気を高めた。

「最上級」ほうじ茶販売へ 富士の道の駅2カ所 14日から 農家こだわり「凜茶」

 富士市の茶農家が作った最上級ほうじ茶「凜茶(りんちゃ)」の販売が14日に始まる。富士川まちづくり会社は販売に合わせて市内2カ所の道の駅で開く「富士のほうじ茶フェア」(7~22日)でほうじ茶を使った茶漬けや丼などの「ほうじ茶グルメ」を提供する。

14日から販売を開始するほうじ茶「凜茶」をPRする茶農家と富士の茶娘=富士市内
14日から販売を開始するほうじ茶「凜茶」をPRする茶農家と富士の茶娘=富士市内

 同市は昨年度からほうじ茶のブランド化に取り組み、6月に「ほうじ茶の香りのするまち」を目指す「富士市ほうじ茶宣言」をした。凜茶は若手農家4軒が手間暇をかけた最上級のほうじ茶。市内産の一番茶を使用し、茎と葉を選別。農家自ら焙煎(ばいせん)して浅いりと深いりをブレンドした。
 14日から販売するティーバッグ(計20グラム、税込み864円)は水出し専用で富士山型の箱入り。冷茶でもしっかりと香りがし、すっきりとした味わいとなった。茶農家の代表者は「茶葉の生産から焙煎までこだわって仕上げた自慢の品。ほうじ茶を1年中楽しんでほしい」と話す。
 道の駅「富士川楽座」と道の駅「富士」で開くフェアは、飲食店などがドリンクやスイーツ、パスタやあんかけ丼、ざるそばと茶漬けセットなど、ほうじ茶が香る計9品を提供する。期間中の7、8、9日は冨士川楽座で、市内のほうじ茶の試飲会、14、15日には凜茶の試飲・販売会も実施する。
地域再生大賞