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リニア 国土交通省専門家会議 実名化議事録⑫

国土交通省専門家会議 第12回 議事詳報

2021年9月26日:国土交通省

※この議事詳報は国土交通省が公開した「議事録」に、静岡新聞社の傍聴等の取材を補足してまとめました。「議事録」や会議当日の配布資料は 同省ホームページ でご覧になれます。

 

(森宣夫国土交通省鉄道局施設課環境対策室長)
 本日は第12回会議となるが、前回第11回会議にて十分に審議時間を確保することができなかった大井川水資源問題に関する中間報告案を中心に議論を行いたいと考えている。

 

【JR東海は補足説明する形で議論】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 本日の第12回会議では、前回会議で十分な議論ができなかった中間報告案の議論を中心に進めたいと思う。また、前回第11回会議のおいては、JR東海の資料に対するご意見もあったが、今回は中間報告案の議論の時間を十分に確保するため、それらについては議論の中で必要に応じてJR東海より補足説明する形とさせていただきたいと思う。 それでは、議事1、大井川水資源問題に関する中間報告案について、事務局より資料の説明をお願いする。

 

【中間報告案はさらに修正していく】


(森信哉国交省鉄道局施設課長)
 本年5月より鉄道局施設課長を務めさせていただいている。今回は事務局の一員としてこの会議に参加させていただくので、どうぞよろしくお願いしたい。では、本日議論していただく中間報告案について説明を申し上げる。
 資料1をご覧いただきたい。前回までの有識者会議(専門家会議)の議論を踏まえて作成した大井川水資源問題に関する中間報告案である。前回会議の場でも事務局よりご説明したが、中間報告は大井川の水資源に関する科学的・工学的な観点から有識者会議の議論の現時点での結論を明確にし、有識者会議としてJR東海に何を指示し、何が新たに明らかになったかが分かるようにまとめている。前回会議でも案をお示しして議論していただいたが、前回会議からかなり時間が空いているので、この間、委員のみなさま方とは調整させていただき、各委員からのご意見等を踏まえて多くの修正を加えさせていただいており、分量も大幅に増えている。しかし、今回提示させていただいた中間報告案についても、あくまで途中段階の案であり、本日の各委員からのご意見などを踏まえながら、さらに修正していくものと考える。本日お示ししている中間報告案については、事前に委員のみなさま方にお送りさせていただいており、審議時間を確保するため、私からは10分程度で説明させていただきたいと思う。今、事前にお送りしたと申し上げたが、最終案を送るのが遅れてしまったことは、この場をお借りしておわび申し上げる。
 では、早速、お手元の資料1をご覧いただきたい。表紙を1枚おめくりいただくと、目次であるが、まず構成をご説明する。基本的には前回までお示しした流れと変わっていないが、大きな修正点として「はじめに」を設けている。第1章、第2章に記載していた有識者会議の設置 目的と主な論点、それから、有識者会議で議論を進める上での基本的な考え方について「はじめに」という形で最初に記載するように組み直している。有識者会議の設置目的や議論に当たっての基本的な考え方が最初に分かるように冒頭に記載させていただいている。p3からp7は、有識者会議の議論の主なポイントをまとめている。これまでの有識者会議 におけるJR東海への指導と議論により、トンネル掘削に伴う水資源利用への影響や環境保 全の取組みについて、科学的・工学的な観点から明らかになった主なポイントである。その後ろのp8からが本編に当たる部分で「はじめに」の基本的な考え方の部分、それから、主なポイントの内容を中心に議論の内容をより詳しくまとめており、6章、p29の構成になっている。
 では、中間報告の内容については、p3からの主なポイントをかいつまんで説明させていただく。p3をご覧いただきたい。まず、「1.現在の大井川流域の流況」である。有識者会議 においては実測データを重要視して、JR東海には実測データに基づく検証を指示し、大井川流域の流況の特徴を実測データ等に基づき把握、整理してきた。ここで有識者会議からJR東海に対して指示した化学的な成分分析なども含めて、実測データ等から明らかになった 大井川流域の流況をまとめている。この中で中下流域の地下水は上流の深部の地下水が直接その起源となっているわけではないこと、中下流域の地下水の主要な涵養源が近傍の降水と中下流域の表流水であることなどが明らかになったと記載している。本編の2章に対応している。次に「2.トンネル掘削に伴う大井川表流水への影響」である。ここではJR東海に対して指示した、トンネル掘削により河川流量と地下水量に生じる時間的な変化について記載している。トンネル掘削により導水路トンネル出口である椹島よりも上流の河川流量は減少してしまうものの、トンネル湧水量の全量を大井川に戻せば、中下流域の河川流量は維持されると記述している。なお、ここでは工事期間中の県外流出は考慮していない河川流量についてのみ記述し、県外流出への影響については「4.工事期間中のトンネル湧水の県外流出の影響」 に記載している。この部分は本編の4章の4-1に記載されている。続いてp4の「3.トンネル掘削に伴う中下流域の地下水への影響」である。先ほど「1.現在の大井川流域の流況」でご説明した通り、実測データ等に基づく検証結果やJR東海が実施した水収支解析(流量予測)モデルによる解析、および有識者会議からJR東海に対して検証を指示した静岡市が作成した水収支解析モデルによる解析結果などを比較しながら、トンネル掘削による中下流域の地下水量への影響は極めて小さいと考えられることをまとめている。また、工事前、工事中、工事後も含めて継続的、かつ適切にモニタリングを実施していくよう指導したことも書かれている。この部分は本編4章の4-2に当たる。
 続いて、主なポイントのp5に入る。「4.工事期間中のトンネル湧水県外流出の影響」である。ここでは工事期間中も含めて、いわゆる全量戻しについて有識者会議で議論した結果を 記載している。JR東海の現行の施工計画では、工事期間中の約10カ月間は県境付近で発生するトンネル湧水が静岡県側へ流出することになっている。有識者会議では、過去のトン ネル掘削事例等も踏まえ、工法の比較検討を行うようにJR東海に指示してきた。JR東海からは複数の工法について提示されたが、突発湧水への対応など、工事の安全確保等の観点から、静岡県側からの掘削は難しいとする考えが示されている。また、JR東海のモデルおよび静岡市のモデルによる水収支解析では、工事期間中に想定されるトンネル湧水が静岡県外に流出した場合も、それ以上の量の地下水が静岡県内の山体内からトンネルへ湧水として流出し、導水路トンネル等を通して大井川に戻されるため、大井川中下流域の河川流量はトンネルがない場合と同等以上に維持される解析結果になっている。また「3.トンネル掘削に伴う中下流域の地下水への影響」に示した考え方により、トンネル掘削による中下流域の地下水量への影響は極めて小さいと考えられることが示された。
 一方、これらの解析結果は確定的なものではないことから、JR東海に対しては県外流出の軽減策や流出に対する措置について検討を指示し、JR東海は有識者会議の場でそれぞれに対する考え方を提示した。ここは本編4章の4-3に記載している。なお、ここで示されたJR東海の措置や考え方などについては、静岡県をはじめとした利水者のみなさま方にご納得いただく必要があるので、静岡県や流域市町等の納得が得られるように協議すべきであることを後述する今後の進め方の中で指摘している。続いて主なポイントのp6の「5.水資源利用に関するリスクと対応」である。ここは前回から大きく加筆している。有識者会議はトンネル掘削に伴う大井川表流水や中下流域の地下水への影響について議論してきたが、JR東海に対してはトンネル掘削に伴い想定される水資源利用に関するリスクを抽出、整理することの重要性を認識させ、その整理に基づいたリスク対策やモニタリング方法等を指導した。さらに、モニタリングを実施することで得られる大井川流域に関する情報、実測データを地域と共有する取組みについても要請している。これらのリスクへの対応や情報共有の在り方については、今後、JR東海は静岡県等に対してその考え方を丁寧に説明し、モニタリングも含めた管理体制等の具体的な進め方について、静岡県等と調整すべきものであることを記述している。ここで述べられたリスクへの対応は本編5章に記載している。
 最後に「6.今後の進め方」である。有識者会議の科学的・工学的な議論を踏まえて明らかになったことについては、「今後」とは中間報告公表後のことだが、今後、JR東海の責任において利水者等が理解できるように分かりやすく説明していくべきであること、また、JR東海は地元の理解が得られるように真摯に対応すべきであることなどを記述している。主なポイントはこのような内容である。p8以降の本編には、より詳細に議論の過程、結論などが記載されている。もし議論の中で本編の説明が必要な場合は、お申し付けいただければ説明させていただく。中間報告案の説明は以上である。
 

【事務局の説明に自由に意見を】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 中間報告案に関する事務局のご説明に関して、委員のみなさまから自由にご質問、ご意見をいただきたいと思う。どうぞ、よろしくお願いします。
 

【JR東海、静岡市の両モデルは現実と異なる条件】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 まず、報告書冒頭のp1の「(2)有識者会議で議論を進める上での基本的な考え方」についてである。読み上げると「JR東海には各回の会議に先立ち、事前に委員と十分に意見交換を行うように指導した。委員はそれぞれの専門分野の観点からJR東海を指導し、科学的・工学的な観点から必要なデータ等の会議の場への提示や資料の作成を繰り返し求め、会議の場に提示させた」とある。この一環として7月12日に事前打ち合わせをした際に、私はデータの提示を求めたので、まずその点についてお伺いする。
 中間報告案の関連項目としては、p16の4-1の(1)の「ウ.トンネル掘削完了後十分な時間が経過した段階(定常状態時)における河川流量、地下水量等への影響」に関して、この部分の根拠となるJR東海資料は、トンネル掘削完了後20年間のシミュレーションを行った結果である。
 それでは、私のデータ提示要求の内容を説明する。JR東海モデルの解析範囲が小さいことが問題になった際に、より大きな範囲で解析した静岡市モデルを使い、より下流の解析を行った。しかし、重要なことは、両モデルともに境界で地下水の流れがないという、現実とは異なる条件が付いていることである。それを議論した会議では、そうだとしても境界から離れていれば使えるということで話が進んだ。しかし、現実との相違は、時間の経過とともに境界の内側に伝搬する。例えば、20年の予測をする場合に、会議の中では大体の方向性は議論したが、この影響が現れる程度を定量的に明記しなければ、報告書として科学的ではないので計算していただきたいと、事前打ち合わせの際に求めた。このことに関するご回答はたぶん資料にあると思うが、JR東海から説明していただければと思う。
 
(座長・福岡捷二中央大教授)
 はい、ありがとうございます。それでは、JR東海から今のところの森下委員の質問に対して説明をよろしくお願いします。
 

【上流側への伝播は確認されず】


(二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 水収支解析における境界条件については、別冊資料のp5-29である。ここに水収支解析における境界条件について整理しており、左側がJR東海、右側は静岡市モデルである。まず、小さい文字で恐縮だが、欄外の※印に赤い文字で、「境界条件として、両モデルの側面および底面は地下水が流入出しない閉境界を設定していますが、実際の地下水の現象としては、解析領域の下流部の境界部において、地下深部で上流側から下流側へ地下水が流下することも考えられます。しかし、大井川地下水等の成分分析の結果から、上流域(椹島以北)の地下水は下流域の地下水に直接供給されているわけではなく、表流水に比べて小さな量であり、流れる速さも非常に遅いため、閉境界にしたことによる解析結果への影響は小さいと考えられます」というのが、まず基本的な回答である。
 森下委員から、閉境界にしたことが上流側に伝搬する影響は、とのことだったので、それは、これまでの説明から、このように考えるということについて少し説明させていただきたい。別冊資料p5-29の中で、JR東海モデルの一番上で、解析範囲を以下の通り設定している。 図5.27の通り、南アルプス地域を包括し、河川等の深い谷地形に沿った範囲である。下の絵をご覧いただくと、赤い範囲が水収支解析における境界設定の範囲であり、これは谷筋に沿った範囲を設定した。
 下の境界条件で以下の通り設定しており、最初のポツは閉鎖条件にしたことを書いている。 地表部は、地下水位が地表面より高くなった場合に、その部分の地下水を地表水として流出 させている。最初の地下水面をどのように設定したかというと、定常状態でずっとモデルを 回し、落ち着いたところを地下水位の初期値としている。今度はそこからモデルを非定常で回し始め、トンネルによってどのような地下水位の変化があるのかをお示ししている。要するに、固定しているのではなく、フリーの状態にしてトンネルによって地下水位がどのように変動するかを試算している。ここに記載している通り、地下水位が上昇した場合は河川に流出する設定になっているので、それが上流側に伝搬してダムアップ効果のようなものが起きるのではないかということに関しては、そのような設定にはなっておらず、それを排除する設定になっている。これは静岡市モデルも同じで、もともと地下水位が上がれば地表に 表流することになっているので、それが上流側に伝搬する設定にはなっていない。
 もう一つ、解析値ではどのようになっているかというと、今度は本編資料のp4-23で、左側がJR東海モデル、右側は静岡市モデルであるが、図4-14、図4-15に書いているように、トンネル掘削完了後20年後の地下水位の状態をお示ししている。地下水位低下量がどのようになったのかを色分けしてコンター図で示している。
 左側のJR東海(モデル)は黒い所が境界であり、南側を見ていただくと河川部に沿った境界にしている。黒い所の地下水位の低下量は、図示している1メートル、5メートルの所を一番低いレベルで表しているので、それより黒い所では1メートル未満であることがコンター図から分かる。
 右側の静岡市モデルを見ていただくと、静岡市モデルはJR東海モデルよりも境界をさらに南側まで広げており、JR東海モデルの境界の所でどのようになっているかを見ると、やはり1メートル未満の地下水位低下になっている。このことからJR東海モデルが境界部で閉境界にしている影響は、静岡市モデルの結果から見ても上流側に伝搬している影響が確認されなかった。
 

【シミュレーションと現実の相違の表記を】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 そのような定性的な話は既に会議でも議論しているが、私も影響していることを言いたくて言っているわけではない。このシミュレーションの境界条件が実際の条件と違うので、違うことによる影響がどの程度かをシミュレーション自体の有効性として、例えば境界条件や前提条件を書き込むのは当然だが、それと同じレベルで書いておくことが必要である。具体的にはシミュレーションの上では境界で地下水が流れていないが、地下水が流れたときにシミュレーションでどれぐらい異なるかは地下の透水係数によると思う。透水係数がかなり大きければその影響は大きいし、小さければほとんど境界付近でとどまる。
 だから、私が確か7月12日に提案したのは、例えば境界条件の相違は透水係数が○○の時に、20年後に境界からXm離れた所まで影響する可能性があるが、現場はこれよりも遠いYm離れているという記述である。20年が200年になるならば、影響はこの10倍になるだろう。静岡市モデルでは現場が境界から十分に遠いと思うので、影響すると私は主張するつもりはないが、シミュレーションはあくまでも計算なので、それが実際の現実と違うことについては、どの程度かを表記しておくというのは、報告書にする場合はそれも書き込んでおく必要があると思う。相違があるかを表記しておくということで、たぶんこの計算はそんなに大変ではなくできると思うが、いかがだろうか。
 

【再現できていない可能性を記載する】


(二村亨JR東海中央新幹線推進本部次長)
 私は森下委員の趣旨をよく理解できていないかもしれないが、解析シミュレーションにおいて透水係数を、例えば10のマイナス何乗に設定しているが、もし、その時に地下の深い所に地下水の流れがあると、年間でこのくらいの流動があるかもしれないが、このシミュレーション上はそのようなことを再現できていない可能性があると書くことでよろしいか。
 

【シミュレーション自体の問題を書くことが重要】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 基本的にはそうである。例えば、伏流水の中でも非常に流れが速いもので、10のマイナス3乗というかなり上限に近いものだと1年間に32km進んでしまうことがある。実際には そのようなことはないと思うので、大体この地域の一般的な透水係数で考えると、先ほどの境界条件の伝搬がどのぐらいであるかは書けると思う。だから、他のデータからの帰納的な結論も使って判断するのではなく、今おっしゃったように、このシミュレーション自体の条件としてこのような問題があることを書いていただくことが重要だという質問だった。
 

【新しい地下水の状況を書き込めばいい】


(委員・徳永朋祥東京大教授)
 境界の伝搬と森下委員がおっしゃったことを正確に理解したいが、降雨浸透がなければ、境界の影響は時間とともに伝搬していくことになると思う。一方で雨が降ってインプットがあるので、トンネル掘削初期にトンネル掘削から抜かれた部分での地下水分布状態が変化することは起こるが、その後、雨が入ってくる量とトンネルから抜ける量とのバランスで新しい定常状態に到達するのは、我々が考える地下水流れの物理で議論すると、到達するはずである。そうすると、今、森下委員がおっしゃっていることは、時間とともにトンネル掘削後しばらくの間はそのようなことがあるが、僕は20年後か何年後か知らないけれども、この計算では、ある時期がたつと、雨が降ってきたものと場の透水性、トンネルの位置との関係によって、新しい地下水の定常的な状況になると思っているので、そこをきちんと書き込んでおいていただければ良いのであれば私なりに理解できるが、それでよろしいか。
 

【シミュレーションの有効性範囲の記載を】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 基本的にはそうだが、私は難しいことを言っているわけではなく、境界条件なり、前提条件を書き込むのと同じような並びで、このシミュレーションそのものの有効性の範囲をきちんと記載していただければという意味である。
 

【境界の影響は数値計算しないと分からず】


(委員・徳永朋祥東京大教授)
 境界の影響がずっと伝搬していき、最後の最後にトンネルの所まで境界の影響がいくか、いかないかは雨の降り方や場などによって決まってくるので、それを理解するためには数値計算しないといけないと。それをしなければ分からないところは共有できていると思うが、それでよろしいか。
 

【シミュレーションのデータ更新を】


(委員・丸井敦尚産業技術総合研究所招聘研究員)
 今、森下委員がおっしゃったことはごもっともだと思っており、おっしゃられたことを示すことが今後の進め方の最後にある住民説明にとても重要だと思う。その上で、一つ申し上げたいことがある。森下委員が指摘されたように、JR東海モデルも静岡市モデルも地下水流動シミュレーションを行っているが、その中にダルシーの法則が基本の方程式として使われている。これは圧力分布、あるいは透水係数、間隙率などが解析上の必須項目となっているが、現状では文献値によるデータしかほとんどないので、これからボーリング調査をやったり、先進水平長尺ボーリングで新しいデータがどんどん取れてくる。
 だから、住民説明やJR東海の今後の資料の中に常にアップデートされたデータを盛り込むことによって、より科学的、かつ工学的に精緻な報告や、精緻な検証証明ができるかと思うので、繰り返しのアップデートを盛り込んでいただけないかとお願いしたい。それによって今、森下委員が懸念されていたような境界条件のこともだんだんクリアされていくと思うので、JR東海が取っているボーリングデータなどによって、透水係数や地下水の圧力分布、間隙率の分布などのデータを常時アップデートしていくようにぜひご指導いただければと思う。よろしくお願いする。
 

【大事なことなので直して】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 それは大事なことだと思うので、その方向性をしっかり持って改善していくなり、問題があれば直していただきたい。
 

【非現実的数値をシミュレーションに使っていないか検証を】


(委員・大東憲二大同大教授)
 今の丸井委員の発言に関連して、シミュレーションを行う時は必ず何か一定の値を持つパラメータを入れないと、シミュレーションはできない。もちろん、過去からのデータもいくつかあると思うが、今は文献資料も含めて事前のいろいろな資料でたぶん、このような数値だろうとパラメータを設定して、シミュレーションが行われている。これから工事中に透水性にしてもいろいろなデータが取れると思う。そのようなデータをアップデートすることは、パラメータ の数値を変えてシミュレーションすることにもつながるかもしれないが、少なくともデータを全て集計してグラフ上に落とした時に、シミュレーションで使ったパラメータの値がどの辺りにあるのか常に意識していただきたいと思う。
 当然、たくさんデータが出てくるし、地質条件も複雑なので、かなりばらついた値が出くると思う。ばらつきといっても透水係数だとオーダーで変わってくるからなかなか難しいが、少なくとも実測値の範囲の中にある値を使ってシミュレーションを行っていることだけは、最低限、担保していただきたいと思う。
 往々にして、シミュレーション結果を実測地下水位や流量に合わせるために、非現実的な数値のパラメータを入れる場合がある。そうすると、確かに地下水位や流量は、見掛け上、計算値と実測値が合っているが、中に入れているパラメータが非現実的ではないかと言われた途端に、そのシミュレーション自体の信頼性が失われてしまう。だから、もしどうしても実測値の範囲で合わなければ、今度はシミュレーションのモデルを変えないといけなくなる。これまで行ってこられたシミュレーションで使用されたパラメータは、実測値のばらつきの範囲の中の値が使われていると信じているが、ぜひその検証だけはやっていただきたいと思う。
 

【岩盤が良くないと地質試料は取れない】


(委員・西村和夫東京都立大理事)
 今、いろいろ議論していただいているが、ボーリングなどのデータで物性は出てくるけれども、やはり局所的なデータになってしまう。そもそもコア(円柱状の地質試料)は岩盤条件が良くなければ取れないし、ボーリング孔を使う原位置試験にしても、コアよりは良いが、やはり局所的な影響を非常に受けるので、まずそれが一つ前提である。もう一つは、この報告書にモニタリングとたくさん書いてあるが、実際は斜坑を掘るにしても何にしても、それは原位置のいわば試験である。その周辺環境のモニタリング、水位や湧水の変化などのデータで、ざっくりとしたマクロな物性値を評価することも非常に大事だと思う。
 モニタリングという書き方にしかなっていないが、実際は周辺の計測を必ず行うと思う。頻繁にデータを取ってシミュレートするのはあまり合理的ではないので、それを積み重ねた上で、あるタイミングでのきちんとしたマクロなデータの評価はやはり必須になると思う。そのような意味では、前から申し上げているように、施工計画の中できちんとどのデータをどのようにモニタリングし、地域のマクロな状況をどのように評価するかという視点がすごく大事になると思う。
 そこで評価したマクロなデータをどのようにみなさまに説明するか。よくやるのは、解析するための物性を決めるに当たって、類似の岩種の過去の現場のデータのプロット図を作っていると思う。それは、ここの現場にはない物性が当然表記されていると思うが、この現場でのボーリングで新たに手に入れたら、それが類似岩種の中でどのような位置にあるかを上書きする。マクロなデータがどこにあるのかを上書きすることはよく現場でやるが、そのような書き方でどのようにデータが位置づけられ、変化しているか、もしくは、ずれたという表現は適切ではないかもしれないけれども、どのように動いているか見える化をすることがすごく大事なことだろうと思う。
 

【現地での観測の意義を明確に】


(委員・徳永朋祥東京大教授)
 私も西村委員がおっしゃったことは非常に大事だと思う。解析すると、どうしても数値的に答え出てくるので、それに基づいて議論することが主体になるが、実際には山に行って、例えば、河川の流量がどのように変化しているのか、変化していないのか。地下水位がどのような挙動をしているのかは、数値解析結果の数値を見るのと同じような重要性を持つと思う。
 モニタリングは、想定されないリスクが起こることを恐れてモニタリングする部分はあると思うが、トンネルを掘削することによって、例えば、地下水の状況がどのように変わっているのかを監視する意味もあると思う。それは解析しているものと比較的よく合っていると、安心材料になるし、少し違ってきているのであれば、いま一度、技術的な検討をし直すことになり、大東委員がおっしゃったように、モデルを作り直すことが必要になるかもしれないと思う。解析が重要であることはその通りだが、やはり現地の計測と現地での丁寧な観測、その観測をする意義をきちんと明確にした観測計画を立てて、それをよく理解して共有していただくことが重要だと考える。
 

【これまでの議論を包括する話】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 今の解析の件と現地のデータの取り方を含めて今後どのようにモデルを改良していくかと同時に、モニタリングやリスク管理をどのようにするかとも関係するというこれまで本会議で議論してきたことを包括する話があったが、JR東海は話を伺って何か言っておくべきことはあるか。大事なことであるので、これは事務局にその辺りを触れていただかなければならないと思って聞いていたが、いかがだろうか。
 

【地下水位データを確保できないと精度は悪くなる】


(委員・西村和夫東京都立大理事)
 少し言葉を補いたい。マクロなデータ、物性と申し上げたが、マクロなフィールド、モニタリングで出てくるデータを用いての物性推定は逆解析になってしまうので、物性評価の精度が 極めて落ちると思う。だから、そのような意味では、河川の水位だけではなく、本当はボーリングなどの地下水位のデータがある程度確保できないと、たぶん精度は極めて悪いことになると思う。トンネルで出てきている水、それから、周辺の地下水位のデータから物性を評価するから、本当は入力データが結構ないと、極めて精度が悪くなってしまうので、その辺りは一つの前提として理解するときに頭に入れておかなければいけないし、計画するときも河川流量や水位だけではなく、モニタリングとしてできるだけ地下水位のデータも取れるようにすることが必要である。ただ、あそこは山だから、計測、モニタリング等が難しい。その辺りの兼ね合いが非常に難しくなると思うので、きちんとした検討が必要になると思う。
 

【地下水への影響が「小さい」に違和感】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 主なポイントの「3.トンネル掘削に伴う中下流域の地下水への影響」は、後ろでいうと、4 -2の(2)だが、「上流域の地下水から中下流域の地下水への直接の移動量に関して、実測データによる降水量や河川流量の年変動値の範囲内の数値であり、観測では検知が困難であるほど小さいと考えられた」とある。これは、これまでも縷々議論されているが、私はやはり少し違和感がある。どのような違和感かを少し説明させていただくと、例えば、河川流量の変動値はかなり大きい。それと比べて小さいという言い方は、比較対象量が大き過ぎて、あまり適切ではないと感じる。JR東海資料別冊2に河川流量が書かれているが、例えば、上流域では最大、最小と書いてあり、「最大÷最小」の数値で示すと、17年度に4倍から100倍ある。比較するべき中下流域についても6倍から9倍ある。だから、この変動の大きさはかなり大きいし、地元の方にとってみれば、河川流量の変動が大きいことは常識であるので、その量と比べて小さい、その範囲内の数値であるという言い方が適切かどうか、一つ違和感がある。
 もう一つ違和感があるのは、その後半で「観測では検知が困難であるほど小さいと考えられた」とあるが、検知が困難なのは量が小さいからという理由だけではない。当初、環境アセスメントの評価書では、大井川の水の減少分を川に戻すという理屈だったが、その量を測定することは科学的にも技術的にも非常に困難だという理由で、湧水の全量を大井川に流すとJR東海社長が表明した経緯がある。だから、さらっと「観測では検知が困難であることイコール 非常に小さい」という意味で使われている表現は、ロジックが静岡県の専門部会開始時よりも後退している感じがする。この2カ所の違和感があるが、いかがだろうか。
 

【具体的にはどこの話か】


(委員・沖大幹東京大教授)
 森下委員、今の話はまとめ(中間報告案)のどこを具体的に議論すればよいか。
 

【中間報告案に2カ所「小さい」とある】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 p4の主なポイント「3.トンネル掘削に伴う中下流域の地下水への影響」と、p19の4-2の(2)に同じ文章がある。「上流域の地下水から」と始まり、「小さいと考えられた」というところまで全く同じ文章が両方にある。
 

【「小さい」は最大年1億トンに相当】


(委員・沖大幹東京大教授)
 分かった。では、p4を見ると、ここで言っている年の変動値は年間の中の日流量の最大と最小という意味ではなく、地下水に影響を及ぼす1年単位ぐらいの変動で見た時に、資料2-53の図2.32を見ると、例えば、上流から井川ダム上流側と、神座地点から井川ダムまでの中流と言ってよいのか。ここの間の地下水の流去量がどのぐらいであるかを推定した時に、ここがゼロから年1億トンぐらいだろうと推計されるという話に相当すると思う。これが観測では検知が困難であるというのは、森下委員がおっしゃる通り、技術的な側面、学術的なレベルとして、この量がどのぐらい上流から中下流に移動しているのかが、なかなか分からないのはそうだと思う。
 ただ、例えば、これが1桁多い数字であった場合には、上流域の降水量と蒸発散の見積もり、そして、そこからの河川流量に大きな影響があるので必ず検知できる。だから、年1億トンは小さい数字ではないが、今の科学の力では検知できない量であり、あってもこのぐらいだろうと捉えられる。そのような意味では、ここの表現は河川流量の年-年変動値の範囲内で、この年-年変動値は、例えば、井川ダム地点では年12億トンに対して±年3億トン、それよりも小さいことを言っているに過ぎないことになるので、ここに関しては特段、科学的に問題がある表現ではないように思うが、いかがか。
 

【流量変動の元データはどこに】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 この部分の変動値に関する文章は、当初議論していた「年変動値」が後に「年-年変動値」に変わったが、今おっしゃった井川ダムで年12億トンは資料のどこに書いてあるか。この図の中に書き込んであるが、河川流量の変動の元データはどちらにあるのか。
 

【データ基に年12億トンに】


(沢田尚夫JR東海中央新幹線推進本部副本部長)
 データは直接一覧表に示していないが、資料に書いてある通り、2008年から16年の実際に観測された流量の実測値を基にしている。10年ほどの実測値を基にしているが、そのまま出せないのでどのようにしたかというと、同じ資料のp2-48に具体的算出方法をお示ししている。何を申し上げたいかというと、これは実測値から取った値であり、実際に測っているデータを基に年12億トンというデータを出している。
 

【地下水を図面で分かりやすく】


(委員・丸井敦尚産業技術総合研究所招聘研究員)
 沖委員は大変よくご存じであり、ここで私が言うのも恐縮だが、今年6月に水循環基本法が7年ぶりに改定され、その中で水循環プロセスは水が蒸発して雨や雪となって降ってきて、川となり、地下水となって流れるという4つのプロセスを意味している。そのプロセスのうち、特に地下水について今回は改定が行われたが、見えないものだから、よく分からないという一般の方々の評価がある。地下水に関連する事業を行う事業者あるいは自治体は地下水の見える化をすること、それから、データとして、例えばエクセル上の数値データで示すよりも、グラフなどを使ってより分かりやすくすることが改正の大きなポイントである。
 だから、今回のこのように図面がたくさん付いているのは大変ありがたいが、法律改正が何かを踏まえて、より一般の方、できれば子どもにも分かる形でお示しいただけないかと考えている。今、大井川の水量が年12億トンや年変化がどのようになっているというご質問はたくさんあったが、図面を描く上で多角的にいろいろなものを表現していただくことができないかと思った。一方的なコメントで恐縮だが、JR東海にはお考えいただきたいと思う。
 

【「算定は困難」が分からない】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 先ほどのところに戻るが、先ほど、お話ではp2-53(資料2本編)で地下水流去量は年0~1億トンであるが、p2-28を見ると、「実際の水の動きとして地下への浸透および河川への流出があるが、算定は困難であるため、記載していないと」とある。これが分からないが、流去量の見積もりはこの程度であるという意味か。それから、以前にも質問したが、河川に一切出てこないで流れていく地下水についても考慮していないのであれば、それは中間報告書に一言書いていただきたいと思う。
 

【地下水への影響は「河川流量の最大1割程度」に】


(委員・沖大幹東京大教授)
 私はJR東海ではないので、JR東海の報告書(資料2本編)に書く、書かないとは申し上げられないが、委員のおっしゃることについて、気持ちの問題として年1億トンはかなりの量なのに対し、小さいという言い方を書くのに対して抵抗感があるのはよく分かる。だから、そのような意味では、私たちの文書である中間報告のp4、p19に、現状の科学的水準では、あるいは科学的、技術的水準では観測に基づいた検知は困難である、と書くのが良さそうに思う。私の気持ちとしては、どのぐらいであるかを何かに比べて示すことが大事なのではないかと思う。最終的に受け入れられるリスクかどうか、あるいは安心するかどうかは、科学的に決まることではなく、それを聞いた方々の気持ちで決まると思う。
 その際に大きいか、小さいかは、何に比べて大きいか、小さいかが大事だと思うので、そのような意味では、年-年変動と比べるのもいいが、ここでは地下水流去量の最大の推計が1億トンだとして、それは河川流量に比べると10%ぐらいであると。だから、大きい、小さいという大小の判断よりは、多くても1割ぐらいといった書き方が良いかと思うので「現状の科学的・技術的水準では定量的に厳密な推計は困難であるが、最大でも河川流量の1割程度であると推計されている」という言い方ではいかがか。
 

【「小さい」は主観なので違和感ある】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 私もそれで良いと思う。小さい、大きいは主観の問題がかなりあり、それをここに書き込むのは違和感があるという趣旨で質問したので、今の沖委員の発言のように客観的な事実を書く方が適切だと私は思う。
 

【大井川に戻すトンネル湧水量の記載を】


(委員・徳永朋祥東京大教授)
 関連して違う場所で同じような議論になるかと思うので少し発言させていただく。p20の「4-3.工事期間中のトンネル湧水の県外流出の影響」の(2)は解析結果なので幅があることを明確に書くことを前提にした話だが、県外流出が生じる期間の総量は、このような値であると試算されたと書いてあり、その次のポツには「それ以上の量の地下水がトンネル湧水として導水路トンネルを通して大井川に戻されるため」と書いている。
 だから、流量は減らないと考えるとなっているが、これも今と同じような議論になる気がしている。少なくとも、今の解析結果では、このような量がトンネル湧水として出てくると。2つのモデルでこれぐらい値が違うことをきちんと書いて、それをお伝えするやり方が望ましいと思うので、そのようなことを記載することについて事務局でご検討いただければと思う。
 

【どのような判断で数値を出したか記載を】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 曖昧というか、分かりづらい書き方になっているのはどのような判断をしてそのような数値が出ているのか。すなわち、現状の科学的水準との関わりの中で、きちんと書こうとのことだったと思うが、そのような方向でよろしいか。
 

【地下水は工事前の状態に戻らない】


(委員・大東憲二大同大教授)
 今の数字の話は大体理解できたが、根本的な話になって申し訳ない。トンネル掘削工事をこのような山中でやることになると、地下水がトンネルから出てくるのは当然であり、これは、先ほど、徳永委員が言われたことと同じだが、それによって新しい地下水の状態、バランスが生まれる。この工事で施工するトンネルはウオータータイトトンネルではないので、常にトンネル湧水が出続けることを前提にすると、工事前まで山体から抜けていなかった地下水が抜ける条件が永久に続くことになる。なおかつ、降雨があり、周辺の湧水が河川に出ていく。
 時間スケールはよく分からないが、これでまた新しいバランスを取った状態が生まれる。シミュレーションでは20年後にほぼ定常状態になるということであれば、20年ぐらいたつと、このような新しいバランスの地下水状態になる。このように、工事前の山体に含まれていた地下水は工事前の状態には戻らない。新しい地下水状態になることを一般の人たちにどこまで理解していただけるか、ここがもう一つ重要な点であると思う。
 要するに、トンネル工事を行って河川流量維持対策を取ると、確かに水利用についてはそれで大丈夫ではないかという印象はあるが、実際に南アルプスの中の地下水状態は、この工事によって今までと全く違った状態で新しいバランスを取ることを常に意識していただいた方がいいと思う。河川流量を元に戻すところが強調されると、地下水状態もいつかまた元に戻るのではないかと思われるのは非常に問題がある。新しいバランスができるまでにかかる時間は20年か30年か100年か1000年かは分からない。文章には書きづらいけれども、これまでバランスを取っていた地下水状態が人間の行為によってバランスを崩してしまうが、自然はその人間の行為を前提条件とした新しいバランスを保とうとして、どこかで落ち着くという意識を持っていただければと思う。
 

【客観的な事実を書き込んで】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 私も大東委員と全く同じ意見というか、懸念は持っている。これから議論されると思うが、地下水位が下がるからこそ、今度は生態系にどのような影響が出るのだろうかという問題が出てくる。だから、この報告書では中下流域の水は大丈夫だというところに特化し過ぎているので、大東委員が言われたようにもう少し客観的に事実を書き込んでいく方が重要かと私は思う。
 

【事務局は検討を】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 ここは今日の議論を受けて、また事務局にいろいろ検討していただくことにする。他にはいかがか。
 

【新しい地下水位の範囲が必要】


(委員・西村和夫東京都立大理事)
 トンネルの恒常湧水、供用している状態での湧水はたぶんゼロにはならないので、当然トンネル周辺の地下水位は本来の地下水位から下がっていると思う。ただ、今回の場合は、地下水の湧水に対して非常に厳しいというか、きちんとそれをできるだけ低減する施工だろうと思う。これは施工の中できちんとやっていくことだろう。トンネル周辺の透水係数をできるだけ落とすことになると思うが、本来、山の中にある地下水位の低減は透水係数に非常に強く依存し、そこに集まる地下水と排水する水のバランスの問題になるから、透水係数をできるだけ落としておくと、その影響範囲は局所的になっていくことが一般に推定できる。
 だから、そのような意味では、地下水位が下がって新しい状態になるという表現だけだと影響範囲が非常に大きいように感じてしまうが、たぶん局所的だろうと思う。問題は、その上の部分の生態系に対しては大きな影響範囲ではなくても影響があるかもしれないので、その点は注意しなければいけないが、新しい地下水位の状態になる時の影響の度合い、範囲というか、その考え方も必ずセットで補っておく必要があると思う。
 
(座長・福岡捷二中央大教授)
 中間報告案全般を通して、他にはいかがか。
 

【議事録や資料の引用を記載して】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 中間報告案全体を通してとのことなので、私は全体のお話をさせていただきたい。中間報告案は2部構成になっており、前半に主なポイントが書かれているので、主なポイントを読めば大体どのようなことが書かれているかは分かる。後半が本体なのかよく分からないのだが、それだけ詳しいかというと、前半の主なポイントとかなり重複があり、私はあまりそのような印象を持たない。
 だから、後半に関しては、例えば、これまでの議事録やJR東海資料のどこが根拠になっていると、きちんと引用していただければ大変良いと思う。この中間報告が出た後、たぶん静岡県の専門部会で説明なり、議論する運びになると思うので、その時に後半にいろいろな引用が適切にされていれば、非常に役に立つ中間報告になると思うので、そこは是非そのようにしたいし、していただきたいと思う。
 
(座長・福岡捷二中央大教授)
 書き方も含めていかがか。ご意見がある方はどうぞ。
 

【水資源が大丈夫だとは書いていない】


(委員・沖大幹東京大教授)
 私も森下委員がおっしゃった通り、そのような引用が加わるのは情報が増えて良いのではないかと思う。短く知りたい人は前半を読むという趣旨だろうから、それでよろしいと思う。
 マイクを握ったついでにもう一つ、全体を通じてというか、先ほど、森下委員が水資源は大丈夫だと書いているとおっしゃったが、そのような文言はたぶん書いていない。大丈夫かどうかは、いろいろなリスクがある中で、誰が判断するかは難しいところだが、やはり科学的なこのような情報に基づいて影響が出ないと、今の知識では思われると。つまり、リスクという一言の言葉で説明しているが、突発湧水があるかもしれなかったり、みなさまが議論しているように、透水係数が思っているのと違ったりするかもしれない。あるいは、JR東海の方には申し訳ないが、10カ月と言っている県外流出期間が倍に延びる可能性もゼロではないかもしれない といった、既に把握され分かっているリスクと、今は誰も全然気付いていないリスクがある。
 全然気付いていないリスクは、誰も気付いていないので分からないが、何かあるのではないかと思っていらっしゃる方もいるだろう。昔であれば、国やJRが隠しているのではないかという疑念があったかもしれないが、分かっているリスクに対しては準備しているというのがこれまでの会議でずっと示されている。しかし、何か意図的に隠されていたりはしないにしても、今の私たちが想像していないことがあり得るのではないかという疑念を持っている方にとっては、ここで分かっているリスクだけ議論したまとめを見ても、やはり安心しないのではないかと思う。
 そのような意味で、どのようにすれば良いのか判断は難しいが、まさにそのような状況に対して有識者の存在にはある程度意味があるのではないだろうか。いろいろな分野の経験をお持ちの先生がいて、過去の経緯、あるいは過去のいろいろなトンネルや水資源について経験のある方が一生懸命想定し、考えてみたところ、今の知識でだいたい考え得るところは押さえているのではないかという判断に基づいているのが、たぶん、この報告書なのだと思う。もちろん、考えていないリスクがあるだろうと言われれば、それはもちろん分からないので、分からないものは分からないと言うしかない。そこの納得感が得られるかどうかは、最後にこのような事業に対してみなさまが共感を持ってくれるかどうか、という話だと思う。
 そのように考えた時に、今の中間報告で若干抵抗というか、違和感があるのは、例えばp25の今後の進め方の29行目、あるいは39行目である。29行目には「静岡県や流域市町村等の納得が得られるように」と書いてある。「納得」である。39行目には「地元の理解が得られるように」とある。これらは、こちら側は正しく、相手は分かっていないので分かってもらうという書き方にも読めるし、中立な有識者会議からの報告としては、正しいことがこれなので分かってもらうように努力しなさいと言っているようにも読める。
 少なくとも「理解」は駄目なのではないか。どのように書けばいいか、あまり良い日本語が浮かばないが、本当はこのような例で最後に重要なのはたぶん信頼である。だから、科学的な議論でできることとその先の話は、少なくともJR東海が丁寧にきちんと情報を公開して検討した結果については吟味したと。そこまではいいが、だから、あなた方が分かってもらうように努力していただきたいというのは若干ポジションを取り過ぎではないかと思ったので、問題提起をさせていただく。
 

【現地を見て考えることは大切】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 今、沖委員が言われたことは本当にその通りだと思う。「科学的な結論はこれだから、きちんと理解して」と言うのはある意味、上から目線である。有識者会議の中間報告にそのような表現が書かれてしまうことは、やはり避けた方がいいと思う。
 ついでに、私は自然科学でも工学でも同じだと思うが、やはり現地、現場を見て考えることはどちらにとっても大切だと思う。以前にもそのことを申し上げたことはあるが、現地を見ることでさらに実態に即した結論なり、文章なりが書けるのではないかと思う。先日18日にJR東海の社長が流域市町の首長のところに行って意見交換会を開いたというニュースを聞いた。この会議室での結論も一つ重要だが、現地を見ることはやはり自然科学や工学にとって基本ではないかと思ったので、ついでに意見を述べさせていただいた。
 

【地域の人と共有するのが大事】


(委員・徳永朋祥東京大教授)
 お二方の委員が言われたことに賛同する。まず、JR東海が作っている資料ときちんと紐付けされておくと、この価値がすごく上がると思う。
 もう一つは、この会議に参加し、私が知っているいろいろなことを申し上げさせていただき、多くの先生方の知見を伺って考えた中で、このような結果が出てきたので、委員がおっしゃった通り、ある種、今の科学技術や工学で考えていることはこのようなことだということを地域の方々と上手に共有することが大事だと思う。
 我々の立場はこのように分かってほしいと言うことではなく、今の科学技術ではこのように考えられると。これが、ある種、今のレベルで考えた時に合理的もしくは妥当だと考えることを共有していただいた上で、この事業について地域の方々やJR東海がどのように考えるのかをきちんと話すことに進んでいただければいいのではないかという気がする。お2人の先生方がおっしゃったことに非常に強く賛同するので、私もそのように思うことを申し上げさせていただいた。
 

【流域の地質構造のコメントを】


(委員・丸井敦尚産業技術総合研究所招聘研究員)
 今、みなさまがおっしゃったお話は私もその通りだと思う。レベルが全然違って申し訳ないが、目次を拝見していて気になったことを申し上げる。今回キーになっているものの一つに、静岡市とJR東海が行った解析に違いがあったので、いろいろ議論が進んでいたかと思う。これは、どこに書くか分からないし、大井川流域の現況や解析をする前の段かとも思うが、この会議でいえば第4回、第5回で大井川流域の地質構造がどのようになっているのかをモデリングし、そこから解析へ進んでいると思う。大井川流域の地質あるいは地質構造をどのように捉えているかをもう少しどこかで書き足していただき、それに対してこのようなトンネルを掘ると、水が出てくることが分かるように現状の大井川の水量変化や季節変化に加えて、地質や地質構造についても若干コメントを入れていただくことはできないかと思い、お願いである。
 

【非常に難しい重要な問題】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 それは確かにおっしゃるように議論したし、非常に難しい重要な問題であることは分かっているので、そこはいろいろな調査と同じように並べて書こうとのことだと思う。
 

【県とJR東海の両方に説明しては】


(委員・大東憲二大同大教授)
 先ほど、上から目線の最後のまとめになっているのではないかというご指摘だったが、そもそも、この委員会は静岡県とJR東海との間の調整がなかなかうまくいかないので、国土交通省が間に入り、有識者会議で専門的なところをまとめていくことが元々のスタンスであった。この1年半ぐらい議論を重ね、ほぼ現状の水資源の話や流域の話は今ある知識をだいたいまとめると、このようになるというところまで来たと思う。
 後はこれをどのように説明するかという話が先ほどのコメントに書いてあり、この文書はJR東海の方たちにこのようにしていただきたいという要望で一応、終わっている。本来であれば、静岡県や市町村に対しても有識者会議が何らかの情報発信をすることもありではないかと、先ほどの議論を聞いて思った。JR東海と静岡県との間で有識者会議が立ち上がったとすれば、内々にはいろいろ打診されていると思うが、両方に対してそれぞれきちんとした説明を公式にすることを考えてもいいのではないかと感じた。
 

【議論をまとめる時期に来ている】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 今日の最後の表現の仕方も含めて、この辺りはいろいろと十分に検討する必要があると思って聞いているので、この場では委員のご意見を伺い、次回に向けてさらに詰めていきたいと思う。今の大東委員のお話に関して何かあるか。よろしいですか。
 今日は中間報告案に関して、各委員が事前にいろいろ議論したこともあるが、これまでの議論をまとめるにふさわしいというか、まとめる時期に来ているので、まとめさせていただいた。それに対して、さらにもう少し高い広い目で見たときにこのようにすべきだという議論が今日はたくさん出されたので次回に向けて、そこは事務局とともに直していきたいと思う。
 本日は静岡県の難波副知事にオブザーバーとしてお越しいただいている。今日の議論も含めて難波副知事にコメントをいただけると大変ありがたいと思うので、ご発言を求めたいと思う。
 

【JR東海の資料はまだ信頼に欠ける】


(難波喬司静岡県副知事)
 発言の機会をいただき、ありがとうございます。有識者会議の座長をはじめ、各委員の先生方には水問題について熱心に議論していただき、本当に感謝を申し上げる。元々、国土交通省がこの会議を設置されたのは、静岡県とJR東海の対話が膠着していたからだが、なぜ膠着していたかというと、やはり、全般的にJR東海の説明が不確実性やリスクを考慮していたものではなく、ある意味で確定論的な話が多かったからだ。とりわけ、解析結果がこのようになっているので影響はないと言い切るところが、我々としてはなかなか理解できなかった。
 もう一つはリスクコミュニケーション。我々はずっと対話と申し上げてきたが、その際には科学的に同じ説明をされても住民と事業者であるJR東海では、やはり、リスクの受け止め方が違う。我々は再三リスク認知の乖離を申し上げたが、なかなか理解していただけなかった。さらに、いろいろ資料の提出をお願いしたが、なかなか資料が出てこなかった。従って深い議論もすることができなかったという問題があった。
 それに対して有識者会議でこの1年半近くの年月をかけて、最高レベルの専門家のみなさまに議論していただいて、JR東海にご指導されたことによって、静岡県が求めてもなかなか出てこなかった資料が出てきたし、非常に分かりやすい説明になってきたと思う。このようなことから、大井川水系の水循環の全体構造も明らかになってきたし、リスクや不確実性の問題については何とか我々が理解できるレベルになってきたと思う。これから中間報告を取りまとめることになるが、これまで静岡県としても事務局である国土交通省にいろいろなご意見を申し上げ、多くのところを反映していただいたし、まだ、全部の疑問が解けたわけではないけれども、かなり理解できるようになったと思う。
 ただ、全て疑問が解消したわけではない。例えば、県外流出の問題は今日も少し議論になったが、工事中にトンネルの水が県外流出した時に、大井川の水がどのようなるかについては、まだ我々としてもすっきりしないところがあるし、とりわけ水の戻し方については現実的なものが提示されていないので疑問が残っている状況である。ただし、結局、JR東海と静岡県、あるいは静岡県民の間で、これから対話をしていかなければいけないので、その対話するために必要な資料、あるいは科学的根拠は相当明確になったと思っている。心から感謝を申し上げたいと思う。今日もいろいろな議論になったが、安心できるかどうかというのは、科学的根拠というのが極めて大事だ。しかし、それを住民がどのように受け止めるかということが極めて大事。その点では、中間報告の有識者会議としての資料について、これは中間報告案だが、これは相当理解できる。しかし、まだ、JR東海の資料については信頼を欠いてしまうのではないかと懸念されるところがある。今日、議論になったところで一つだけ申し上げると、先ほどJR東海から説明があったが、資料2別冊の5-29、その一番下にある赤字の解説のところに境界条件としてと書いてあるが、地下深部で上流部から下流側へ地下水が流下することも考えられますと書いてあるが、これは考えられますではなく、明らかにある。つまり、解析モデルの境界、下流端の境界で、透水係数は0ではないので、地下水が下流に流れないということはない。従って、地下水が流下することも考えられますという説明は誤りだと思う。たまたま、ここを申し上げたが、こういうところで信頼を欠くような説明がどうしても残ってしまうので、JR東海の説明に対する信頼という点で疑問が生じてしまうということになる。今日の議論で、その辺りについて相当ご指摘があったので、我々としてはそういうことを踏まえていただければJR東海とこれから対話は進められる状況にあるのではないかと思っている。そういった点でこのような中間報告案に至るまでいろんな議論をしていただいたことについて心から感謝を申し上げる。
 

【県の議論や疑問点は大変重たい】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 ただいま難波副知事から中間報告に対する考え方や、JR東海の資料についてのご意見をいただいたが、いただいたお話に対してご質問、ご意見いただけるものはあるか。委員というよりも私個人としては、静岡県からいただいたいろいろな議論や疑問点は大変重たく、 しかし、非常に考えさせられる、なかなか、そういうことは学識だけではできないところを鋭く言っていただいた。そのおかげで、委員会も大変頭を使わなければならず、それぞれの専門性を発揮しなければならなかったということは率直に申し上げたいと思う。その上で、今日、難波副知事から位置付けのお話、非常にありがたいご意見をいただき、不十分なところや、これからどうすべきかというところについてもご指摘をいただき、私どもがJR東海に対してどのような形で指導、助言すればいいのかということ、および国の役割、全部が関係してくることを、住民という一番重要な方々に対するものの出し方を介して言っていただいたと思う。お忙しい中、出ていただき、そして、時間を掛けていろいろご指導、ご助言いただいたと思っている。 代表してお礼を申し上げたい。決して、それに満足することなく、中間報告として、今日の各委員から非常に建設的なご意見をいただいたことと、ただいまの副知事のご意見と併せて、次回に向けてしっかりと整理したいと思うがよろしいか。
 そういう方向でいきたいと思う。副知事のご意見を聞きながら感じたことがあれば、もう少し時間があるので、今いただければと思うが、よろしいか。丸井委員いかがか。
 

【県専門部会での説明で使える】


(委員・丸井敦尚産業技術総合研究所招聘研究員)
 私は静岡県の委員もしているので少々複雑なところもあるが、この会議について申し上げると、今、副知事からコメントがあったように、静岡県内の会議では時間を十分に使えなかったところもあったので、この有識者会議では、より詳しい議論ができてよかったと思う。
 個人として申し上げれば、こちらの国交省の有識者会議で勉強したことを、静岡県に帰って自分の説明として使えると思っているところが多々あるので、そういったところでも、住民への説明会、JRと住民との意見交換会に対して自分からも多少なりともご援助できるところが大変広がったと感謝している。
 先ほども申し上げたが、今年、水循環基本法が変わったことで、地下水をより見える化しないといけないということが自治体や事業者の義務になってきた。まさに今回、JRが南アルプスの下にトンネルをくぐらせようとしていることに関しては、住民のみなさまにもう少し視覚的に、ビジュアルに訴えるようなことをしなければならないのではないかと思う。
 大東委員がおっしゃっていたが、南アルプスの地下水が新しいステージに変わっていくという予測がある。それを踏まえた上での生物多様性、あるいは、それを一つ前に戻した段階で、日本列島の地質環境がどのようにできたかというような教育的な効果も多々含んでいる事業であるので、将来を担っていく子どもたちにそういったことを伝えていくことで、この委員会が残したものは非常に大きいと思っているので私も個人的に感謝申し上げたいし、この成果を静岡県のみなさまにもお伝えしたい。
 
(座長・福岡捷二中央大教授)
 森下委員も静岡県の専門委員で、部会長をおやりになっている。
 

【地質学のアウトリーチ(手を伸ばすこと)も重要】


(委員・森下祐一静岡大客員教授)
 丸井委員と全く同じだが、付け加えさせていただくと、委員が今おっしゃった教育という点で言うと、日本は四つのプレートが接合した、地球上の非常に特殊な場所にある。火山活動、地震活動が非常に活発にあるわけだが、そのような特殊な場所にいるにも関わらず、地質学の教育などが非常に乏しい。一般の方々で地質学が分かる人が非常に少ないことが懸念される。 当然、防災にも関係があることだ。
 南アルプスは四万十帯の付加体からできているという、東京都内に住んでいたら決して見ることができない地質がある。そういうものの下を掘るわけだが、いろいろな意味でこれを勉強し、研究し、活用していくということも大事だと思っている。地質学のアウトリーチも重要かと思っている。
 

【中間報告案は委員の意見を踏まえて修正】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 時間も来ましたし、積極的に問題点の指摘もいただいたので、中間報告案については本日の各委員からいただいたご意見や、難波副知事からいろいろな考え方、ご意見いただいたものを踏まえて、事務局に修正をさせたいと思うがよろしいか。ありがとうございました。それでは中間報告案についてはそのようにしたいと思う。
 それでは、最後の議事、(2)今後の進め方に入りたいと思う。事務局より資料の説明をお願いする。
 

【次回は中間報告案をさらに修正】


(森信哉国交省鉄道局施設課長)
 資料3についてご説明をさせていただきたいと思う。毎回お示しさせていただいているが、これまでの会議で議論したことを記載している。次回の会議では本日の中間報告についての指摘事項を踏まえて、さらに修正をしていきたいと考えている。
 次回の有識者会議の日程などについては中間報告案の修正を踏まえた上で調整させていただきたいと考えている。
 

【次回で中間報告の仕上げを】


(座長・福岡捷二中央大教授)
 ただいまの事務局の説明に関して、委員のみなさまからご質問、ご意見はあるか。先ほども申し上げたが、中間報告案については、事務局に関して本日の会議を踏まえた修正を指示させていただいた。座長として今日の議論を聞き、重たい修正事項もあるが、前向きな議論なので、ぜひ勘案してそれを取り込むということを前提の元で、できるだけしっかりと修正したいと思う。
 次回会議は13回目だが、私の希望としては、ここで中間報告取りまとめの仕上げをしたいと思っている。みなさんにお諮りしたいと思うが、その方向でいかがか。委員のみなさまもそのような進め方でよろしければそうさせていただく。第13回目に向けて私どもも事務局と一緒に作業するという前提で、本日の議題、議事を終了させていただく。
 

いい茶0
地域再生大賞