レトロな宿泊施設誕生 西伊豆、17日オープン 役目を終えたバス/築73年木造案内所

 東海自動車(伊東市)は17日から、24年間運行してきた中型バスと築73年の木造の案内所を一体にした宿泊施設の営業を西伊豆町宇久須で始める。本来の役目を終えたバスと案内所をレトロな雰囲気が漂う施設に刷新し、伊豆半島西海岸への誘客につなげる拠点としての定着を目指す。

17日にオープンするバスの待合所と車両を再利用した宿泊施設=西伊豆町宇久須
17日にオープンするバスの待合所と車両を再利用した宿泊施設=西伊豆町宇久須

 施設名は「バスと過ごす(ステイ)」にちなみ「ばすてい」とした。木造平屋建て、延べ床面積約70平方メートル。2022年3月に閉業した「宇久須案内所」と、23年4月に引退したバスを活用し、かつて使われていた路線状況表やベンチも設けた。バスは1980年代のデザインを復刻し、降車ボタンを押すと車内放送が流れる仕掛けも用意した。
 同社によると、実際に使われていたバスや案内所を再利用した宿泊施設は全国的にも珍しいという。6日に内覧会が開かれ、同社の社員が施設を案内した。下田馨事業部長(52)は「鉄道がない地域で昔から〝駅〟として親しまれた施設。泊まってゆっくりとバスに親しみ、周辺を巡る機会にしてほしい」と話した。
 宿泊は1日1組で案内所に2人、車両に3人の計5人まで泊まれる。料金は3万4千円(税込み)から。予約は子会社の東海バスのホームページで10日から受け付ける。施設はバス停「宇久須」前に位置する。

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