デジタルスタンプラリーで観光周遊促進 静岡県が9月14日から データ分析、有効活用へ

 静岡県は14日から、県公式観光アプリ「TIPS(ティップス)」を活用したデジタルスタンプラリーを始める。県内108カ所の観光スポットを巡って集めたスタンプ数に応じ、飲食や買い物に使える最大2500円相当のポイントを付与する。国内外の観光客に県内の周遊を促すとともに、収集した旅行者データを事業者に提供して今後の観光戦略に活用してもらう。
14日から始まるしず旅スタンプラリーをPRする県の担当者=静岡県庁
 「しず旅スタンプラリー」と銘打ち、来年2月末までの約5カ月半にわたり展開する。スマートフォンにアプリをダウンロードして指定の観光スポットを訪れると、スタンプを取得できる。1カ所で100ポイント、3カ所で計500ポイント、10カ所で計2000ポイントといった具合に、スタンプ数に応じてポイントが付与される仕組み。300以上の加盟店で、1ポイント1円として飲食や土産物の購入などに利用できる。
静岡県公式観光アプリ「TIPS」の画面
 デジタルトランスフォーメーション(DX)を観光分野に生かす取り組みの一環。スタンプラリーでは参加者の年代や居住地、移動経路、ポイントの利用場所といったデータを収集する。分析結果は参加施設や加盟店に伝え、効果的なサービスや商品開発、広告戦略につなげてもらう。
 しず旅スタンプラリーは昨年12月~今年1月末に続く第2弾。実施期間を延ばしたほか、観光スポットや加盟店、獲得上限ポイントを前回から引き上げ、TIPSの新規ダウンロード3万件、参加者1万人を目指す。ポイントは2900万円分を用意した。予算がなくなり次第終了する。
 2022年度の県内観光交流客数は3年ぶりに1億人を突破したものの、新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復していない。県はTIPSの多言語対応も進め、増加が見込まれるインバウンド(訪日客)の取り込みを狙う。
 県観光交流局の影島英一郎局長は「アフターコロナで観光の動きが活発になってきた。TIPSを活用することで消費を促し、経済効果を高めていきたい」と話した。宿泊割引キャンペーンやフォトコンテストなどの連動企画も実施する。
 (政治部・森田憲吾)

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