児童の足 粘着テープで椅子に固定 静岡市の教諭が不適切指導 清水区の小学校

 静岡市教育委員会は23日、同市清水区の小学校に勤務する教諭が授業中に離席した児童に対して、粘着テープを使って太ももを椅子に固定する不適切な指導を行ったと発表した。市役所静岡庁舎で記者会見を開いた市教委担当者は「体罰に該当する可能性が高い」との認識を示した。今後、詳細な調査を進め、教諭の処分を検討するとしている。

記者会見の冒頭、謝罪する赤堀文宣教育長(右)ら=23日夜、静岡市役所静岡庁舎
記者会見の冒頭、謝罪する赤堀文宣教育長(右)ら=23日夜、静岡市役所静岡庁舎

 市教委によると、不適切な指導があったのは4月下旬。教諭は低学年クラスの担任で、授業中に離席する児童を口頭で注意したが、離席を止めなかったため、布製の粘着テープで児童の両足の太ももを椅子の座面ごと1周巻いて固定した。数分後に児童が再度立ち上がった際に粘着テープは剥がれた。児童にけがはなかった。
 5月中旬に、同じクラスの児童の保護者からの通報で発覚した。学校は事実確認後の23日に市教委に報告。同日、不適切な指導を受けた児童の保護者に状況を説明して謝罪したという。
 学校による聞き取り調査で、教諭は事実関係を認め、児童が日頃から離席を繰り返していたことを理由として説明しているという。24日以降も通常通り出勤するとした。
 会見で、赤堀文宣教育長は「教育行政に対する信頼を損ない市民に申し訳ない」と謝罪し、「職員一丸で信頼回復を目指す」と述べた。市教委は不適切な指導を受けた児童と目撃した同級生の心のケアに取り組む方針。教職員向けの研修を行い、再発防止に努める。

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