「鬱憤晴らす」三方ケ原の戦い前の武田信玄の書展示 浜松市博物館

 戦国時代に、徳川軍が武田軍に大敗した三方ケ原の戦い(1572年)に関する武田信玄の書状の展示が11日、浜松市中区の市博物館で始まった。同館の担当者は「当時の大名の勢力関係などを知る上で貴重な資料」としている。展示は5月28日まで。

武田信玄の書状には「3年間の鬱憤を晴らす」といった内容が記されている
武田信玄の書状には「3年間の鬱憤を晴らす」といった内容が記されている
三方ケ原の戦いに関わる武田信玄の書状。大名の勢力関係などを知る上での貴重な資料とされる=浜松市中区の市博物館
三方ケ原の戦いに関わる武田信玄の書状。大名の勢力関係などを知る上での貴重な資料とされる=浜松市中区の市博物館
武田信玄の書状には「3年間の鬱憤を晴らす」といった内容が記されている
三方ケ原の戦いに関わる武田信玄の書状。大名の勢力関係などを知る上での貴重な資料とされる=浜松市中区の市博物館

 9月まで開催中のテーマ展「家康伝承と浜松」の一環で公開した。同館によると、信玄の書状は宮城県の個人から借りていて、本県での公開は珍しいという。
 三方ケ原の戦い直前の同年10月21日に信玄が国衆に宛てたとされる。遠江に進軍していた信玄が高天神城(掛川市)の城主を降伏させたことや、天竜川を越えて浜松に向かう旨が記されている。「3年間の鬱憤(うっぷん)を晴らす」といった内容も含まれ、家康が上杉謙信と同盟を結んで武田に対抗しようとしたことへの恨みとみられる。
 同館学芸グループの橋本充悠さんは「進軍の様子などが分かる有名な資料。静岡県内で見学できる機会は少ないので、ぜひ見てほしい」と呼びかけている。

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