「駿河屋」運営のエーツー 鉄道模型老舗「カツミ」買収 新旗艦店の集客強化へ

 ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は5日までに、老舗鉄道模型メーカー「カツミ」(東京都)の全株式を取得し、子会社化した。同市中心街で今夏オープン予定の駿河屋新旗艦店をはじめ、店舗やEC(電子商取引)サイトで販売する自社商材のラインアップを拡充し、国内外からの集客増を目指す。
 エーツーの杉山綱重社長は取材に「本格的に鉄道模型の取り扱いを始める。新旗艦店にはジオラマを設置するなど、鉄道ファンが楽しめる空間を作っていく」と方針を示した。
 取得は3月31日付。取得額は非公表。1947年創業のカツミは、旧国鉄やJR、私鉄の車両など、実物を忠実に再現した金属製の鉄道模型で特に中高年層の高い支持を集める。2023年1月期の売上高は約5億円。
 エーツーは、21年に閉店した大型商業施設「静岡マルイ」(同市葵区)の土地と建物を取得済みで、現在の駿河屋静岡本店(同区)の約4倍に増床した新旗艦店を開設する予定。今回のカツミ子会社化で、ホビー業界でプラモデルと並んで根強い人気を誇る鉄道模型ファンの取り込みを図る。新旗艦店にファン交流拠点としての機能も追加する計画で、「ホビーのまち静岡」への誘客増につなげる。
 エーツーは21年にラジコンカー販売の「京商」(神奈川県)も買収するなど、商材の多角化を進めている。杉山社長は「新旗艦店には、来店客が自分で好きな鉄道模型を走らせるコーナーを設けたい。鉄道関連の書籍やCDもそろえていく」と話している。

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