エーツー海外初進出 日本のホビー文化発信 「駿河屋」店舗、台湾開設へ
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は12日までに、本年度内をめどに台湾に進出する方針を固めた。関係者への取材で分かった。同社として海外初の実店舗を開設するほか、現地に物流倉庫と台湾専用のEC(電子商取引)サイトを立ち上げ、収益拡大とホビー文化の発信を図る。杉山綱重社長は「日本のアニメやゲームの人気が高い台湾の消費者に、ホビー商材を素早く広く届けていく」と意気込む。
若者文化の発信地として知られる台北市西門町の商業ビルに出店する。店舗面積は約千平方メートルで、プラモデルやフィギュア、アニメ関連雑貨など新品・中古合わせて約40万点を取り扱う。初年度の売上高目標は約7億円。日本の大規模店舗に相当するといい、中古品の買い取りも行う。
同社は全世界で利用できるECサイト「駿河屋ドットコム」を運営しているが、割高な配送料や海外への配送時間の長さが課題となっていた。現地専用のサイトと物流倉庫を設け、顧客の利便性を高める。同社によると、台湾では中古品の買い取り・販売の習慣がないといい、日本のサービス導入で新規需要の取り込みを狙う。
静岡市葵区の旧静岡マルイ跡に、8月下旬にオープン予定の新旗艦店も台湾の消費者にアピールし、訪日誘客を狙う。杉山社長は「日本の駿河屋と全く同じサービス・機能を提供する。海外展開の第一歩として現地の支持獲得に全力を尽くし、将来的には各国に駿河屋を展開したい」と話した。