静岡市、断水対策に本腰 災害備え有識者会議 年度内にも設置

 静岡市の田辺信宏市長は28日の定例記者会見で、台風15号の豪雨災害で同市内で大規模な断水が発生したことを受け、年度内にも有識者による会議を設置し、災害時に水道水を安定的に供給できるような具体策を検討していくと発表した。

静岡市役所
静岡市役所

 清水区で断水した約6万3千戸のうち9割が興津川取水口の被災が原因とされ、取水口1カ所で同区のほぼ全域の水が賄われていることを問題視する声があった。市担当者によると、新たに設置する会議では、複数の取水口設置や、新たな水源の確保などが議論される見通し。
 会議とは別に、取水口被害の再発防止に向けて、同取水口が被災したメカニズムを調査・検証し、流木や土砂が取水口に詰まらないようにする対策も施すという。
 多くの家屋が浸水被害に遭った巴川流域の治水対策では、既に計画されていた清水区大内新田の市有地の調整池について、2027年度の供用開始を目指して整備を進めることを明示した。
 今回、課題となった災害時の情報発信についても、市が整備を進めている「災害時総合情報サイト」の完成予定を25年度から24年6月に前倒しする。田辺市長は「経験が足りず、情報の収集、整理、発信が適切に行えなかった。市民が知りたい情報を発信できず責任を感じている」と述べた。
 (政治部・池谷遥子)

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