アプリを入れれば、手持ちのスマホで購入もチャージもできる
松下:モバイルICサービスが始まって、具体的にどんなところが変わったのか教えてください。梅原:カード式のTOICAと比べて一番便利なのは、駅の窓口や券売機に並ばなくても、自分の持っているスマートフォンでチャージができるようになるところです。定期券の購入や払い戻しもできるようになるということですね。
また、カードだと残高がわからないですが、アプリだと簡単に確認できるようになります。
松下:春休みなど定期券の購入の時期には、長蛇の列が窓口にできますが、こういったものの解消に繋がりそうですね。
梅原:そうなんです。一番便利になるのは、通勤や通学で定期券を利用している方ですね。
例えば、通学定期を買うときは学生証や通学証明書が必要なので、今までは新規のときも継続のときも窓口に行かなければなりませんでした。でも、モバイル版のTOICAだと、一度学生証や通学証明書をアプリ上で登録して、登録内容が認められれば、スマートフォン上で購入ができます。登録する際は、回答が来るまで時間がかかりますが、翌日頃には来ます。
卒業まではその証明書が有効になるので、継続のときはそのままアプリ上で購入できるようになります。窓口に行って長蛇の列に並ばなくても大丈夫ということですね。
松下:買い物の面でも、良い点がありそうですね。
梅原:そうですね。買い物のためにTOICAを使っている方は結構多いですが、そのチャージについては課題がありました。駅の窓口のほか、一部コンビニのATMなどでもできましたが、いずれにしても「どこかに行かないとチャージができない」ということになっていました。
今回はオートチャージではなく手動ではありますが、アプリ上でクレジットカードからチャージができるようになりました。駅やどこかのATMなどに行かなくても良くて、便利ということですね。
Suicaには随分前からモバイル版があったけれど…
松下:JR東日本が運用しているSuicaは、20年ほど前に既にモバイルICサービスが導入されていたと記憶しています。どうしてJR東海のTOICAは今、サービスを始めたのでしょう。梅原:JR東海によると、JR東日本のSuicaに乗り入れるのかなど、以前から様々な方法を検討していたそうです。東海道新幹線と山陽新幹線が直通運転を行っている関係で、山陽新幹線を運営しているJR西日本のモバイルICサービスが2023年に実用化されたことを機にそちら側のサービスに乗り入れることで、サービスが利用できるようになったということのようですね。
松下:SuicaではなくJR西日本のICOCA(イコカ)の仕組みを取り入れたということなんですね。
梅原:そうなんです。ICOCAと乗り入れを行っているということで、ICOCAの仕組みを採用したということですね。
松下:実際のところ、静岡県でモバイルICサービスの普及はここから先進んでいくと思いますか?
梅原:カードタイプのTOICAというのは、とにかく発行するにも駅まで行かなければいけないし、使うまでに壁がありました。モバイルICサービスだと、iPhoneや「おサイフケータイ」に対応している機種であれば、アプリをダウンロードするだけなので、すぐに使えます。普及が進むんじゃないかなと思いますね。
TOICAのエリア外でもシームレスに使えたら、さらに快適!
松下:モバイルICサービスは、今後、どのような進化を遂げていくと考えますか?梅原:今はまだ、技術的な過渡期だと思うんですね。例えばJR東日本のエリアやJR西日本のエリアに入ったり、あるいは私鉄に乗ったりするときなど、TOICAのエリア外に行くときがありますね。私鉄に乗る時は、1回改札を降りてもう1回タッチすればいいんですが、そういうところではシームレスに使えないという問題があります。
静岡県内でも身延線の一部の駅で使えなかったりするので、そういったところでも、自動改札機がなくても使えるような方法が開発され、シームレスに使えるようになるといいなと思いますね。
これからは自動改札機自体も、顔認証など新しい方法が実用化されるので、iPhoneやAndroid版のスマートフォンを持っていて、モバイルICサービスに登録していれば、自動的に使えるようになるといいですね。チャージ金額については、今は上限が2万円です。セキュリティの問題もありますが、例えば「5万円までできますよ」とか、そういうことがあるといいですね。こういったことは、課題として鉄道会社も認識しているので、いずれ改良されるのではないのかなと考えます。
松下:モバイルICサービスについて、TOICAも含めてどんな発展があるのか引き続き注目していこうと思います。梅原さん、どうもありがとうございました。










































































