2024年夏の全国高校野球選手権静岡大会は4強、昨夏は準優勝。一段ずつ階段を上り、2021年以来5年ぶりの甲子園に照準を合わせる。
存在感取り戻せるか
3月7日の練習試合解禁後の戦績は5勝1分け。選抜出場の中京大中京にも3-2で勝利している。池田新之介監督は「走塁の細かい部分など、まだまだ課題はありますが、長打が出るようになっていますね」と好感触を得ている。
3月20日、春季高校野球県大会予選の初戦を迎える。秋は2年連続で宿敵・常葉大菊川にコールド負けを喫する屈辱を味わっただけに、まずは春の戦いで存在感を取り戻せるか、注目だ。
夏を見据えて
負けない野球を得意としてきた静岡の池田監督だが、ここ数年は夏に振り切った戦いを見せている。
「秋の戦いをおろそかにしているわけではないんです。秋に強いチームもつくりたいんですけど」と前置きをした上で、「夏に向けての積み重ねを〝薄皮〟を重ねるようにやっていくことを意識していて、常に進化を目指しています。自分は途中で結果につなげるのが下手なのか、秋の段階で『夏はそれじゃ勝てない』と考えてしまうんです」と、理由を明かす。
夏を意識して強化してきたのが攻撃力。トレーニングと打撃に特に力を入れてきた。スポーツ用品メーカーZETT社による身体能力測定の総筋力値(2月)で2年生は全国9位、1年生は全国1位という数字にも、その成果が表れている。
鍵握る名取、奥山
打線の鍵を握るのは、昨夏も主力の名取凜人主将と奥山篤樹内野手。ともにチャンスメーク役としても、ポイントゲッターとしても機能する。
昨秋県大会3回戦の(左から)名取選手、奥山選手、平野選手=草薙球場
名取選手は「バッティング力を上げるために、それにつながる体づくりをしてきました。勝つためには点を取らないと。フリー打撃の打球が秋とは全然違います。まだまだ発展途上だけれど、春は打って勝つことをテーマにしていきたいです」と意欲を示す。夏は2年連続で聖隷クリストファーに苦杯を喫している。昨夏は決勝で、聖隷のエース左腕、高部陸投手に4安打に抑えられた。
2025年夏の静岡大会決勝で敗れ、悔しさをあらわにする静岡ナイン=草薙球場
「忘れられない経験です。ふとした時にあの試合のことが思い浮かびますし、(高部投手を)どう打つかを考えてきました。向こうも絶対に進化してくる。それを上回れるよう、レベルアップして戦いたいです」厚み増した打線
昨夏は4番を担った奥山内野手は183センチ、87キロの堂々たる体格。
「逆方向に強い打球が行くようになりました。体重も90キロくらいまで増やして、もっと振れるようにしていきたい。確率を上げて、外野の間を抜ける長打、延長線上でホームランになれば」とイメージする。
さらには、昨夏の静岡大会3回戦で代打出場し、3ランを放った新2年の平野光星捕手が解禁明けの6試合で3本塁打を放つなどパワーアップしていて、5番村上諒外野手も含めたクリーンアップは迫力十分だ。
雪辱期すエース
投手陣も秋とは違う。指揮官が「球の力が出てきて、ストライクゾーンの中でカウントが取れている」と評価するのは、エース左腕鈴木颯真投手。昨年まで130キロ台中盤だった球速は141キロまで伸びている。
昨夏のエース吉田遥孔投手は秋のコールド負けの悔しさを夏の準優勝につなげた。今年の主戦、鈴木颯投手も雪辱を期し、冬の間にこれまでの球種の精度向上に加え、新たにカーブの習得に力を入れてきた。
秋の雪辱を誓う鈴木颯投手=静岡高
「常葉大菊川と聖隷クリストファーという負けた相手をイメージしながら冬はやってきました。(秋の)菊川戦は変化球が入らなくなり、真っすぐを狙われましたが、確実に秋よりレベルアップしてます」と自信を見せる。昨夏の静岡大会は1回戦と決勝に登板した。「プレッシャーのある中で投げられたので、去年より余裕を持って入れると思います」と、真夏のマウンドを見据えている。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
春から導入されるDH制について、池田監督は「ピッチャーがマウンドを降りた時にそのままDHで残ることもあるでしょうし、その時の調子のいいバッターをDHに置くこともあると思う。いろんなカードを準備できて、攻撃の引き出しが増える。プラスに使っていきたい」と話していました。









































































