
昨夏はシード校ながら、常葉橘に敗れ初戦敗退。新チームで挑んだ秋も悪夢は続いた。同じ相手に初戦で1対4と屈し、まさかの地区予選敗退。この屈辱が選手たちに火をつけた。力負けしない体、バットスイング、捕球、送球を鍛え直し、春の大会は県準優勝。決勝は加藤学園と延長の末、1対2の惜敗だった。東海大会1回戦も県岐阜商に1対2で競り負けたが、第2シードを獲得し、多くの強豪校と公式戦を経験。実りある春となった。
投手陣は万全だ。秋から急成長しエースの座を掴んだ谷脇は、プロも注目する最速142キロの本格右腕。春の準決勝では浜松開誠館を100球以内で散発5安打0点に抑える緩急自在の完封劇だった。2番手には昨夏エースの経験豊富な中野、中継ぎや抑えで流れを変える梅澤、2年生の吉田と増田を加えた5枚で夏を戦う。キャッチャー石垣(拳)、ショート石𣘺、セカンド松下(緑)、センター松下(球)のセンターラインを中心に堅い守りが投手を支える。
攻撃力も高い。4番和田(琉)は新基準のバットでも柵越えする力を持つ高校通算本塁打20本の強打者。1番松下(球)、2番漆畑がチャンスメイクし、和田の前後を打つ中野、石垣(拳)も好投手を打ち崩す力がある。ここに足を絡めた機動力も加わる。僅差で敗れた試合から見えた課題を克服し、夏に向けた準備は万端だ。
甲子園の土は2021年の夏以降、踏めていない。池田監督は「何事もひたむきに、必笑懸命に野球を」と選手を送り出す。勝って必ず笑いたい。周りの期待も大きいが、何よりも自分たちが行きたい場所だ。