コーヒーが苦手だった店主。だからこそ辿り着いた味
稗田さん提供
シミ毎編集部に協力してくれたのは、手作り自家焙煎珈琲店「R荘」。店名は画家パウル・クレーの作品「R荘」に由来しています。店主の稗田麗さんが2014年に草薙に開業し、2023年に用宗に移転しました。コーヒー屋を営む稗田さんですが、もともとコーヒーが苦手だったと話します。コーヒー好きになったきっかけは、偶然コーヒー屋で試飲した一杯でした。「口の中に雑味や苦みが残らず、コーヒーの印象が変わりました」と明かします。
稗田さんは長年、IT企業に勤務。退職後、IT関連の事業を開業予定でした。しかし、おいしいコーヒーと出会い、オリジナリティを出すためにITとコーヒーを提供する店を開くことを決めました。
独学で2年間コーヒーを研究。試行錯誤を重ね、コーヒーが苦手な人でも飲みやすい、すっきりとした味に辿り着きました。
木の温もりを感じるテーブルと椅子が並ぶ店内。店主の稗田さんは、実家が家具製造業を営んでいることから、手作りオーダー家具やインテリア雑貨も販売しています。
丁寧な準備がおいしさにつながる
稗田さんのこだわりの一つが「ハンドピック」と呼ばれる欠点豆を取り除く手作業です。コーヒー豆は農産物のため、欠点豆が混入していることがあり、それが雑味の原因になります。R荘では、ハンドピックをこまめに実施。また、焙煎中に剥がれた薄皮の除去も入念に行います。焙煎は手動焙煎機を使用。その理由を稗田さんは「生豆を焙煎すると水分が抜けていきます。その重みの違いを手で感じ取ることができるからです」と説明。丁寧な手仕事がR荘のおいしいコーヒーを作り出しています。
淹れ方の見本を見せてくれた稗田さん。プロは注ぎ方の感覚がやはり違います!
おいしいコーヒーの淹れ方
「嗜好品なのでこれが絶対に正しいというわけではないのですが…」と前置きをした上で、淹れ方のコツを教えてくれました。
稗田さん提供
(道具)ドリッパー、ドリップポット、サーバー、ペーパーフィルター(材料一人分)コーヒー11g〜12g、お湯(70度〜80度)120ml ☆高温で抽出すると苦み、雑味の原因になります。
①器具とカップにお湯を注ぎ、温めておく。
②ドリッパーにフィルターをセットし、お湯を少量注ぎ、フィルターを湿らせる。(ドリッパーにフィルターを密着させるため)※②のお湯は捨てる。
③コーヒーをフィルターに平らになるように入れる。
④ドリップポットで細く「の」の字を書くように静かにお湯を注ぎ、コーヒーを全体的に湿らせ約1分蒸らす。 ☆じっくり蒸らすのがR荘流。
⑤数回に分けて静かにお湯を注ぐ。
⑥100mlほど抽出されたら、抽出を止める。 ☆お湯は、全て注いでしまうと雑味が抽出されてしまいます。
⑦カップに注ぎ完成。
R荘では細口のポットで丁寧にコーヒーを淹れています。
<店舗情報>R荘では、コーヒー提供の他、店主の稗田さんが今までの経験を活かし、パソコン教室とギター教室を開催しています。コーヒーを飲みながら受講できます。
住所:静岡市駿河区用宗5-18-2(JR用宗駅より徒歩7分ほど)
TEL:054-204-3221
営業時間:10:00~12:00 13:30~19:00
定休日:水曜(イベント出店による臨時休業あり。最新情報はインスタグラムをご確認ください)
駐車場:有り。店舗前に3台
インスタグラム:@rsou_jp
※季節でメニューは変わります。
※シミズ毎日2025年10月26日号掲載の記事を一部編集して掲載しています。





































































