
まぼろしの店の生もちスイーツ

安倍川橋のたもとにある、あべ川もちの「かごや」。外観はかなりレトロだし、いつ通っても店が閉まっていて「この店やってるのかなあ?」とずっと気になっていたんですが、実は、日曜日だけ限定でオープンするほぼまぼろしの店でした。
しかも売り切れ終了で、早いときは15時には閉店してしまう人気店だったんです。
人気の理由は、柔らかくてよ〜く伸びる「生あべ川もち」

見て見て! こんなによく伸びる!
人気の理由は、日曜だけの「まぼろし感」と柔らかくてよ〜く伸びる出来立ての「生あべ川もち」。お店では単に「あべ川もち」と呼んでいますが、これはもう「生あべ川もち」と呼ばせて欲しい。その日の朝に搗いたばかりの「生もち」に、注文が入ってからあんこやきなこをつけて作る、出来立ての「生あべ川もち」です。だから賞味期限は当日中。もち米100%だから翌日になると固くなってしまうんです。
名前の由来は初代が「籠」を編んで売っていたから

4代目ご主人がその場で作ってくれます
「かごや」ができたのは、今から100年以上前。名前の由来は初代が「籠」を編んで売っていたからで、現在のご主人「伊藤康司」さんが4代目。伊藤さんは会社勤めをしていて会社が休みの日やGWなどしか営業できないというのが、日曜限定オープンの理由です。もち米を前日の土曜日から水に晒し、日曜の朝6時30分から火にかけ、もちを搗く。休み返上で頑張ってくれているおかげで出来立ての「生あべ川もち」が食べられる、というわけです。
最新の営業情報はインスタで発信中

レトロな店内にはためくキャッシュレス決済の文字
店構えはいかにも「茶店」という感じで年季が入っていますが、店内はWi-Fi完備で、オープン日はGoogleMapやインスタでお知らせ。美味しそうな写真を見て遠方からわざわざ来るお客さんもいっぱいで、取材の日も次々にお客さんが。「かごやに来るためだけ」に静岡にやってくる人もいるのだそう。「きなこ・こしあん・粒あん」の3種類

きなこには砂糖をまぶしていただきます
「あべ川もち」の種類は、「きなこ・こしあん・粒あん」の3種類。
寒い季節には温かいお茶が無料提供されます。良心的〜

店内飲食用と、持ち帰り用簡易パックは、6粒500円と8粒600円。(※価格は税込)
折箱に入った持ち帰り用は、16粒1,000円〜30粒1,700円と、さまざまな量が選べます。
とっても良心的な価格だと思いませんか?

籠の網目をイメージした包装紙。16粒1,000円

昭和マンガで「酔っ払ったお父さん」が持っていた土産タイプ
お茶はセルフで飲み放題。出来立てをこの価格で食べられるのはとっても良心的
むにゅっと出てくるのが可愛い
「きなこ・こしあん・粒あん」の組み合わせも自由に選べるので、例えば、6粒500円の場合「きなこ2・こしあん2・粒あん2」という注文もできます。これもその場で作るからこそ! 出来立てホヤホヤのあべ川もちは、柔らかくもちもちとして噛むほどに餅米の美味しさを感じます。
お茶はセルフで飲み放題だし、出来立て手作りをこの価格で食べられるのはとってもお安い!

持ち帰り用は固くなるのを防ぐために店内用よりも柔らかなお餅を使ってます
ちなみに、静岡で食べるあべ川もちは「きなこ」と「こしあん」の組み合わせが多く、かごやのように「粒あん」を使っている店はとても珍しいんです。そう言われると、ついつい3種類食べたくなってしまいますよね。
特大サイズの「あんころ餅」はさらにお得

左が通常のあべ川もち。右があんころ餅
昔からあるのに、あまり知られていないのが「あんころ餅 200円」。「おはぎみたいな大きいサイズのものを食べたい!」というリクエストから作ったもので、かなりのビックサイズ。こちらも「きなこ・こしあん・粒あん」が選べ、きなこ餅は中にあんこを入れることもできます。ご主人いわく「1つであべ川もち4粒分くらい」とのこと。
あべ川もちで換算するとだいぶお得になるので、とにかく安く!いっぱい!食べたい人にはおすすめですが、けっこうな量なのでそのつもりで注文を。

駄菓子やビールもあります。お子さんには駄菓子おまけのサービスも

というわけで、今日は「この店やってるのかなあ?」と思っていたら意外にも人気店だった「かごや」を紹介しました。
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■あべ川もち かごや
住所:静岡市葵区弥勒2-4-12
TEL:090-8557-4587(伊藤)
営業日:日曜・年末年始・GW・お盆休み期間のみ(臨時休業や平日の臨時営業あり)
営業時間:9:00~19:00(売り切れ次第閉店)
駐車場:3台(道路向かいのバス停を入った奥、25.31.32番)