絶景富士山から、話題の喫茶店もんぶらん、開運神社めぐり、美味しい手土産まで、今一番ホットな街のおすすめスポットを紹介します!
迫力満点の富士山が身近な風景に溶け込んで、観光客を惹きつけてやまない富士吉田市。映えスポットが豊富で映画やドラマのロケ地としても話題沸騰中のまちです。そこで、食べ歩きが好きで山梨県にも度々足を延ばすアットエス編集部員が、グルメ要素多めの日帰りドライブ旅を紹介します。※価格は税込。2025年3月時点
「道の駅富士吉田」から、まずは富士吉田が誇る開運ご利益スポットへ
静岡市から新東名高速に乗り、いざ東へ向かいます。徐々に近づいてくる富士山にわくわくしながら、新御殿場ICを出たら国道138号(東富士五湖道路)へ。しばらく走って富士吉田忍野スマートICで下りると、休憩にちょうどいい「道の駅富士吉田」が見えてきます。
道の駅富士吉田
ここは、地元民のソウルフード・吉田うどんの食事処やジビエバーガー店、ソフトクリームなど魅力的なグルメがいろいろとありますが、目的の店までおなかを空かせておくため今回はスルー。ですが、お土産売り場の一角にあるこちらのコーナーは必見です!その理由は地元の製麺所が作る様々な「吉田うどん」がとっても充実しているからです。

乾麺タイプは一般的なお土産売り場でもよく置いてありますが、この棚では一堂に集められた各社それぞれの特徴がある生麺を、手に取って選べます。なのでうどん好きの人は要チェックです。
ほかにも同じ敷地内に、クラフトビールなどが買えるレストラン「ふじやまビール ハーベステラス」、アウトドアブランド「モンベル」などもあり、水汲み場では富士山のおいしい湧水が無料で汲み放題です。
富士吉田屈指の開運パワースポットは清々しい朝がおすすめ
道の駅を出て最初に目指すのは、富士吉田を代表するパワースポット「北口本宮富士浅間神社」。1900年もの歴史があり、世界遺産富士山の構成資産の一つです。
鳥居をくぐると厳かな雰囲気の参道が結構長く続きます。実は今年1月にも家族と初詣がてらここを訪れましたが、空高くそびえる杉を眺めながら一歩一歩踏みしめて進むと、とても清々しい気持ちになるんです。富士山信仰の聖地として、昔から登拝者は登頂前に必ず参拝した場所。拝殿や大鳥居、樹齢千年を超す「太郎杉」など境内の11史跡が重要文化財に指定されています。

富士宮市にある富士山本宮浅間大社と同様、御祭神として祀るのは木花咲耶姫。縁結びや家庭円満、安産、商売繁盛などうれしいご利益がたくさんあります。
すぐ近くの新屋山神社は日本で3本指に入る金運アップのご利益スポット

続いて訪れたのは、北口本宮富士浅間神社から車で5分で行ける新屋山神社です。「また神社?」と思うかもしれませんが、あるご利益で日本で3本指に入ると言われている大人気のパワースポットなのです。
そのご利益というのは「金運アップ」!老若男女、誰もがいつでも嬉しくなっちゃうご利益ですよね(笑)。

この日私は、金色の鈴と金運お守り、竈(台所)の神様の御札を購入しました。富士山2合目にある「奥宮」と両方参拝すると良いそうですが、今の時期は奥宮への道は通行止めでした。新緑の美しい時期にリベンジしたいと思います。
老舗喫茶店もんぶらん。一番人気はパフェ「かくれんぼ」
新屋山神社を出て、次に向かったのは現在、ドラマのロケ地として話題沸騰中の老舗喫茶店「もんぶらん」。昭和通りを経由して車で約7分で着ける場所にあります。元々メニューが豊富なことからスイーツ好きの間では有名店でしたが、ロケ地として改めて注目され、駐車場には県外ナンバーがずらり!1月に訪れた時は午後2時の時点で50人近い行列で、その時は入店を断念しました。

その反省を踏まえ、再チャレンジとなったこの日は開店時刻の11時半より大分早めに到着。それでも既に行列ができていて数えたら26番目でしたが、運良く1巡目にギリギリセーフで入店!
念願のメニュー表を見ると、はナポリタンやドリアなど昔ながらの喫茶店メニューに加え、スイーツのページには、パンナとかティラフィーユとかジョッキとか…聞いたことがないネーミングのデザートがずらり。メニュー表もこの厚さです。

迷いに迷って注文したのはスイーツで一番人気のパフェ「かくれんぼ」1020円。

表面を覆うたっぷりの生クリームを掘るように食べ進めていくのがこちらの醍醐味。次から次へ違うフレーバーが出てくるのが楽し過ぎました。いつか訪れるのを楽しみにしている読者の皆さんのために、何が出てきたのか中身はあえて触れないことにしますね。
富士山まで続くような昭和レトロ商店街
「もんぶらん」を出たら、SNSをきっかけに世界中の観光客が訪れるようになった「本町2丁目商店街」へ。中央通りから国道139号を経由し、3分ほどの距離です。普段は昼食前に絶対に食べることはないパフェのカロリーを消化すべく、近くの有料駐車場に車を停めて商店街界隈をぶらぶら散歩することにしました。
観光客が大勢集まっている交差点から富士山の方角を見ると、そこには何とも素敵なノスタルジックな光景がありました!大迫力の富士山に向かって一直線に延びる商店街。味のある看板や建物、街灯が重なり合って、遠くから眺めるいつもの富士山とは全く違う表情をしていました。これは、日本人だって思わずシャッターを切りたくなっちゃいます。
5、6年前に訪れた時は、静かな商店街という印象でしたが、今では警備員が外国人観光客の危険な撮影行為(横断歩道の真ん中で立ち止まって写真を撮るなど)への注意で大忙し。そして交差点脇には2023年3月に開設されたという「下吉田観光案内所」がありました。

足元にはこんな可愛らしいマンホールのフタも
せっかくなので観光案内所の人に、近くでおすすめの手土産が買える和スイーツのお店を聞いてみました。
紹介してもらったのは、こちらの「金精軒」。山梨みやげの定番で誰もが知っている「信玄餅」ですが、こちらの信玄餅は「生信玄餅」で、お餅がとてもやわらかくて絶品だとのこと。案内所のすぐ近くなので早速歩いて向かいました。

外観からして素敵な雰囲気を醸し出しています。そして教えてもらった「極上生信玄餅」はこちらです。

素敵な木箱の中に、イメージする信玄餅よりやや大きめの丸くて割と平たい餅が個包装で4個、入っていました。きなこと黒蜜は別に添えられ、好みの量をふりかけて味わうスタイルです。日持ちがしないので帰宅した日に味わいましたが、ふんわり食感のつきたて餅とこっくりとした黒蜜、風味豊かできめ細やかなきな粉が相性抜群!次もまた買いたいと思う逸品でした。
金精軒を出て、徒歩ですぐ近くの月江寺大門商店街へ。ここを通って隣接するディープエリア西裏へ向かってみることにしました。

ツタが絡まる外観が目印の「カフェ月光」は、今まで何度か訪れているケーキがおいしいカフェです。個人発信のSNS以外は現在、店内とケーキの写真は掲載NGのため、今回は店主の許可を得て外観と購入した焼き菓子だけ掲載。骨董や古書などがセンス良く置かれ、ストーブがあるほのぼのとした空間で、旬の果物などをあしらった手作りのケーキやコーヒーなどのドリンクが味わえます。


訪れると必ず購入する焼き菓子。この日はレモンサブレ、チョコアーモンド、メイプルクッキーの3種類
続いては「カフェ月光」から徒歩1分の洋食店「M-2」。ここは月江寺大門商店街を舞台にウッチャンこと内村光良監督が製作した映画「ピーナッツ」や、ドラマのロケ地としても使われています。1982年(昭和57)オープンの洋食店で、今は亡きご主人のレシピを忠実に守っている店主・久保田公子さんが一人で切り盛りしています。

そしてM-2と言えば、地元ゆかりのロックバンド「フジファブリック」のことに触れないわけにはいきません。この店は、元ボーカル兼ギターの志村正彦さんが愛したお店としても知られています。今回は食事をしませんでしたが、前回の訪店時に私も志村さんが好物だったという「大根スパゲティ」を味わってきました。それがこちら。

大根スパゲティ。海苔の下に和風だれで和えたすりおろし大根がたっぷり。リンゴとイチゴのプチデザート付き

壁にはファンが自由にメッセージを残していけるボードがあり、店主が訪れるファンのためにコピーして置いているフジファブリックに関する地元紙の記事コピーが置かれていました。
M-2を出るともうすぐ西裏地区です。こちらは一角の風景。昭和20年代以降のガチャンと機織り機が鳴ると万単位の儲けが出た好景気の時代、機織り産業が盛んな富士吉田で飲み屋街として発展したのがこの西裏地区。今も下吉田地区を中心に多くの機織り工場があるので、次回はそちらも訪ねてみたいと思いながら、そぞろ歩き。

気の向くまま角を曲がるとあちらこちらに昔の面影を残す建物や小路があって、何だかいい雰囲気。ディープな街と呼ばれるのも納得です。夜になって提灯が灯ったらさぞかし風情がありそうです。ジャズ喫茶などもあり基本、飲み屋街ですがランチ営業をしている美味しいと評判の店も点在しています。
吉田うどんは「元祖みうらうどん」へ
さて、あちこち路地裏散歩をして小腹が空いてきたところで、ラストオーダーの14時に間に合うように向かったのは「元祖みうらうどん」。太くてコシの強さが特徴の吉田うどんの中でも、歯ごたえのある麺だと評判の店です。

甘じょっぱく煮た肉は富士吉田の特産でもある馬肉です。わかめがのった「肉わかめうどん」550円と、キャベツがのった「肉うどん」550円を注文。小さな壺に入っているのは唐辛子と胡麻を練って作られた辛味調味料「すりだね」。どの店にも必ずすりだねが置いてあり、微妙に味が店によって違います。ここでは揚げ玉を好きなだけトッピングできるのが嬉しいポイントです。

角のある硬めの麺が甘く煮た馬肉によく合う
もっちりと弾力強めの食感を味わえる硬めの麺で、包丁で切った角がキリッと鋭利なのが好みです。馬肉も濃厚なだしの風味によく合って、とても美味しかったです。
1月に富士吉田に来た時には、新屋山神社の近くにある「手打ちうどん ふもとや」でごぼうの甘辛煮がたっぷりのって、程よいコシと太さの吉田うどんを味わいました。どこも安くて早いし、店ごとに工夫が感じられるのが吉田うどんの魅力でしょうか。思っていた以上に奥深い「吉田うどん沼」にハマってしまいそうです。
桜の季節はさらに華やか。新倉山浅間公園からの絶景富士山
さて、みうらうどんを出発し、おひめ坂通りから車で7分。「新倉山浅間公園」が次の目的地。ここは富士吉田の街並みと、左右に裾野が広がった富士山を一望できる屈指の絶景スポット。まずは麓の新倉山浅間神社に参拝してから展望台へ向かいます。ここも数年前と比べると、外国人観光客がかなり増えていました。傾斜がきつい階段を上るルートを行く人が多いですが、私たちはゆるやかな斜面をのんぶりと歩くルートを選択しました。

こちらが展望デッキからの眺めです。公園には650本以上の桜があるので(写真手前が桜)、満開になると一層華やかな風景が楽しめます。忠霊塔の「5重の塔」越しの富士山は、海外の教科書などで「日本の象徴」として紹介されているとか。夜景もきれいで「日本夜景100選」に選ばれています。
馬刺しと富士山コロッケを買いに大西肉店へ
新倉山浅間公園に行ったらお肉好きにはぜひおすすめしたのがこちら。公園から車で6分ほどで着く大西肉店です。創業から90年を数える地元民御用達の精肉店で、普段使いの牛や豚肉のほか、地元ならではの「甲州富士桜ポーク」「甲州ワインビーフ」などの銘柄肉、そして富士吉田グルメの代表格と言える「馬刺し」が人気があります。

丁寧な仕事ぶりが感じらる串焼き用の肉など多彩な商品が人気(特別に許可を得て撮影)
この日私は赤身と中トロの馬刺し2種類と、揚げたての「富士山コロッケ」をテイクアウトしました。熱々を頬張りたい逸品です。

甲州富士桜ポークを使用し粉チーズで雪化粧した「富士山コロッケ」1個194円
締めくくりは隣町の「旅の駅kawaguchiko base」
最後は大西肉店から車で7分ほどで行ける「旅の駅kawaguchiko base」へ。昨年オープンしたこちらには、地元の採れたて野菜や果物、惣菜、人気店の和菓子などが所狭しと並んでいました。同じ敷地内に地産レストランや愛犬家のためのドッグランもありました。
加工品のコーナーには、地域の特産食材を原材料に使ったオリジナルブランド「MEGU」の手造り生ダレやとうもろこしドレッシングが。この手造り生だれ、美味でした!そのほか甲州ワインがずらりと並ぶコーナーや、忍野八海の名水を使った豆腐、ジビエ肉を活用したペット用ジャーキーなど多彩な商品が盛りだくさんでした。

帰り際、夕日がちょうど河口湖に沈むタイミングでした。今回は富士吉田をコンパクトに周るルートをギュギュッとご紹介しました。河口湖周辺にも私のお気に入りの魅力的なスポットがありますので、それはまた別の機会に。
(取材・撮影 アットエス編集部 柏木かほる)
