​<バレーボールSVリーグ>東レ静岡、大阪Bとエキシビションマッチ 新加入のクレーツに期待 210センチの高さ武器に得点量産

バレーボールSVリーグ男子の東レアローズ静岡は10月4日、三島市民体育館で大阪ブルテオンとエキシビションマッチを実施した。10月24日のリーグ戦開幕まで約3週間。メンバーを入れ替えながらチームの課題を探った。試合はフルセットの末、東レ静岡は2ー3で大阪Bに敗れた。

スタメンは流動的

この日のスターティングメンバーはセッター新貴裕選手、オポジットのキリル・クレーツ選手(新加入)、アウトサイドヒッターはフリオ・カルデナス選手(新加入)と山田大貴選手(清水桜が丘高出)、ミドルブロッカーは難波尭弘選手と李博選手、リベロは武田大周選手。


両チームは前日の10月3日にも練習試合を行っていて、阿部裕太監督は「2日間のメンバーは全く違うし、現時点でどっちがスタートというのはまだない。誰を入れても、チームの考え方として機能していかないといけない」と、スタメンがまだ固定されていないことを明かした。

高い打点からの強打

ただ、オポジットの柱がロシア出身のクレーツ選手であることは決まっている。

チーム合流が9月中旬で、まだコンディションが万全ではないため、この日は第1、2セットのみの出場となった。
210センチの長身を生かした高い打点からの強打は魅力で、守備力の高い大阪Bを相手に、限られた時間ながらスパイクで14点、ブロックで1点の計15点を稼いだ。

指揮官も好感触

阿部監督は「6対6で(クレーツ選手のプレーを)見たのは昨日が初めて。コンスタントに力を出し続けられればいい結果が得られるのではないかと思う」と好感触を得た。
さらに「いい得点源がいるだけに、オポ以外の選手がどういうプレーをすれば、チームがうまく回っていくのか、質を高めてやっていければ」と、精度を追求していく。

「シーズン通して戦い抜く」

昨季はオポジットが故障で離脱することが多く、チームは得点力不足に苦しみ、8位に沈んだ。クレーツ選手は「シーズン通して戦い抜く大切さは意識している。最高の、一番いい成績を残したいと思っている」と重責を自覚している。

現時点で「50~60%」

現時点のコンディションを「50~60%」とし、「チームとしての練習を重ねてコンビネーションなどを突き詰めていきたい。特にセッター。大事な場面でお互いにどういうトスを要求するのか、まだ知り得てない部分もあるので」と話す。

連戦も「大丈夫」

また、SVリーグ特有の土、日曜日の連戦は、世界的には異例で、なじまない選手も多いとされるが「ロシア国内に比べて移動は少ないし、基本的には大丈夫だろうと思う」と心配していない。

セッター新「感覚マッチ」

セッター新選手はクレーツ選手の現時点でのコンディションが「50~60%」と聞き、「あと40%も(余力がある)」と驚いた表情を見せた。

実戦形式でクレーツ選手と合わせたのは10月4日が初めて。
「昨日(3日の練習試合を)見ていた感覚と自分の感覚とがマッチしたのはいい収穫。あと3週間で詰めて、いいチームをつくれるなと感じた」

コンビの精度

また、新選手とミドルブロッカー陣とのコンビネーションの精度も上がっている。「試合が進むに連れて、徐々にコンビが合ってきた」と李選手。
新選手も「(新加入だった)去年はリーグの途中からコンビが合ってきたけれど、今年は最初からいい感じに来ていると思う」。

Aクイック縛り

最近は、セッターとミドルの間で「Aクイックのみ」という〝縛り〟を設けて練習に取り組んでいたという。李選手は「Bは自信がある。むしろ自信しかないけれど、Aの縛りがあったことでAの幅も広がっている」と手応えを口にする。

山田、意欲新た

クレーツ選手にシーズン通しての活躍が期待されるとしても、全試合フル出場を求めるのは厳しい。クレーツ選手の負担を軽減するためにも、攻撃型のアタッカーとして山田選手、重藤トビアス赳選手、小澤宙輝選手に得点力が求められる。

2年目の山田選手は「今日はリーグ戦前におのおのの課題を見つけられるいい機会だった。全体的に得点力が低かったので、上げていきたい。去年は守備でほかの人のサポートを受けたけれど、今年は守備もやりつつ、攻撃を中心とした選手として、シーズン通して出続けられるように頑張りたい」と意欲を新たにしていた。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)


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