
太陽の塔にまつわる1970年の難工事の様子は、映像の中で施工技術者がかなり細かく語っている。何より衝撃的なのは、正三角トラス構造の大屋根(幅110×長さ300×高さ30メートル)を地上でつなぎ合わせ、全体をジャッキアップしたというエピソード。重さ4800トンにも及ぶ構造物を持ち上げるのは、海外でも類例がなかったという。
映像では、当時のコンパニオンの皆さん、子どもだった建築史家橋爪紳也さんらが万博を振り返り、自らの半生と現代日本社会への影響を考察する。太陽の塔の内部にそびえる「生命の樹」の再塗装など復元作業も収める。
当時の来場者はもちろん、2018年時点で証言する人々も一様に上気した顔なのが印象的。「万博」のインパクトそのものが伝わる。それは未来を「夢」として語ることが許された時代、万博だったからではないか。さて、2025年大阪万博はいかに。(は)