「市の責任を判示したものではない」熱海土石流災害 市長を訴えた現土地所有者の請求棄却=静岡地裁沼津支部

静岡県で起きた熱海土石流災害をめぐり、盛り土の現在の土地所有者が熱海市長に対して損害賠償を求めた裁判で、地裁沼津支部は原告側の請求を棄却しました。判決では「個人の責任を判示したもので市の損害賠償責任を判示したものではない」と加えています。

3年前、静岡県熱海市で発生した土石流災害をめぐり、現在の土地の所有者が熱海市の斉藤栄市長に対し、避難指示を発令しなかったことで人的被害を発生させ、所有する土地の価値を失わせたなどとして、10万円の損害賠償を求めました。

9月18日の判決で、地裁沼津支部の寺本昌広裁判長は、公共団体の公務員が過失によって違法に損害を与えた場合、責任は公共団体にあり、公務員個人が負うものではないとして訴えを棄却。裁判長は「市長の公務員個人としての責任の可否について判示したものであり、熱海市の損害賠償責任の成否について判示したものではない」と説明を加えました。

判決に対し、原告側の河合弘之弁護士は「斉藤市長の責任については、すでに別の裁判が係属しているため、同訴訟の中で追及していく」とコメントしました。

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