
20年以上の年月を経て接点のある作品
2002年のアニメには意外にも今年2024年と接点のあるものが多いんです。『ガンダムSEED』の最初のシリーズ『機動戦士ガンダムSEED』が2002年オンエアで、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が現在大ヒット中。他に『超重神グラヴィオン』も2002年放映開始。これは、今年の1月からTBS系列で放送されていたロボットアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』の大張正己監督の作品です。
さらにいうと、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』で悪役をしていた下野紘さんが初主役だったのが『ラーゼフォン』(2002)です。出渕裕さんのアニメーション初監督でロボット・SF・ラブストーリーでした。その出渕監督も『メタリックルージュ』で総監修・シリーズ構成を務めています。
他の指標でいうと……例えば『おジャ魔女どれみ』では、『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』の年ともいえます。また、アニメにおける聖地巡礼のムーブメントの先駆けともいえる『おねがい☆ティーチャー』もこの年に始まりました。この作品をきっかけにして、木崎湖にファンの人が集まるようになったわけです。
少女漫画系だと『満月をさがして』や、少し前にリメイクされた『東京ミュウミュウ』も放送されています。また、BL漫画で一時代を築いた『炎の蜃気楼』もこのタイミングでアニメ化されています。ちなみにアニメではないところだと『仮面ライダー』なら『仮面ライダー龍騎』、スーパー戦隊シリーズでいうと『忍風戦隊ハリケンジャー』の年です。
劇場版では、非常にエポックメイキングな作品が登場しています。それは新海誠監督のプロデビュー作『ほしのこえ』です。実質的にひとりで制作した25分の短編が大きな話題を呼び、ムーブメントとなりました。ジブリ作品では『猫の恩返し』が公開され、『ドラえもん』で言うと『ドラえもん のび太とロボット王国』が2002年でした。
2002年のTVアニメは、制作工程の仕上・撮影がデジタル化されたばかりのころで、地上波放送のフォーマットは4:3でのアナログ放送でした。映像的にはまだSD(解像度が640×480)で制作されてころです。これが2010年からは地デジ化されて全部16:9のHD(解像度が1920×1080。いわゆる2K)になります。
同じ10年でも、2002年と2012年のアニメを比べるのと、2012年と2022年のアニメを比べるのでは、2002年と2012年を比べた方が、時代が離れているように感じるはずです。それはこの時期に、放送フォーマットが大きく変わったことに加え、キャラクターデザインの流行や映像表現手法もまた大きく変わったからです。2012年から2022年の方がそうした変化は少なかったので、より地続きに感じられるはずです。