語り:春風亭昇太
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富士山を望む景勝地であり、お茶の産地でもある日本平。その日本平の麓に、静岡市立 日本平動物園があります。アジアゾウやベンガルトラなどの大型の動物から小さな鳥たちまで、123種371点の動物たちとともに、昭和44年8月1日、開園しました。
そののちも新しい動物たちを迎え、新たな展示施設も造られてきました。昭和55年、中国から日中友好の動物大使として日本平動物園にやって来たのが、レッサーパンダです。長くてふさふさした縞々のしっぽをもつレッサーパンダは、その愛らしさで動物園の人気者となりました。
野生では2500〜1万頭しか生息していないと言われ、絶滅危惧種に指定されているレッサーパンダ。世界で飼育されているシセンレッサーパンダのおよそ7割が日本にいて、日本平動物園は、国内で飼育されているシセンレッサーパンダの繁殖を管理する役割を担っています。
飼育員の努力で、これまで数多くの赤ちゃんが誕生し、国内初の人工哺育にも成功してきました。立つ姿で話題となった、千葉市動物公園の風太も日本平動物園生まれ。7年連続で自然繁殖に成功した実績もあります。2023年7月に生まれた「えみ」。すくすく育って、ずいぶん大きくなりました。
動物園は子供たちの学びの場や行楽の場となるだけでなく、調査・研究や種の保存の役割も担っています。現在、9頭のレッサーパンダを飼育している日本平動物園。その可愛らしい姿を見せてくれるとともに、レッサーパンダの種を守り、次世代へとつないでいきます。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。