
日本平ロープウェイのお噺し(その弐)
語り:春風亭昇太

富士山を望む名勝「日本平」から徳川家康を祀る「久能山東照宮」を結ぶ日本平ロープウェイ。
全長1,065メートル、片道5分間の空中散歩で四季折々の景色を楽しむことが出来ます。日本平にある標高300メートルの日本平駅を出発すると目の前に日本一深い駿河湾が広がり、天気が良ければ、伊豆半島まで見渡すことが出来ます。
駿河湾の手前には石垣イチゴのハウスが並びます。左手一帯の山は久能山。昔はひとつの山続きだったとのことですが、長い年月に大雨や地震によって柔らかい部分が押し流され、固い部分だけが残って現在の姿となりました。
細く削られた山がまるで屏風を立てたかのような姿をしているところから「屏風谷」と呼ばれています。
地上90mでゴンドラが地上から最も高くなる場所からは以前使われていたハイキングコースが見えます。今は閉鎖されていますが、その昔は久能山のふもとから日本平の山頂まで、このハイキングコースを歩いて登ることが出来ました。
久能山東照宮がある久能山駅に着くと目に入るのは、かつて、この地に武田信玄が築いたと言われる久能城の石垣。久能城はやがて天下統一を果たした徳川家康の城となり、家康はこの地に自身を埋葬するように遺言を残したのです。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)