静岡学園が“金野ツインズ”のホットラインで決勝点!常葉大橘を1−0で下して4強入り<静岡県高校サッカー新人戦・準々決勝>
兄の仁「仕掛けることしか考えていなかった」
静岡学園のトップ下に入った金野仁(じん)と、ダブルボランチの一角を担った金野類(るい)。埼玉県からやってきた“ツインズ”のホットラインが貴重な決勝点を生んだ。
前半19分、弟の類がドリブルで仕掛けて相手守備陣を引き付ける。その瞬間を見逃さず、ペナルティーエリア内の密集地帯のすき間に猛然と走り込んだのが兄の仁だった。
弟からの横パスを受け、相手DFをかわそうとしたところで足を挟まれ、PKを獲得。仁が自分で得たPKを落ち着いて決めた。
「最近は結果を出していなかったので、得点にこだわっていた。仕掛けることしか考えていなかった」。仁はネットが揺れたのを確認すると人差し指を突き上げ、トップチームでの公式戦初ゴールを喜んだ。
2人は二卵性双生児。幼い頃から身体的な特徴もプレースタイルも「ずっと正反対だった」という。仁は身長160センチ、左利きの小柄なドリブラー。類は172センチ、右利きの守備職人。
ともに中学までは埼玉県の「1FC(ワンエフシー)川越水上公園スポーツクラブ」でテクニックを磨いた。4年前、全国高校選手権を制した静岡学園の創造的なサッカーに魅了され、一緒に入学を決意した。
昨年は2人ともDチーム暮らしだった。仁は「弟がスタメンで、自分がベンチだとめっちゃ悔しい。絶対に負けられない一番のライバル」と笑う。互いに刺激し合いながら、トップチームを目指してきた。
この日のスタンドには埼玉から駆けつけた両親がいた。類は「試合に出るのはどっちかじゃなくて、絶対に2人一緒に。2人でスタメンに定着して活躍できたら、一番の恩返しになる」と今後を思い描く。
静岡学園の選手層の厚さは全国屈指。チーム内のスタメン争いはしばらく続きそうだが、2人は「自分たちでチームを勝たせられるようになれば」と意気盛んだ。あうんの呼吸から生まれる連係プレーにこれから注目が集まりそうだ。
<静岡学園・斉藤興龍部長>
全国選手権が終わっていきなり新人戦なので、まだバタバタしている。一生懸命プレーしているのは分かるが、練習の積み上げが必要。新人戦は競争と土台づくりに重きを置いている。ボールのつなぎが安定してくれば、良いサッカーを展開できると思う。春までにはなんとか…。
フォト
「静岡サッカーが、好きだ!」そんなあなたにうれしいサッカー情報を、プロから高校、ジュニア世代まで幅広くお届けする無料アプリ。静岡新聞SBSのサッカーコンテンツが大集合しています。すべての静岡サッカー愛は、ここに集まる!
関連タグ