【「原泉アートデイズ!」】機能なくしたモノたちの「墓場」

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、10月12日に掛川市の原泉地区で開幕した広域アート展「原泉アートデイズ!」。旧茶工場や旧校舎、民家に11作家の作品を展示。11月26日まで。
滞在型制作で知られる同展は6年目。プロジェクトの象徴とも言える野々上聡人さんをはじめ、例年以上に「滞在制作の場所」そのものを見せる展示が目立つ。井口貴夫さん(沼津市出身)が市有林に出現させた〝遮光布の競泳コース〟は、約30mの真っ黒なコースが、森林の暗い懐に溶けていく。椅子、ラジカセ、自転車などを均一に着色した西村卓さんの作品も秀逸。「カタチ」だけが強く頭に残る。まるで「機能」を失したモノたちの墓場。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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