【奥能登国際芸術祭2023から②】「最果ての地」で富士を見た

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、石川県珠洲市で11月22日まで開催中の広域アートフェスティバル「奥能登国際芸術祭2023」の作品から。第2弾。
能登半島の北端、木ノ浦湾を見下ろす自然遊歩道を使った「物語を体感する」展示。現地周辺で1922年に生まれた小作農の三男坊の伝記を、草木が生い茂る道を歩きながら味わう。満州に渡り、志願して海軍入り。太平洋戦争で生死の境をさまよった。その姿を絵画50枚、テキスト90枚で描く。日本から台湾へ向かう飛行機の窓から富士山に見ほれる場面が悲しい。明日をも知れぬ軍人は、朝日に照らされた富士を来世の景色として見たのかもしれない。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1