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静岡新聞教育文化部

【富士山静岡交響楽団の「第121回定期演奏会」静岡公演】 指揮棒を持たない指揮者

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、9月16日に静岡市清水区の市清水文化会館マリナート大ホールで開かれた富士山静岡交響楽団の「「第121回定期演奏会」静岡公演。指揮にオランダ生まれの世界的指揮者ユベール・スダーンさんを迎え、シューベルト「劇音楽『キプロスの女王ロザムンデ』序曲」「交響曲第7番ロ短調『未完成』」、ベートーベン「交響曲第3番変ホ長調『英雄』」。同じプログラムで17日午後2時から、浜松市中区のアクトシティ浜松中ホールでも公演。

指揮棒を持たず、指揮台にも乗らないスダーンさんの一挙手一投足に釘付けの2時間。両手をひらりひらりと舞わせ、膝を柔らかく使って足を前後させる。それは時にダンスをしているかのようにすら見える。親指と人差し指で軽く輪を作り、各パートの入りではそれをフワッと解き放つ。「英雄」第4楽章では左足の体重移動と左手の押し引きでバイオリンを鼓舞。まるでオーソドックスのボクサーが精緻なジャブを打つかのようだった。(は)


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