
(寺田)サッカー女子日本代表なでしこジャパンは7月31日、ニュージーランドで行われた女子ワールドカップ1次リーグC組最終戦でスペインに4対0で快勝し、予選3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めました。8月5日の1回戦でノルウェーと対戦します。
今回注目したいのは池田監督の戦い方ですね。予選で対戦した世界ランク格下のザンビア、コスタリカとの試合では、自分たちでボールを保持して、パスを回してゴールを奪いました。しかし、格上のスペイン戦では日本のボール支配率ってわずか21%だった。それでも4−0で勝ちました。
この21%っていうのは、2011年以降のワールドカップの勝利チームで最も低いそうです。パスワークが得意なスペインに対し、守備のときは9人で強固なブロックを作った。そこに相手を呼び込んでおいて、ボール奪ったら縦に速い攻撃を仕掛けました。
(山田)かっこいい。
藤枝順心高が変幻自在に全国制覇
(寺田)女子サッカーは県内でも嬉しいニュースがありました。藤枝順心高校が北海道で行われているインターハイで7年ぶり2度目の優勝を飾りました。昨年の冬の全日本高校選手権も勝ってるので冬夏連覇なんですよ。選手権とインターハイという女子高校サッカーの2大大会で、計8度目の日本一でした。藤枝順心はかつてはパスサッカーが代名詞だったんですが、今は違うようなんです。北海道で取材した同僚記者によると、特に今年のチームは柔軟性に優れていたと。
サッカーの戦術はいろいろありますが、今季の藤枝順心はボールを保持して攻めたり、カウンターを仕掛けたり。中央から、サイドから、どんなスタイルでも高次元でやってのけたと。変幻自在に戦って全国頂点に上り詰めた。
(山田)決まりきってなくて、相手によってどんどん戦い方が変わっていくと。
(寺田)藤枝順心の中村監督にお伺いすると、高校から先のステージで、スタイルがいろいろ変わっても対応できるサッカー観を植え付けてあげたいということのようです。
最近のなでしこジャパンの戦いとか、藤枝順心の戦い方を見ていると、やっぱりこの柔軟性っていうのが女子サッカーの魅力になってくるんじゃないかなと思うんです。
藤枝MYFCの須藤監督「俺はロマンを追うんだ」
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(寺田)サッカー強豪国にはやっぱり確立したスタイルってあるんですよ。もちろん常に進化してるんですが、根本変わらない部分がある。ブラジルだったら個人技であったり、イタリアだったら堅い守備であったり。
自分が担当している藤枝MYFCは、前線からハイプレスをかけてボールを奪って、パスを繋いで、相手に触らせずにゴールする超攻撃的スタイルを理想にしています。
先週末のアウエー仙台戦は試合開始30秒で、ディフェンダー1人がレッドカードをもらって退場しちゃったんです。
開始直後に10人対11人になれば、普通は中盤から1人おろしてきたり、フォワードもちょっと1個下げ目にしたり。でもこの時、須藤監督はフォワードを1人増やしてツートップに変えたんですよ。「点を取りに行くんだ」って。
ピッチの選手たちも「マジか」って思ったらしいですが、須藤監督は「結果だけじゃなく内容を求めるんだ。俺はロマンを追うんだ。日本のサッカーを変えたいんだ」って日頃から言っています。
サッカーはスタイルの違うチームが、違う戦術で攻め合うから面白い。
なでしこジャパンの次の相手はノルウェーです。大柄の選手が多いんですね。今度はどんな戦術で戦うのか。その柔軟性というのが、日本サッカーの代名詞になるかもしれない。ぜひ結果だけでなく、戦い方にも注目して見ていただけたらと思います。
(山田)サッカーのことが詳しくなくても、何となくわかりそうですよね。ぜひ皆さんその戦い方に注目してみてください。今日の勉強はこれでおしまい!