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2024年のサッカー界は見逃せない試合が目白押し!!森保ジャパン、Jリーグの注目ポイントは?

今回は、2024年にビッグイベントが目白押しのサッカー界について、1996年アトランタ五輪日本代表で解説者の松原良香さん(浜松市出身)に話をうかがいました。今年は、ジュビロ磐田がJ1に昇格したJリーグに加え、アジアカップやパリ五輪など見逃せない試合が続きます。聞き手はSBSアナウンサーの新城健太。

藤枝順心高、7度目の選手権優勝


新城:全日本高校女子サッカー選手権で藤枝順心が7度目の優勝という非常にうれしいニュースが届いています。

松原:本当に見事の一言だと思いますね。7度目の優勝は歴代最多ですし、勝ち方を見ても5試合で17ゴール、1失点と申し分ないですね。

新城:他を寄せ付けなかったですね。強さの要因はどこに。

松原:歴史が彼女たちの背中を後押ししてるのが手に取るように分かります。それから、試合に出ていないスタンドにいる仲間に対しても「みんな応援ありがとう」という気持ちが見える。人の気持ちをみんな分かりながら、心でサッカーをしている。それが彼女たち藤枝順心の強みなんじゃないかなと思いますね。

新城:なるほど。そうすると、見ている我々も自然と応援したくなりますもんね。

松原:彼女たちには躍動感があって、誰が試合に出ても同じモチベーションで同じフットボールができる。本当に素晴らしいチームだと思います。

森保ジャパンが抱える課題は…


新城:そして今年は、元日に初めて日本代表の試合が行われました。国立競技場でタイ代表と対戦して5対0。国際Aマッチは歴代最多の9連勝となりました。1月12日に開幕するアジアカップ・カタール大会に向けても、非常に良い流れですよね。

松原:タイ代表とのゲームは格の違いを見せてくれました。本当に選手の力もサッカーの中身もレベルが高いなと思いました。圧倒しましたね。

新城:そうすると、アジアカップも期待を持って我々見ることができそうですね。

松原:森保監督は以前は「ワールドカップのベスト8が目標」と言ってましたが、今は優勝を目標にしています。世界のトップを意識している。

そんな中で、今回のアジアカップはワールドカップと同じ大会方式で行われます。日本代表は決勝トーナメントの戦い方に一つ難しさを抱えていて、ベスト16の壁を破れていません。なので、このアジアカップは「どんな準備をすればいいのか」という良いシミュレーションになると思います。

新城:そういうことなんですね。日本代表には、昨年ドイツ代表にしっかりと勝ち切ったという自信が間違いなくありますよね。

松原:ここは本当に大きいですね。森保監督がワールドカップ優勝を目標に掲げ、選手の意識改革も進んでいます。多くの選手が欧州のビッグクラブの中心選手になってきていて、かなり意識は変わりましたね。

新城:そういった選手の中で、三笘薫選手(ブライトン)や久保建英選手(レアル・ソシエダード)のケガの具合が心配ですよね。

松原:ただ堂安律選手(フライブルク)らウイング系の選手がゴロゴロいますから。

新城:そうですね。日本代表の最激戦区ですよね。

松原:今の日本代表はあそこのポジションが一番豊富。優勝を狙うには、ファーストストライカー、トップの選手が必要になるでしょうね。

ジュビロ磐田はJ1定着に向けて積極補強


新城:アジアカップが終わると、すぐにJリーグが開幕します。あっという間ですね。まずはJ1に昇格したジュビロ磐田からうかがいます。外国人を積極的に補強して意欲的だなという印象です。期待したいポイントは。

松原:やはり現場とフロントの両輪のところが大切です。先日たまたまジュビロ磐田の藤田俊哉スポーツダイレクターとやり取りをしたら、藤田さんはオランダにいました。チームを強くするためのフロントの動き、マネジメントの部分もしっかりできています。

横内監督も2年目に入り、三浦文丈コーチや川口能活キーパーコーチもチーム状況は分かっています。まずは高望みせず、しっかりJ1に定着すること。これが大事だと思います。

J2清水エスパルスはスタートダッシュに期待


新城:そして、新体制をすでに発表したJ2の清水エスパルスと藤枝MYFCがJ1昇格を目指していきます。まず清水エスパルスの新体制発表などを見て、ここまでどんな印象をお持ちですか。

松原:GMが代わり、コーチングスタッフも秋葉監督が自分の仲間を連れてきて「秋葉ファミリー」のような形になりました。選手補強に関しても、そもそもエスパルスは選手のレベルがJ1ですから。なので、僕は最初のスタートダッシュを大いに期待しています。

新城:藤枝MYFCはいかがですか。

松原:藤枝MYFCは、須藤監督の志向するアタッキングサッカーは素晴らしいと思うんですね。ただ、バジェット(強化費)はJ2の中でも一番下の方なんです。だから、いかに須藤監督のやりたいサッカーに対して、ちゃんと選手を用意できるか。フロントのサポートは大事だと思いますね。

新城:背番号10を付けていた横山暁之選手がジェフユナイテッド市原・千葉に移籍してしまいました。どういった補強が行われるのか、気をもんでいるファンも多いでしょうね。

松原:選手を育てて売っていくというクラブでもありますからね。そのクラブのベースを今後どう築いていくかは大事だと思います。

新城:そして、今シーズンも中山雅史監督が率いるJ3アスルクラロ沼津。こちらはいかがでしょう。

松原:中山さんのフットボールはイメージと全然違ったんですよ。もっと縦に早くて、ギュンギュン背後に抜け出すようなフットボールかなって思ってたんですが、しっかりボールをつなぎながら前進していくようなフットボールなんですよね。

新城:なるほど。

松原:昨シーズンは途中から順位がちょっと下がってしまいましたが、1年の積み重ねはすごく大きいと思います。藤枝MYFCと同じく、中山さんのフットボールを体現していくための補強が重要になる。フロントがどう後押ししてくれるか、がまずポイントじゃないでしょうか。

新城:どういった顔ぶれが揃うのかに注目ですね。

松原:僕の同級生で、今年50歳になる伊東輝悦選手も契約更新しましたね。

新城:鉄人ですね。今年も松原さんとサッカーのお話をするのを楽しみにしてます。

松原:一緒に静岡サッカーを盛り上げましょう。

※2024年1月8日にSBSラジオ「IPPO」で放送したものを編集しています。
今回お話をうかがったのは……松原良香さん
東海大一高(現東海大翔洋高)卒業後、ウルグアイのクラブを経て1994年にジュビロ磐田入り。96年には清水エスパルスでプレーした。各年代の日本代表を経験し、96年アトランタ五輪ではブラジルを撃破した。
シズサカ シズサカ

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