
【サッカージャーナリスト・河治良幸】
7月に韓国で開催されるE-1選手権は“森保ジャパン”にとって、6月シリーズで最終予選が終わり、来年の北中米W杯に向けたラストスパートに入る段階で、Jリーグで活躍する国内組をテストする絶好のチャンスでもある。
いわゆる国際Aマッチデーに該当しないため、これまで通りの方針であれば“オール国内組”となるが、森保一監督は招集可能な範囲で、ここまでなかなか招集できていない海外組が入る可能性もあることを示唆した。
今回は静岡県勢に限定して、E-1選手権に挑むメンバーを選んでみた。なお、大会に招集できる人数は判明していないが、カタールW杯や昨年のアジアカップと同じ26人。システムはリアル“森保ジャパン”と同じ3−4−2−1にした。
静岡県勢E-1選手権メンバー
GK牲川歩見(浦和レッズ)
阿部航斗(ジュビロ磐田)
川島永嗣(ジュビロ磐田)
DF
高木践(清水エスパルス)
江﨑巧朗(ジュビロ磐田)
立田悠悟(ファジアーノ岡山)
犬飼智也(柏レイソル)
北爪健吾(清水エスパルス)
森下龍矢(レギア・ワルシャワ)
木本恭生(FC東京)
伊藤槙人(横浜FC)
鈴木準弥(横浜FC)
吉田豊(清水エスパルス)
MF
松本昌也(ファジアーノ岡山)
上原力也(ジュビロ磐田)
宇野禅斗(清水エスパルス)
鹿沼直生(徳島ヴォルティス)
古川陽介(グールニク・ザブジェ)
乾貴士(清水エスパルス)
浅倉廉(藤枝MYFC)
名古新太郎(アビスパ福岡)
FW
植中朝日(横浜F・マリノス)
塩浜遼(ロアッソ熊本)
北川航也(清水エスパルス)
山下諒也(ガンバ大阪)
後藤啓介(アンデルレヒト)
GK

川島永嗣(左)と阿部航斗
GKは浦和のセカンドキーパーながら、ハイレベルな資質を持つ牲川歩見に磐田勢の阿部航斗、川島永嗣を加えて構成した。牲川と阿部は攻撃的な3バックの背後を幅広く守るのに適したタレントであり、川島は4度のW杯に選ばれた抜群の経験値、42歳の現在も維持するセービング能力を重視した。
DF

(左から)高木践、立田悠悟、江﨑巧朗
3バックは富士市の出身で、FC東京の最終ラインで主力を張る木本恭生、磐田のアタッキングフットボールを幅広く支える江﨑巧朗、173センチのサイズながら人並外れた身体能力で、センターバックとサイドバックを兼任する高木践というセットに。
ここに浜松市の出身で、新天地の横浜FCで主力に定着する元磐田の伊藤槙人、柏のキャプテンである清水アカデミー育ちの犬飼智也、岡山でハイアベレージな守備を見せている立田悠悟を加えた6人で構成した。
右ウイングバックは攻守にハードワークできる北爪健吾と、守備能力が高く正確なクロスとロングスローも持ち合わせる沼津市出身の鈴木準弥という二人に。

北爪健吾(左)と吉田豊
左は“森保ジャパン”経験者で、ポーランドで飛躍的な活躍を見せている磐田ユース育ちの森下龍矢を海外組からピックアップ。さらに9年在籍した磐田からJ1初昇格の岡山に移籍し、短期間で木山隆之監督の信頼を掴んだ松本昌也を選んだ。松本は静岡生まれではないが、JFAアカデミー福島が2011年の東日本大震災で活動拠点を一時移転した御殿場で過ごしており、キャリア形成に大きく影響したことを明かしている。
左右のポリヴァレントで、百戦錬磨のファイターである吉田豊には相手のサイドアタッカーを必ず潰し切る守備など、プレー面はもちろん、精神的な支柱としての役割も期待したい。全く同じキャラクターというわけではないが、チーム内で果たす立ち位置として、リアル“森保ジャパン”の頼れる兄貴分である長友佑都を多少オマージュしているところもある。
ボランチ

(左から)上原力也、名古新太郎、宇野禅斗
“チームの心臓”であるボランチは静岡県勢のタレントも多く悩ましかったが、町田から完全移籍し、清水で大きく成長を見せている宇野禅斗、昨シーズン鹿島でキャリアハイの5ゴール9アシストを記録し、現在は福岡で可変性の高いスタイルで重要な役割を担う、静岡学園出身の名古新太郎というファーストセットに、同じシズガク育ちで、J2徳島で中盤の軸として評価を高めている元磐田の鹿沼直生、そして伊東市の出身で、長らく磐田の中盤を支える上原力也という4人の構成になった。
2シャドー

(左から)浅倉廉、乾貴士、植中朝日
2シャドーは個性的なタレントが揃う静岡県勢自慢のセクションだ。J1昇格の立役者で、清水の攻撃を司る象徴的な存在となっている乾貴士を筆頭に、JFAアカデミー福島の出身で、相手陣内を噛み回しながらゴール前で決定力を見せる植中朝日、磐田から渡ったポーランドの地でドリブルやフィニッシュに磨きをかけ静岡学園出身の古川陽介、磐田のアカデミー育ちで、国内最速レベルのスピードを武器に、ガンバの前線で躍動する山下諒也、そして二枚目と中盤のポリヴァレントとして浅倉廉を抜擢した。
FW

(左から)後藤啓介、塩浜遼、北川航也
FWは代表経験もある北川航也がエースストライカー的な存在で、ベルギーの名門アンデルレヒトで成長を続ける“磐田の星”後藤啓介を古川、森下とともに海外組から選んだ。もう一人は静岡学園の出身の塩浜遼だ。昨シーズン16得点でJ3ベストイレブンに輝いた福島から、J2のロアッソ熊本に移籍。ここまで5得点を記録するなど、順調なステップアップを見せている。
ポテンシャルは高く評価しながら、現在のパフォーマンスなどを見極めて選外としたタレントもいるが、この記事をフックとして、ぜひ読者の皆さんも自分だけの“静岡県勢”E-1選手権メンバーを妄想してほしい。