
静岡市が清水港に整備を予定していた海洋文化施設の計画が白紙となり影響が広がっています。
建設予定地の隣で民間の水族館をオープンさせる会社の代表は「新たな施設をつくり盛り上げてほしい」と話します。
<柴田寛人記者>
「セミクジラの全身骨格標本です。所々、経年劣化が見られ、黒ずんでいる様子が分かります」
松崎町にある雲見くじら館です。1977年、駿河湾に現れた体長11.5メートルのセミクジラの骨格標本が展示されています。
日本に数点しかない標本で、維持管理の観点から静岡市の海洋文化施設に移設される予定でしたが、今回、行き場を失いました。
「物価高騰に対して市も事業者も対処する方法がない」
<静岡市 難波喬司市長>
「これ以上協議をしても合意に達する可能性は非常に低いと考えられます。したがって、やむを得ずSPC(事業者)との契約を解除する方向で協議を進めることといたします」
難波市長は先週、清水港で整備を予定していた「海洋・地球総合ミュージアム」について事業者と契約解除に向けた協議に入ると発表しました。
ミュージアムは前の市長の「肝いり事業」として2014年に構想が持ち上がり、2023年、東京の企業を代表とする事業者グループと契約を結びました。
静岡市は建設費を含む170億円を負担する予定でしたが、物価高騰の影響で建設費が70億円以上膨らむ見込みとなり、事業者と負担割合について協議を続けてきました。
<難波市長>
「物価高騰に対して市もSPC(事業者)も対処する方法がないということです」
市は2026年3月、追加負担できる上限額として約32億円を提示しましたが、事業者側は「事業の継続は不可能」と回答。
これを受けて静岡市は契約解消に向けた水面下の協議を進めています。
構想から12年を経て白紙に
構想から12年を経て白紙となった海洋文化施設。建設予定地の隣では河津町の動物園「iZoo(イズー)」を運営するレップジャパンが新たな水族館「ZooZooSea(ズー・ズー・シー)」のオープンを予定しています。
<レップジャパン 白輪剛史社長>
「10年前の計画を今やっても時代遅れだしね。もう1回見直すのはいいのかなと私は思いましたけどね」
海洋文化施設との相乗効果が期待されていましたが、単独運営でも十分な集客が見込めるとしています。
<レップジャパン 白輪社長>
「『ZooZooSea(ズー・ズー・シー)』をつくるのに隣の土地が空き地のままでは寂しいし、何かしらの施設ができれば盛り上がると思っていますから、関心を持って注視していきながら協力できることがあれば協力していきたいし、興味を持ってみていきたいなと思っています」
「構想自体が白紙になるわけではない」
12年にわたる計画が白紙となりましたが、契約解消はスムーズに進むのでしょうか。
難波市長は会見で市の負担上限額を示した際の事業者側の回答について「内容はかなり厳しいもの。対立ではなく見解の相違がある」と述べました。
市は、事業が遅れた大きな要因に水生生物の飼育を担当する予定だった東海大学との協議が難航したことを挙げ、責任は事業者側にあるとしています。
一方、事業者側はSBSの取材に対し、「市とSPCは事業の成立性について、同じテーブルで検討を重ねてきた。今後についても引き続き、市と協議をしていく」とコメントしています。
難波市長は建設予定地の今後の活用について明言しませんでしたが「構想自体が白紙になるわけではない」としていて、今後どのようなビジョンを描くのか注目されます。










































































