
「災害」をテーマに2025年を振り返ります。2025年は災害レベルの厳しい暑さや国内最大級の竜巻など、自然の猛威に翻弄され続けた1年でした。
教訓や課題を未来につなげ、備え続ける意識が強く求められています。
緊張走った「津波警報」

7月30日、カムチャツカ半島付近を震源とする大地震が発生し、県内にも緊張が走りました。
沿岸部に津波警報が出され、約8000人が避難。下田港では60センチの津波を観測しました。
全国歴代2位「41.4℃」

命にかかわる危険な暑さは、まさに災害級でした。 8月6日、静岡市駿河区で全国歴代2位タイとなる最高気温41.4℃を観測しました。あまりの暑さに、取材した記者も...
<荻野旦記者>
「足場は砂場になっており、立っているだけでも…アツ!すぐに水に入りたくなるような暑さです」
夏の平均気温は平年と比べプラス2.36℃で統計史上最高となり、気象庁は「数十年に一度レベルの異常気象」との見解を示しました。
浜松で猛烈な雨、浸水被害
8月16日には、浜松市で1時間に100ミリを超える猛烈な雨が2回観測され、天竜区の船明(ふなぎら)地区では50軒以上の浸水被害が確認されました。

<自宅が床上浸水した人>
「外はここ。(水深は)50センチはありましたね。『よその話だ』と思っていたら自分の所に(被害が来た)」
今年の漢字は「熊」 県内でも目撃170件
2025年の漢字に選ばれたのは「熊」。全国で13人が死亡するなど災害級のクマ被害が相次ぎました。

県内でも2025年度の目撃情報は約170件あり、富士宮市の小学校ではグラウンドで足跡が見つかりました。
クマに対する経験不足をどう補うか。
こうした事態を受け、11月27日には警察や市の職員などが緊急銃猟の訓練に臨みました。
「全壊」だと思ったのに…判定の壁
そして9月に発生した「国内最大級」の竜巻はまちの姿を大きく変えました。

9月5日、台風15号の影響で静岡県牧之原市から吉田町にかけて発生した国内最大級の竜巻。推定風速は約75メートルに達し、吉田町で1人が死亡、牧之原市では住宅など1300棟以上に被害が出ました。
公的支援などを受けるうえで必要な「被害認定調査」。その判定結果が、多くの被災者を悩ませています。

<被災者>
「ここの屋根が半分飛ばされて、雨が入ってきた。(判定結果は)全壊だと思ったが全壊にならないもんで」
仮に一部分に大きな被害が出ていたとしても、その他の場所の被害の程度によっては「全壊」の判定が出ないケースがあり、複数の住人が再調査を依頼する事態となりました。
<再調査を受けた住民>
「20点以上で『半壊』だったので、家を調べてもらったら19点だった。切ないですよね。あと1点あれば、もらえる補助が変わるので、倍くらい」
わずかな点数の差で支援の額が大きく変わる現実に、住民はやりきれない思いを抱えています。
20ヘクタールの倒木がそのままに
<荻野旦記者>
「牧之原市の中でも被害が大きい時ケ谷地区です。竜巻の被害から3か月が経っていますが、こちらの森林は発災当時のままで、なぎ倒された状態となっています」

課題は住宅だけではありません。牧之原市の中では、約20ヘクタールにわたる森林の倒木が、発災当時のまま手つかずで残されています。
12月18日に開かれた住民説明会。県は緊急性の高い森林0.9ヘクタールの整備を来月(2026年1月)下旬から始めると発表しましたが、これは全体のごく一部に過ぎません。そのほかの森林は整備のメドが立っておらず、住民からは二次災害を心配する声が相次ぎました。
<参加した住民>
「あそこも木も根っこごと倒れている。そのまま放置される?」
<県志太榛原農林事務所 矢島匡章農山村整備部長>
「先ほども説明したように災害対策事業とか、そういったものも含めて、『森の力再生事業』がどこでも万能にできる事業ではないので…」
<参加した住民>
「ただ確実に雨が降れば、崩れると思うよ」
「二次災害の危険性が高いんじゃないかなと自分も、多くの住民も思っているので、その森林の整備が未定だというところに納得がいかない」
発災から3か月半が経ちましたが、課題が山積みとなっています。








































































