
経営難や災害で苦しむ大井川鉄道で「ブルートレイン」を再現した列車が走り出しました。仕掛けたのは「ローカル鉄道の再生請負人」こと鳥塚亮社長。さまざまなアイデアで創立100年の歴史を次の100年につなげます。
山あいを駆け抜けるブルーの客車。11月、大井川鉄道で営業運転を開始した「12系客車」です。運行初日となった11月16日には、多くの鉄道ファンが駆け付けました。
<富士市から来た人>
「いつ動いても大丈夫なようにずっと構えている。ブルートレイン、昔はよく走っていたけど、今は全く走っていなくて、いまこうやってまた走ってくれるのがうれしい」
「富士」のヘッドマークを付けてブルートレインを再現

かつて、東海道線を走っていた「ブルートレイン」。2009年に東京と九州を結んでいた寝台特急「富士・はやぶさ」が引退し、県内を走る「ブルートレイン」は姿を消しました。

大井川鉄道では今回、国鉄の機関車風に塗装した電気機関車に「富士」のヘッドマークを付け、ブルートレインを再現しました。企画したのは2024年6月、社長に就任した鳥塚亮さんです。
<大井川鉄道 鳥塚亮社長>
「鉄道って、子どもたちみんな目を輝かせるじゃないですか。ワーワーって大喜びじゃないですか。『赤字』だとか『お荷物』だとか、それって何か間違ってる」
東京都出身の鳥塚社長。これまでに千葉県の「いすみ鉄道」と新潟県の「えちごトキめき鉄道」で社長を務め、経営に苦しむローカル鉄道をさまざまなアイデアで立て直したいわば「再生請負人」です。
<鳥塚社長>
Q. 線路が見える位置に社長席が?
「そうそう、ここが一番良い、特等席。社長室、そっちにあるんだけど、『俺、大部屋でいいよ』って、ここならよく見えるから」
会社設立からちょうど100年となる2025年。7月にJR西日本から廃車予定だった12系客車を譲り受け、整備を進めてきました。昔懐かしいブルーの客車を大鉄の新しいシンボルにしようとしています。
<大井川鉄道 鳥塚亮社長>
「機関車、3月の終わりに実現した。これ座席なんです。いまここなんですよ。ここまで来た。ここから食堂車をつないでA寝台、B寝台ってつないで、だんだんこう広げていく」
Q. 地域にとってはどんなメリットがある?
「やっぱり憧れの列車が走ってる地域って東京、大阪の人から見たらあそこ行ってみたいってなるから、少しでも静岡っていうもの、沿線っていうものを注目していただければ、時間はかかるんですが、そういう貢献度というのは必ずあると思う」
コロナ禍以降、赤字が続く大井川鉄道。3年前(2022年)の台風の被害で、現在も川根温泉笹間渡駅と千頭駅の間は運休となっています。さらに、設備の老朽化も深刻です。
「夢はみんなで一緒に叶えていく」

一人でも多くの人に大鉄に乗ってほしい。
アイデアを次々と形にし、2024年12月には、旧型客車とSLによる夜行運転を行いました。また、12月に開催する食堂車のイベントには県内で弁当やおでんを販売する「天神屋」が協力。揺れの少ない12系を走らせ、これまで出してこなかった温かい汁物の提供にも挑戦します。
ブルートレインの復活と全線の復旧。鳥塚社長は2つの目標の実現に奔走します。
<鳥塚社長>
「『大井川鉄道、早く復活してください』みんな言うんですよ。『50年前から汽笛が鳴り響いてるんだと自分たちの町に。いまその汽笛が聞こえないんだ』と。やる気のない会社が新しい車両導入しません。だから、これは我々がやるんだぞというシンボルなので。夢は一緒にみんなでね、一緒に夢を叶えていきたいと思います」
大井川鉄道は、まずは下泉駅までの2年以内の部分復旧を目指し、全線開通は2028年度を目指すとしています。







































































