
夏の味覚、高級ブドウの「シャインマスカット」が厳しい暑さの影響を受けています。変わらないおいしさを届けるために、生産者は日々、努力を重ね、異常ともいえる暑さと向き合っています。
静岡県浜松市のフルーツパーラーです。この時期の人気メニュー、シャインマスカットをふんだんに使ったパフェを2025年は8月30日から販売します。主役のシャインマスカットは、山梨県の農家から直接仕入れています。
<フルーツパーラーTASTAS 柘植亨将社長>
「色づきにムラはあるんですけど味自体は十分においしいです。噛んだ瞬間にはじける甘さと香りが格別においしい」
旬を迎えたシャインマスカットですが厳しい暑さの影響で、名産地・山梨では2025年、異変が起きました。
<ブドウ農家 古谷崇さん>
「これはピオーネで、西日が直接当たるところが全部焼けている状態。梅干し状になる」
山梨県甲府市のシャインマスカットやピオーネなどを育てる農園です。2025年6月、季節外れの異例の暑さによりブドウの粒が変色する「日焼け」が発生しました。
<古谷さん>
「ここまでひどい日焼けは10年ぐらいで初めて」
静岡県内でも、異常ともいえる暑さが生産者を悩ませています。浜松市浜名区の三ケ日地区にある清水さんの農園です。2025年は暑さへの対策を強化して夏を迎えていました。
<清水義孝さん>
「今年西日が強くて土が乾くところはこの配管で補っています」
水をまくための配管を西日がよく当たる場所に増設。水をまく日を2024年から倍に増やし、ハウス内の温度を適温とされる30℃に近づける努力を続けてきました。しかし、一部の房は実のなり方にばらつきが出たといいます。
<清水さん>
Q.生育、糖度の高まりは例年と比べて今年は?
「ちょっと鈍いですね。暑さもあって人間も体が『えらい(大変)』のと一緒で、ブドウもたぶん『えらい』のだと思います」
出荷は例年と比べ10日程度遅れているといいますが、量や品質はこれまで通りのものができたといいます。
人間と同じく果物も夏バテ気味ですが、生産者は変わらぬ味を届けるために努力を続けています。