
静岡県下田市に住む防災士の女性らが、「防災クラブ」を結成しました。イベントなどを通じて防災を楽しみながら日常に取り入れようと活動しています。
「下田防災クラブ・イマジン」のメンバー4人です。メンバーが取り組んでいるのはペットボトルを使った非常時の照明づくりの実験。8月に開催するイベントに向けての準備です。クラブのモットーは、「防災を楽しむ」。災害発生時は楽しむことはできませんが、平時には、楽しみながら災害への備えを継続することが大切だと考えています。
<「下田防災クラブ・イマジン」 渡辺恵代表>
「なかなか重い腰が上がらない、第一歩目が上がらないものだと思うんですけど、それ(=防災)を楽しいことと組み合わせることで、長く続いたりとか、みんなでニコニコしながら、今は平時なので、頑張ってやっていけたらなと」
代表の渡辺恵さんです。渡辺さんは能登半島地震の被害に「同じ半島の伊豆に住む私たちも人ごとではない」と実感。「自分にできることはないか」と県の防災士の資格を取得して2025年、下田防災クラブ「イマジン」を結成しました。名前には、「災害への対応には『想像力』が大切」との思いが込められています。
<渡辺代表>
「自分たちがいざ、被災した時のことも想像しておくということが、大事なんじゃないかなあと思っています。それには、いろんな情報を得たりとか、まずは防災というところに触れてみる。これが想像する第一歩になるんじゃないかなと」
7月10日、渡辺さんは子育て世代を対象に防災講話を開きました。
<渡辺代表>
「大切な人のために備えようということですね。お子さんを守れるのは皆さんしかいない。お子さんは備えられないので、おむつでもミルクでも何でもいいです。まず始めてみることが大切だと思います」
講話の後は気軽に防災に触れてもらおうと、暗闇でキラキラ光るオーナメントを親子で作りました。日頃からこのオーナメントで遊んでもらうことで災害時の暗闇でも子どもたちが不安にならないようにという狙いです。
<参加者>
「防災というと、ちょっと難しいイメージだったんですけど、楽しく気軽に備えていきたいなと思いました。(オーナメントは)私でも簡単に小さい息子も一緒に楽しく作れて、これだったら災害の時でも気持ちを明るくいられるかなと思います」
渡辺さんは今後も、イベントや体験を通して、防災を日常に溶け込ませるきっかけをつくりたいと力を込めます。
<渡辺代表>
「自分自身、(以前は)防災について誰に聞いていいのか分からなかったので、講話とかいうと、難しすぎるなとか、少しハードルが高いなというイメージがあったので、ぜひ賀茂地区に今までなかった、母親世代に対する防災が広められたらなと考えています」
「下田防災クラブ、楽しむぞ!オー!」
ペットボトルを使った発光実験は、8月21日に下田市立中央公民館で開かれる「防災のふしぎ大実験会」で披露される予定です。
このイベントは小学4年生から中学生を対象にしていて、「竹ランタンづくり」とのコラボ企画にもなっています。