
オウム真理教による松本サリン事件から6月27日で31年。長野県松本市の事件現場に設置された献花台には、2025年も多くの人が花を手向けました。当時23歳の息子を失った静岡県掛川市に住む女性は、献花台設置を「ありがたい」と語り「悲劇があったことは伝えていってほしい」と訴えます。
松本市内の事件現場周辺に設置された献花台には、多くの人が花を手向け、犠牲者を悼みました。
<献花に来た人>
「忘れられない事件だったし、献花台もあるということで来ました。辛かったと思うから静かに休んでほしい」
1994年6月27日深夜、松本市の住宅街で起きた「松本サリン事件」。猛毒のサリンがまかれ、8人が死亡、約600人が重軽症を負いました。
掛川市に住む小林房枝さん、83歳です。当時23歳だった次男の豊さんを亡くしました。長期出張のため現場近くのアパートで暮らしていました。
<小林房枝さん>
「31年になりますけど、私たちにとっては、もう毎年があの日なんですよね。もうその朝が来る恐ろしいっていうような本当に思い出す。今、あの子がいたらどんな生活をしていただろう。私たちの生活もたぶん、少しは変わった生活になっていたと思う」
2024年、町会によって初めて設置された献花台。
<元町会長 後藤芳孝さん>
「事件が継承されて亡くなった方への慰霊も続いてほしいです」
小林さんは、設置を提案した元町会長に手紙で感謝の気持ちを伝えたといいます。
<小林さん>
「本当にあの、忘れてはいけないという思いを持っていただいているということが、伝わってきました。本当にまだ忘れていない方がたくさんいらっしゃることが本当に驚きとともに感謝ですね。ありがたいと思います」
世界で初めて市街地が標的となった化学テロ、松本サリン事件から31年。
<小林さん>
「やはり悲劇があったということは伝えていってほしいと思いますね」