
静岡県富士市にある新鮮な海の恵みを味わえる港の食堂で、「紙のまち」らしい環境に配慮したあるものが登場しました。
午前7時過ぎ、富士市の田子の浦港に採れたてのシラスが水揚げされます。市場にテーブルとイスが並ぶ漁協の食堂は、この連休中も大人気。お目当ては何といっても鮮度抜群の生シラス丼です。
今回のSDGsの主役は、シラス丼を載せているベージュ色のお盆。
<田子の浦港漁協食堂 古江奈津子さん>
「このトレーは、日本製紙が紙の材料を使って、『セルロース30%』って書いてあるんですけれど、その材料を使って作ってくれたものです」
Q.『セルロース』って何ですか?
「『セルロース』…って何ですかね」
手がけたのは紙のまち・富士市に工場を構える日本製紙です。
このトレー、石油から作られるプラスチックでできていますが、その一部を紙の原料・パルプからできた「セルロースパウダー」に置き換えています。その名も「バイオコンポジットトレー」。
<日本製紙 バイオマスマテリアル販売推進部 望月勇志部長代理>
「セルロースパウダーがこちらのものになります。従来ですとプラスチック100パーセントで作っていたものを、今回の場合ですと、セルロースを30パーセント置き換えることによって、プラスチックの使用量を30パーセント減らすことができる」
木材チップを加工して作られる紙の原料・パルプ。このパルプを細かく砕くと、木の細胞や繊維の成分「セルロース」の粉末になります。セルロースを樹脂に30%ほど混ぜた複合材にして強度を高めました。さらに…
<望月部長代理>
「セルロースというのは木材の主成分となりまして、地球上に存在する1番大きなバイオマス素材となっております」
植物由来の資源を有効活用してプラスチックの使用量を減らす「地球にやさしい」トレー。温室効果ガスの排出削減も期待されています。
<利用客>
「セルロース?セルロースって植物なの。へぇ、知らない、全然」
「いいと思います。地球にやさしくて」
<望月部長代理>
「どうもー、いろいろありがとうございました。使わせてもらってます」
日本製紙が地域貢献として食堂に寄贈しました。紙のまちで始まった新たな取り組みは、つくる責任、つかう責任を一歩前に進めます。
<古江さん>
「環境にやさしいものを海辺のところで使うことで、皆さんの意識も高まってくると思いますので、これからもずっと使っていきたいと思います」