「小さい子どもは症状が非常に強くなる」“百日ぜき”の流行止まらず 患者数は3週連続で過去最多 対策は…ワクチン、早期受診、マスク=静岡

症状が長く続くことから「百日ぜき」と呼ばれる感染症の流行が止まりません。全国の医療機関から報告された患者数は3週連続で過去最多、静岡県内も急増しています。乳児が感染すると死亡する恐れもある百日ぜきの症状や対策について専門家に聞きました。

<たはらクリニック・田原卓浩院長>
「百日ぜき菌という細菌感染のひとつだが、病名が示すように、大変せきが長く続くという、また、特に小さいお子さんがかかると症状が非常に強くなります」

山口県山口市の小児科医・田原卓浩医師は、コロナ禍でしっかりと対策をしたため、感染症に対する抗体が減り、体の防衛機能が落ちたことが流行の要因のひとつと指摘します。

全国で4月13日までの1週間の患者数は1222人。過去最多だった前の週を500人上回り、国がすべての患者数を確認するようになった2018年以降、最も多くなりました。また、静岡県によると、静岡県内では4月13日までの1週間で21人が感染。前の週の5人から急増しています。

<静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「県内では、小学生から中学生ぐらいの年代、5歳から14歳の年代が百日ぜきの患者さんの半分ぐらいを占めているという状況。そういったお子さんのいる家庭の下の年が離れた赤ちゃんがいるかが1番心配」

「百日ぜき」は、飛まつや接触が主な感染経路とされ、一般的に7日から10日ほどの潜伏期間を経て、次第にせきが増え、けいれん性の激しいせきも出始めます。2か月から4か月で回復しますが、重症化すると小さい子どもなどは死に至ることもあり、4月に入り、都内の病院では、百日ぜきに罹った生後1か月の女児が死亡したことが明らかになっています。

この「百日ぜき」、具体的な対策はあるのでしょうか。

<静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「今は『5種混合ワクチン』というワクチンの中に、百日ぜきのワクチンが入ってますので、それを生後2か月になったら、すぐに打っていただきたい」

また、小・中学生や大人が心掛けたい対策は「早期受診」と「マスク」です。

<静岡県感染症管理センター 後藤幹生センター長>
「普通と違う咳の出方をしてると思ったら、早めに受診していただくということが、ご本人を守るためには重要と思います」

後藤センター長によりますと、百日ぜきは昔から「春先と秋口に流行する」と言われてきました。このゴールデンウィークで人がかなり移動することで、流行地域から持ち込まれてくる恐れもあり、しばらくは感染者が多い状態が続くのではないかということです。あらためて、手洗いやうがい、場所によってはマスクをつけることも大切です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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