
浜松西署によると、同区舘山寺町の小学2年の女児(8)が全身を強く打って死亡し、8歳女児の小学4年の姉(10)が頭などを打ち意識不明の重体。ほかに小学4年の10歳女児2人が足に軽傷を負ったという。
関係者によると、軽トラックは下りの右カーブ区間で道路左側にはみ出し、擁壁に衝突した。目立ったブレーキ痕はなかったとされる。路側帯を走行していた自転車4台のうち、縦列の後方に位置していた8歳女児と姉の2人が、衝突後に車体の下に挟まれたとみられる。
4人は、8歳女児と姉の自宅で一緒に遊んだ後、自転車で外出した際に事故に遭ったという。県警が事故原因を調べている。
地域住民らによると、容疑者は過去に自治会長を務め、明るく社交的な人柄。容疑者をよく知る男性(77)は「8年ほど前に病気で入院したことはあったが、事故の2日前に会った時は元気そうだった」と話した。
県警は同日、容疑を過失致死に切り替えた上で、容疑者の自宅を家宅捜索した。
現場周辺では同日、周辺警察署などの白バイが巡回した。県警は27日までの3日間、県内全域で交通指導や取り締まりを強化する。
■「許せない」突然の別れ、悲しみ広がる
春休み中の児童を襲った痛ましい事故。亡くなった小学2年の女児(8)は、姉や友達と一緒に遊びに出かけていた最中だった。3年生への進級を目前に控えた時期の突然の別れに、悲しみが広がった。
「『また来るね』と言ってくれた顔が頭から離れない」。取材に応じた女児の祖母は、言葉を詰まらせた。事故前日、近くに住む祖母の元を訪れ、笑顔で別れたのが最後になった。「(容疑者を)許せない。3年生になるところで、人生これからだったのに」と悔しさをにじませた。
事故から一夜明け、現場には同級生や地元の住民が献花に訪れた。
女児の同級生(8)は一緒に遊んだ思い出を振り返り、「クラスは違ったけど明るい子だった」とうつむいた。「あの子は黄色が好きだったと思うから」と自分で選んだ黄色のフリージアの花をささげ、「ゆっくり眠ってほしい」と静かに手を合わせた。