
日本代表は後半21分、鎌田大地(28)=クリスタルパレス=のゴールで先制。同42分に久保建英(23)=レアル・ソシエダード=が追加点を決めた。
静岡県勢はけがから復帰した伊藤洋輝(25)=バイエルン・ミュンヘン、磐田ユース出=が先発フル出場で勝利に貢献。旗手怜央(27)=セルティック、静岡学園高出=はベンチ入りしたが出番はなく、関根大輝(22)=スタッド・ランス、同校出=はメンバー外だった。
日本代表は最終予選6勝1分けで勝ち点19とし、3試合を残してC組2位以上を確定させた。3試合を残しての出場決定は日本史上最速。W杯本大会は来年6月に開幕する。
■代表に静岡県勢3人 伊藤、旗手、関根
アジア最終予選で無類の強さを誇ったサムライブルーの戦いぶりに、静岡県内サッカー関係者は日本代表の本選での活躍と、静岡県の王国復活への足掛かりを期待した。
最終予選で日本と同組だったオーストラリア出身で、J2ジュビロ磐田のジョン・ハッチンソン監督(46)は「日本がこれまでやってきた選手育成など、なぜアジアナンバーワンになったのか、日本で仕事をして分かった」と感嘆し、「コンディショニングやフィジカルを改善できれば、W杯でも手ごわいチームになる」と予想した。
今回の代表27人のうち10人が高校サッカー出身だが、複数選手の輩出は静岡学園高だけ。全国高校選手権優勝メンバーでJ2藤枝MYFCの浅倉廉(23)は、先輩の旗手、高校と大学で1年後輩の関根の代表入りに「静学で身に付けた力は必ずJリーグ、世界で通用するはず。判断力、コンビネーションを組み合わせれば、他の選手との違いを生み出せると思う」と自身も刺激を受けている。
「代表の半分近くを占めていた以前に比べれば寂しい限り」と指摘するのは静岡県サッカー協会の大榎克己会長(59)。同協会の取り組みとして「目先のこと以上に、少子化が進む中、普及にもっと力を注がないと10年、20年先は悲惨なことになる。そうした活動を地道に続けていく」との方針を示す。J1清水エスパルスの秋葉忠宏監督(49)も、海外クラブ所属の選手が大半を占める日本代表の現状に「Jリーグにもいい選手がいるぞと見せられるように頑張りたい」と静岡県からのアピールを誓った。