PK戦で初戦突破を決め、喜ぶ浜北西イレブン。左がゲーム主将の都築祐太(8)
<静岡県高校総体1回戦 浜北西 0−0(PK6−5) 静岡 5月17日・ゆめりあ>
0−0のまま突入したPK戦。静岡の6人目のキックがゴール上に外れると、浜北西イレブンがGK阿隅颯也(北浜中出身)の胸に一斉に飛び込んで歓喜の輪をつくった。
浜北西の県総体での勝利は2007年以来、実に18年ぶりだ。「自分たちの代は新人戦からほぼ負けていて、史上最弱と言われていたぐらいだった。県大会で1勝できてうれしい」。ゲーム主将のMF都築祐太(浜松与進中出身)は新しい歴史を刻み、満面に笑みを浮かべた。
新人戦後に意識改革「やるべきことをやる」
冬の新人戦は地区予選1分け2敗で早々と姿を消し、県大会出場はかなわず。夏の総体を前に、チーム全員で意識改革を図ったという。「自分たちは技術では勝てない。それぞれやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやろうと」。球際やヘディングのはね返しで負けないように徹底している。
この日は後半10分過ぎに雷のため試合が中断し、再開したのは70分後だった。それでも浜北西は都築を中心に最後まで集中力を切らさず試合の主導権を握り続けた。ゴールこそ奪えなかったが、テンポの良いパスワークからシュートを放つシーンもあった。
3年生は15人で、そのうち約半分が今大会を最後に引退する予定。キャプテンマークを巻く都築も受験勉強に切り替えるため、負けた時点で高校サッカーにピリオドを打つ。
2回戦の相手は優勝候補に挙がる浜松開誠館だが、都築は「力は相手が圧倒的に上。でも自分たちのやるべきことをやれば戦えると思う。徹底していきたい」と力を込める。
浜北西は西部予選2回戦で昨年4強の聖隷クリストファーに2−2からPK勝ちを収めている。みんなで臨む最後の夏、再び番狂わせを起こすつもりだ。