<静岡県高校総体サッカー3回戦・5月24日 磐田東 0−0(PK4-3) 清水桜が丘>
県Aリーグの実力校が激突した注目の一番は磐田東に軍配が上がった。
1月の新人戦準々決勝は磐田東が延長の末、3−2で勝利。4月の県Aリーグは4−1で清水桜が丘がリベンジに成功した。この日は今季3度目の公式戦だった。
どちらが勝ってもおかしくない展開だった。磐田東は前半8分、FW高田心羽(2年、ブリンクFC)とMF遠藤有真(センアーノ神戸)が至近距離から立て続けにシュートを放つもネットを揺らせず。清水桜が丘も前半20分、右サイドの崩しからMF小林司(FC桜が丘)が仕上げを担ったがGKのファインセーブに遭い、絶好機を生かせなかった。
清水桜が丘、シュート数では上回るも…
後半に入っても一進一退の展開が続き、それほどゴール前のシーンは多くなかったものの見応えのある攻防が繰り広げられた。
磐田東は33分、途中出場のFW松尾亮弥(グローブス)が美しいジャンピングボレーを披露したが、惜しくもGK正面。清水桜が丘は終了間際、ケガで先発を回避していたエース田中莉安(FC桜が丘)がルーズボールを頭で合わせたが、わずかに枠を捉えきれなかった。
80分間のシュート数は磐田東が5本、清水桜が丘が7本。どちらもゴールを割ることができず、スコアレスのままPK戦に突入した。
先行の清水桜が丘は1人目と4人目のキックが枠外。磐田東は4人目のキックをGK小松澤亘希(2年、FC桜が丘)に止められたが、4人が決めて熱戦に終止符を打った。
清水桜が丘は、キャプテンのDF村上太郎(清水エスパルスジュニアユース)が前半終了間際に負傷交代したのも痛かった。
磐田東の石川主将「次は攻撃陣が応えないと」
磐田東の山田智章監督は試合後、「何をどう話せばいいか…。運しかない。ウチがたまたま勝っただけで、厳しかったですね」と苦笑いの中に安堵感をにじませた。
指揮官が準々決勝に向けて課題に挙げたのはビルドアップ。ボールを持っていない選手の動きが鈍かったためか清水桜が丘のマンマークに手を焼き、ボールをスムーズに運ぶことができなかった。イメージの共有や連動性を欠き、攻撃の糸口を見つけるのに最後まで苦心した。
磐田東は4−1−4−1の布陣。攻撃陣を牽引する2シャドーの加藤侍大(豊田AFC)と袴田琉聖(浜松東部中)、右MFの石川柚友(豊田AFC)の仕事ぶりが勝敗に直結する。
準々決勝の相手は今季プリンスリーグに昇格した東海大翔洋。石川は「翔洋にはずっと負けてきたので、リベンジしようという思いを全員が持っている。守備陣がゼロに抑えてくれているので攻撃陣が応えないといけない」と話し、山田監督は「次からは格上が相手。僕たちはチャレンジャーとして、どう食らいついていくか」と次をにらんだ。