>>>県高校総体サッカー3回戦結果 8強出そろう!聖隷が1-0で浜名撃破、富士東は袋井に2-0
8強入りを決めて喜ぶ富士東の選手=東海BOF
エース大倉匠が先制ヘッド
ベスト8入りを告げる主審の笛が鳴り響くと、疲労困憊の選手たちはその場にあお向けになって空を見上げ、喜びを噛みしめた。東部地区予選を7位で勝ち上がってきた富士東が実力校の袋井を2−0で撃破し、3回戦突破。同校のベスト8入りは1984年度以来、40年ぶりという。「信じられないです。信じられない試合が続いている。『選手は試合を通して成長する』とはよく言うけれど、本当にそうですね」。就任8年目の増田裕監督も目を見張る快進撃だ。
先制点を決めて喜ぶ富士東の大倉匠
富士東が均衡を破ったのは後半2分だった。コーナーキックの2次攻撃から、FW大倉匠(エスパルス富士出身)が左クロスを頭で叩き込んだ。「練習通りの形。クロスの質が良かったので、自分は触るだけだった」
後半21分には、相手のオウンゴールで追加点。その後は押し込まれる時間帯が増えたが、11人全員で袋井の攻撃に粘り強く対応した。先発GKの負傷で、前半17分に突然出番が回ってきた1年生のGK竹川乗(エスパルス富士)も最後まで落ち着いたプレーを披露。完封勝利に貢献した。
最終ラインを統率したDF冨永悠太主将は「正直勝てると思っていなかった。シュートは打たれはしたが、最後まで体を寄せることができたのが勝因だと思う」と胸を張った。
格上との練習試合を重ねて
富士東は新チームとなった昨年11月から、磐田東や常葉大橘、飛龍など県Aリーグに所属する格上との練習試合を重ね、自分たちの課題を見つけては克服する作業を繰り返してきた。2回戦の藤枝明誠戦は相手に圧倒的にボールを支配され、何度も守備ブロックを崩された。それでも11人全員で耐え抜き、ワンチャンスをものにした。
増田監督は「『守備を頑張らないと勝てない』とチームに植え付けてきた。格上のチームと試合を組ませてもらったことが明誠戦で生きた」と話す。
準々決勝の相手は、新人戦準優勝の浜名を破った聖隷クリストファー。練習試合では1−5で敗れているが、冨永主将は「どこが相手でも関係ない。自分たちの持ち味の守備を見せたい」と力強い。ジャイアントキリングはどこまで続くか。
富士東のGK竹川乗