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神谷:藤枝MYFCは9月17日、ホームで町田ゼルビアと対戦し、0−0のスコアレスドロー。ホームで5月以来の勝利はなりませんでしたが、首位の町田相手に価値あるドローとなりました。
ヒデ:首位町田のドローをどう受け止めるか。ホームでなかなか勝てませんね。
寺田:4000人以上のサポーターが入り、今はバックスタンドを改修しているのでほぼ満員。大変良い雰囲気でした。前節はアウエーでしたが9試合ぶりに勝っていたので、スタンドも「やってやろう」と盛り上がっていました。勝ちたかったです。
ヒデ:悔しかったですが、内容はどうでしたか。
寺田:町田の圧力を受けて、最初の10分ぐらいはずっと攻められていました。町田の得意のセットプレー、ロングスローが立て続けにあって、「やばい」と思ったんですが、これをしのいだ。最初の20分を耐えたのが大きかったと思います。
再整備した守備機能
ヒデ:攻撃陣はどうでしたか。寺田:勝てない時期に、チームは守備の再整備をしてきました。ハイプレスだけではなく、ミドルブロックを組んで、ある程度引いて構えて守備をする。これを1カ月かけて整備し、熊本戦、町田戦では機能しました。
高い位置からのカウンターはなかなか繰り出せませんでしたが、しっかりボールを奪って速攻を仕掛けることはできていました。決定機の数で言えば町田よりも藤枝の方がちょっと多かったかなと思います。
ヒデ:この時期でも軌道修正して、それがはまってる。進化してるということですね。
寺田:この夏、エースだった渡辺りょう選手と、中盤の久保藤次郎選手がJ1クラブに移籍して、飛車角が抜けた状況になりました。そこからチームをどうするかという転換期がありましたが、うまく乗り切ったのでは。町田戦は手応えをつかんだ一戦だったと思います。
特別指定の浅倉、永田のコンビは?

町田戦で見せ場を作った浅倉廉選手(右)
神谷:この試合は、静岡学園高校出身で拓殖大学4年生の特別指定選手、浅倉廉選手がJリーグデビューを果たしました。浅倉選手はどんな選手ですか。
寺田:スピードもあって、技術もあって、面白いです。短い出場時間でしたが、自分で切り込んで惜しいシュートを打ち、しっかり見せ場を作っていました。
浅倉選手のほかに、同じ特別指定選手で中京大の永田貫太選手も出場しました。2人が後半、左サイドでコンビを組み、これが機能した。将来性を感じる試合でした。
ヒデ:チームは現在、勝ち点41で15位という状況です。残留争い、まだまだ油断は禁物ですね。もうちょっと上がってほしいな。やっぱり1桁台まで狙ってほしい。
寺田:次は東京V、その次はエスパルス、長崎。これから上位の戦いが続くんですよ。上位に対して、どれぐらいの力を示せるか楽しみです。
ヒデ:町田戦のような試合をしていれば、そこまで不安視する必要はないということですね。
寺田:前期は東京Vにもエスパルスにもコテンパンにやられました。今は進化した守備を生かして戦えますし、十分やれるという手応えを感じています。
GK北村海チディは反射神経抜群

神谷:注目選手を教えてください。
寺田:藤枝はキーパーの北村海チディ選手。身長は178センチと高くないですが、反射神経抜群。肩も強くて、スローイングのパスも矢のよう。やり投げをやらせたら北口榛花選手(8月の世界選手権金メダリスト)よりも投げるんじゃないかと思います(笑)
須藤監督は「キーパーはボランチ」だと言っています。「攻め上がってくれてもいい」と。大卒新人1年目で、最初は1番手のキーパーではなかったんです。彼のプレー、ぜひ見ていただきたいです。
神谷:J2リーグ第35節が終わった時点の順位を振り返ります。1位は町田ゼルビアで勝ち点68。2位が清水エスパルスで勝点63、3位がジュビロ磐田で勝ち点62。そして15位が藤枝MYFCで勝ち点41となります。