知っとこ 旬な話題を深堀り、分かりやすく。静岡の今がよく見えてきます

⚾センバツ36校顔ぶれは 静岡県からは常葉大菊川が選出

 3月18日に甲子園で開幕予定の第95回選抜高校野球大会。27日に出場校を決める選考委員会が開かれ、出場校36校が決まりました。静岡県からは常葉大菊川高校が東海地区代表に選出されました。選手、関係者の皆さんおめでとうございます。36校の顔ぶれや常葉大菊川チームの横顔などを1ページにまとめました。

仙台育英、大阪桐蔭など選出 3月10日、対面で組み合わせ抽選会

 第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕予定・甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、常葉大菊川や昨夏の甲子園大会で東北勢として初優勝した仙台育英(宮城)、昨春の選抜大会を制した大阪桐蔭が選出された。部員への体罰で監督が解任された東海大菅生(東京)も選ばれた。

第95回選抜高校野球大会 出場校一覧
第95回選抜高校野球大会 出場校一覧
 5度の優勝を誇る東邦(愛知)のほか、元プロ野球選手、清原和博さんの次男、勝児がいる慶応(神奈川)や、履正社(大阪)報徳学園(兵庫)、智弁和歌山、広陵(広島)、沖縄尚学なども名を連ねた。龍谷大平安(京都)は42度目、北陸(福井)は34年ぶり。能代松陽(秋田)と光(山口)は春初出場。彦根総合(滋賀)は夏も合わせて初。
 練習環境などのハンディ克服や、地域貢献といった戦力以外の特色を加味する21世紀枠は、石橋(栃木)氷見(富山)城東(徳島)の公立3校を選出した。氷見は30年ぶり2度目の出場で、城東と石橋は春夏通じて初。
 第95回大会は、記念大会のため例年より4校多い36校が出場。組み合わせ抽選会は3月10日に出場校の主将が参加して対面で行われる。
 〈2023.1.28 静岡新聞朝刊〉

静岡県勢 常葉大菊川は10年ぶり5度目の出場

 第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園球場)の出場36校を決める選考委員会が27日開かれ、常葉大菊川(菊川市)が東海地区代表に選出された。10年ぶり5度目の出場。吉報を受けたナインは喜びの表情を浮かべ、あこがれの地での躍動を誓った。

選抜出場が決定し、校長からの話を聞く常葉大菊川の選手=同校室内練習場(写真部・田中秀樹)
選抜出場が決定し、校長からの話を聞く常葉大菊川の選手=同校室内練習場(写真部・田中秀樹)
 静岡県勢の選出は4年連続。主戦格の左腕久保綾哉投手を中心とした堅実な野球が光り、昨秋の東海大会で準優勝した。東海大会4強に進出した加藤学園(沼津市)は補欠校となった。
 組み合わせ抽選会は3月10日に行われる予定。

常葉大菊川「らしく元気に」「出るからには優勝」
 待ちに待った吉報に常葉大菊川ナインは安堵(あんど)の表情を浮かべ、喜びを分かち合った。主将の平出は「全国の舞台でできるのでとてもうれしい。菊川らしい元気のある野球を全員でやりたい」と決意を新たにした。
 道のりは平たんではなかった。昨夏の全国選手権静岡大会は、プロ野球の日本ハム入りした右腕安西を擁し優勝候補と言われたが、新型コロナウイルスのまん延によりベストメンバーを組めず4回戦敗退。新チームはスタメンがほぼ入れ替えとなった上、コロナの影響でスタートが遅れるなど不安は尽きなかった。
 それでも西部地区予選から一戦一戦をしぶとく勝ち上がり、試合ごとにヒーローが変わる全員野球で成長を遂げた。石岡監督は「夏に残念な形で3年生が終わってしまい、臨んだ秋。1、2年生だけの力ではなく(悔しさを味わった)3年生の思いも改めて感じた」と振り返る。
 本番に向けてチーム内競争は厳しさを増す。平出は「出るからには優勝を目指す。そのために一丸となり練習の質も上げていかないといけない。チームとしても個人としてもレベルアップしたい」と先を見据えた。

常葉大菊川の横顔
 1972年4月、常葉短大付属菊川高として創立。78年に常葉学園菊川高、2017年に常葉大菊川高と改称した。野球部の創部は1983年。96年夏に甲子園初出場を果たし、2007年春に県勢29年ぶりの選抜優勝を成し遂げた。同年夏の甲子園では4強に進出し、08年夏は準優勝。主な卒業生はプロ野球DeNAの田中健二朗投手ら。昨秋のドラフト会議では日本ハムから安西叶翔投手が4位、OBの奈良間大己内野手(立正大)が5位指名を受けた。生徒数は1014人(男子378人、女子636人)。菊川市半済1550。中沢俊一校長。

秋季 勝ち上がり成長
 常葉大菊川は前チームからスタメンが大幅に入れ替わった上、新型コロナウイルスまん延で新チーム始動が遅れたが、勝ち上がるごとに力を付けた。
 県大会3回戦の静清戦にコールド勝ちして勢いに乗ると、静岡との準々決勝、知徳との準決勝もコールド勝利。決勝は先発久保が抜群の安定感で完封し、常葉大橘との投手戦をものにした。久保は県大会4試合22回を投げ無失点と、大会を通じ大きく成長した。
 東海大会では初戦の2回戦で津商(三重)との接戦を制した。県勢対決となった準決勝の加藤学園戦は、先発久保が2安打完封と圧巻の投球を披露。選抜を大きくたぐり寄せた。決勝は強豪東邦(愛知)に力負けし、準優勝に終わった。

投手陣「やってやる」
 昨秋、大車輪の活躍を見せたのは1年の左腕久保。全国で勝ち上がるには複数投手の存在が欠かせない。秋は登板機会が少なかった投手陣が目の色を変え、甲子園のマウンドを見据えている。
 秋にエースナンバーを背負いながら、不本意な形に終わった右腕福住は「甲子園でやってやろうという思い。強気な投球をしてチームを勝たせる投手になりたい」と意気込む。右腕内藤は打たせて取る投球術を磨く。「負けられない気持ち。どの場面でも準備して自分の投球をしたい」と言葉に力が入る。右横手の1年山下は久保と同じ都筑中央ボーイズ(神奈川)出身。ライバル心を原動力に「アピールしてメンバー入りしたい」。
 投手陣の成長ぶりを見てきた捕手の鈴木叶は「誰が投げても大丈夫。投手の良さを引き出せるよう意識したい」と援護を約束した。

思う存分楽しんで
 DeNA・田中健二朗投手(常葉大菊川高OB)の話 選手たちのひた向きな努力と頑張りが甲子園出場という結果に結び付き、OBとして本当にうれしく思う。同級生でもある石岡監督の下、最高の舞台で思う存分楽しんで喜びを分かち合ってもらえたら。

市民一同で応援
 長谷川寛彦菊川市長の話 甲子園を舞台に再び勇姿を見ることができると思うとうれしい。郷土の代表として力を存分に発揮してほしい。市民一同心から応援する。

常葉大菊川チーム
部長 黒沢  学
監督 石岡 諒哉
位置 名 前  学年身長体重投打 出身中学
投 福住 柚稀 2年174 73 右右 掛川大浜
捕 鈴木  叶 2年180 76 右右 掛川東
一 梶原 優陽 2年176 79 右右 滋賀志賀
二 岩崎 匠悟 2年171 77 右右 浜松北浜東部
三 平出 奏翔 2年175 80 右右 掛川原野谷
遊 内山 拓海 2年178 65 右右 三重尾鷲
左 辻  樹人 2年182 78 右右 滋賀仰木
中 鈴木 徠空 1年169 67 右左 浜松篠原
右 加藤 永太 2年170 71 右右 愛知志賀
控 久保 綾哉 1年179 77 左左 神奈川中野島
〃 内藤 大輝 2年177 73 右左 藤枝高洲
〃 佐藤 稜太 2年172 82 右右 浜松麁玉
〃 小沢 凛登 1年175 77 右右 浜松新津
〃 堀  周平 2年173 68 右右 函南東
〃 赤堀 耀一 2年169 68 右左 掛川大須賀
〃 橋本 真弥 2年179 75 右右 菊川岳洋
〃 勝亦 望向 1年162 73 右左 御殿場原里
〃 亀原  粋 2年173 69 右右 吉田
〃 深津 瑛大 2年176 75 右右 袋井周南
〃 木村 勇翔 2年181 79 右右 袋井周南
※東海大会登録

常葉大菊川の選抜出場過去4度の成績
★初出場(2004年、第76回)
▽1回戦3-4 八幡商(滋賀)
★2度目(2007年、第79回)【優勝】
▽1回戦2-1 仙台育英(宮城)
▽2回戦10-0 今治西(愛媛)
▽準々決勝2-1 大阪桐蔭(大阪)
▽準決勝6-4 熊本工(熊本)
▽決勝6-5 大垣日大(岐阜)
★3度目(2008年、第80回)
▽2回戦(初戦)6-4 明豊(大分)
▽3回戦2-7 千葉経大付(千葉)
★4度目(2013年、第85回)
▽1回戦9-5 春江工(福井)
▽2回戦4-3 報徳学園(兵庫)
▽3回戦1-3 高  知(高知)
 〈2023.1.28 静岡新聞朝刊〉

加藤学園は補欠校 「夏へ 前向こう」決意新た

 加藤学園(沼津市)は2度目の選出がかなわず、補欠校となった。米山監督から結果を聞いた選手らは「前を向こう」と夏の甲子園出場を目指し決意を新たにした。

報道陣の取材に応じる加藤学園の太田主将=沼津市内
報道陣の取材に応じる加藤学園の太田主将=沼津市内
 太田主将は「引きずらず前に進んで、夏に向けてやるだけ」と冷静に受け止めた。「(悪い流れの中で)攻略できずに終わってしまうことがよくある」とチームの課題を挙げ、「流れを止める強い選手を増やしたい。悔しい気持ちは夏の試合で前面にぶつける」と力強く語った。
 指揮官は「走攻守の全てでレベルアップしなければならない」と見据える。昨秋の県大会は3位。県勢対決となった東海大会準決勝は常葉大菊川に0-2で封じられた。「得点力(不足)というのもあった。生徒としっかり話をして、次の大会に向けてやっていく」と言葉に力を込める。(東部総局・山本萌絵佳)
 〈2023.1.28 あなたの静岡新聞〉

センバツ行進曲は「アイラブユー」 NHK朝ドラ主題歌

 日本高野連は13日、大阪市内で第95回選抜高校野球大会の第2回運営委員会を開き、3人組ロックバンド「back number」の「アイラブユー」が入場行進曲に決まったと発表した。放送中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の主題歌で、「さわやかで伸びやかな曲調が高校生をはじめ、多くの世代に親しまれている」と選定理由を説明した。

甲子園球場
甲子園球場
 47都道府県高野連から推薦されている135校を承認。記念大会のため、例年より4校多い36校の出場校は、27日の選考委員会で決定する。今回は推薦段階で、選出された場合は大会に出場するという承諾を事前に得ているため、大会本部から選出校に出場の承諾を確認する電話はかけない。
 組み合わせ抽選会は3月10日に出場校の主将が参加して対面で行われる。甲子園練習は行われず、18日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する予定。開会式は出場36校の選手らが参加して実施する。今年はアルプス席の一般販売をする。
 〈2023.1.13 あなたの静岡新聞〉
地域再生大賞