リニア論戦活発化 川勝氏/JRとの対峙を強調 岩井氏/大井川流域10カ所へ 静岡県知事選

 20日の静岡県知事選の投開票まで1週間を切り、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題に関する論戦が活発化してきた。リニア問題が最大の争点と訴える現職の川勝平太氏(72)は県内各地で国、JR東海と対峙(たいじ)する姿勢を強調。13日から大井川流域入りした新人で前参院議員の岩井茂樹氏(53)=自民推薦=はこれまであまり触れてこなかったリニアに関する主張で街頭演説の大半を費やした。

(左)大井川の水問題について語る川勝平太氏=14日午後、東伊豆町/大井川流域の島田市でリニア問題について訴える岩井茂樹氏=14日午後、島田市
(左)大井川の水問題について語る川勝平太氏=14日午後、東伊豆町/大井川流域の島田市でリニア問題について訴える岩井茂樹氏=14日午後、島田市

 川勝氏は14日、伊豆地域で街頭演説をこなした。伊豆の国市では伊豆半島の一部で反対運動が起きている大規模太陽光発電所(メガソーラー)とリニアを絡め、「水の問題はあちこちにある。命の水を守る」と強調した。
 13日は静岡市中心市街地で決起集会を開き、呉服町商店街を練り歩いた。前後に行った街頭演説の話題の中心はリニア問題。「水の問題は党派の問題ではない。一企業のために、(リニアで到着地に)5分、10分早く行くために黙っていろというのは無礼千万、国民に対する侮辱だと私は思っている」と声を張り上げた。
 岩井氏は14日、大井川流域の市町10カ所で街頭演説を行った。島田市では「私はリニア推進派でも国土交通省の回し者でもない。相手陣営がレッテルを貼っている」と強調。必要なのは流域、JR東海、国が参画した議論の場だとして「JRや国の説明が納得いくものでなければ当然、工事はできないと思っている」と訴えた。
 岩井氏は報道陣に「これまで水問題を避けていたわけでなく、浜松ならものづくり、伊豆なら観光と地域の課題を訴えてきた。ここにおいてはまさに水問題。地元の不安解消のため、丁寧に説明したい」と話した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞