駿河屋、ホビーのまちの象徴に 本店開店3カ月 静岡市中心街で高い集客力

 静岡市葵区の中心市街地に進出したホビー商材販売店「駿河屋」本店が6日、開店から3カ月を迎える。約1千万点の品ぞろえに加え、鉄道模型のジオラマやラジコンの試走コースといった体験スペースも備え、高い集客力を保つ。中心街の地盤沈下や消費の停滞が懸念される中、「ホビーのまち静岡」の新たなシンボルとして地域活性化を目指す。

豊富な品ぞろえと体験型スペースで、国内外の客を集める駿河屋本店=静岡市葵区
豊富な品ぞろえと体験型スペースで、国内外の客を集める駿河屋本店=静岡市葵区


 本店は旧静岡マルイ跡の駿河屋ビルと旧静岡本店の駿河屋紺屋町の2棟で構成する。駿河屋ビルは今月下旬に売り場が全て整う予定で、さらなる集客が期待されている。
 運営会社エーツー(同市駿河区)によると、昨年10~12月下旬の累計来店客数は約30万人。半数は市外在住者で、訪日客は約10%だった。円安効果やSNSによる口コミの拡散で、今後も訪日客の来店増を見込む。外国人への接遇強化に向け、語学堪能な人材の確保を進めている。
 静岡商工会議所が昨年11月下旬に実施した通行量調査では、「静岡モディ入口前・駿河屋新本店前」が1日当たり1万5574人と、前年比11・3%増加した。
 中心街関係者の期待も高まる。静岡モディの来店客数は昨年10月以降、前年同期比で2桁増が続き、イベント開催やテナント入居に関する問い合わせもあった。ホビー愛好家によるフリーマーケット開催など、地場産業を通じた地域振興策を駿河屋と共同で計画する。疋田容子店長は「(駿河屋紺屋町が面する)御幸通りから人の流れが発生している。回遊性が向上し、にぎわいが戻ってくれれば」と話す。
 別の商業施設幹部は「街中に従来なかったジャンルの施設は新たな魅力になる」と歓迎。来街者に長時間滞在を促す飲食店の集積に期待する。地元商店でつくるけやき通り発展会の深尾茂会長は「けやきプラザが開店したのも好材料で、この活気が続いてほしい」と語る。
 (経済部・駒木千尋)
アニメ雑貨やゲーム機好調  エーツーによると、昨年10~12月下旬の売上高は約3億6千万円。アニメなどの雑貨が約50%を占めたほか、旧型家庭用ゲーム機の本体・ソフトの販売が好調で、数万円と高額な模型の需要も堅調だったという。また買い取りは33万点(1億3千万円相当)を取り扱った。
 杉山綱重社長は「来店客数と販売額は目標を達成したが、店づくりはまだ途上。顧客の要望を聞きながら、商品棚の配置など改善を重ねる」と語る。

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