静岡人インタビュー「この人」 西伊豆町で防災体制の拡充に取り組む 山本新吾さん(松崎町)

 内閣府が認定する「地域防災マネージャー」として、4月から西伊豆町防災課で業務に当たる。防衛大学校、陸上自衛隊幹部候補生学校を卒業し、初任地の陸上自衛隊板妻駐屯地(御殿場市)など全国で勤務し、災害派遣の経験もある。定年後、神奈川県大磯町危機管理課に在籍した後、現職。任期は2年。熊本県宇城市出身。57歳。

山本新吾さん
山本新吾さん

 -防災マネージャーとは。
 「豪雨災害や発生の懸念がある南海トラフ地震に対応するため、内閣府が創設した制度。自衛官の経験や知識を生かし、自治体の防災力向上に努める。前任地の神奈川県では自治体の多くが採用していたが、本県では事例が少なく感じる。有事の際に自衛隊を活用できる人材として必要になる」
 -町とのつながりは。
 「伊豆半島には板妻駐屯地で勤務していた時、先輩と趣味の釣りに訪れていた。先輩の紹介で出会った西伊豆町出身の妻との結婚を機に20年ほど前、松崎町に住居を構えた。妻の両親が高齢になったこともあり、移住して今の職に就いた」
 -町の課題は。
 「町は山と海に囲まれ、ライフラインの道路が限られているため、土砂崩れによる分断の可能性がある。多くの住家が津波浸水区域にあるほか、高齢化も進んでいて避難が難しい人もいるだろう。山積する課題を洗い出し、町の地域防災計画の実効性を検証する必要がある」
 -何に注力する。
 「防災は先を予測して準備することが重要になる。前任地とは地形や人口などが異なり、地域の特性に応じた対策を立てなければならない。住民一人一人が防災について危機感を持ち、意識を高められる雰囲気づくりをしていきたい」

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